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0039 イベントと迷子

「主人……一体どこまで歩いたら着くのでござるか………?」

「うーん、迅のマップによればもう少しで着くと思うんだけどなぁ」

「それ、30分前も言っていたでござるよ……」


紬はマップを見ながら、うーん、と唸った。

ご察しの通り、紬たちは道に迷っていた。それもかなり簡単な道を。


「だって見てよ、マサムネ。ここはさっきのところでしょ?で、ここが今いるところだから……。もう少し前に進んだところにあるじゃん?」

「はぁ……そういうことでござるか……。主人、これ上下逆でござるよ」

「えっ?」


マサムネは紬のウィンドウに映るマップを上下反転させた。

よく見るとマップの右上には、北が上に来るように設定されている。自分の向いている方向にマップが合う設定になっていなかったのだ。


紬はずっと自分たちの進んでいた方向が逆であることに気づき、青ざめた。


「ちょ……ちょっと待って……じゃあ今僕たちどこにいるの……?」

「30分ぐらい真逆に進んでいたでござるから……相当離れていると思うでござるよ」

「え?じゃあ僕たちはまた30分かけて戻って行かなきゃいけないってこと?」

「やっぱり主人に任せるべきじゃなかったでござるな……」


マサムネは落ち込んでいる紬を置いて、ひき返そうと歩き出した。


「しゅ……主人!ダンジョンが……ダンジョンがあるでござるよ!?」

「マサムネ……もうちょっとマシな励まし方をしてくれよ……いくら僕でもそんな嘘には……えっ……ガチ?」


マサムネの指さす方向には、大きな湖がある。

その湖の真ん中には、下につながる階段が見える洞窟があった。


「主人、せっかくだから行ってみないでござるか?このまま引き返したら時間がなくなる可能性もあるでござる。それなら、あのダンジョンを攻略する方が有益だと思うのでござるが」


確かに、引き返すぐらいなら目の前に現れたダンジョンを攻略する方が、時間を有益に使える。しかし、このダンジョンは迅が事前に行ってくれているダンジョンではないため、マップがない。攻略に時間がかかる可能性も否めなかった。


紬は少し考えた後、一つの決断をした。


「行こう。きっと迷ったのもこのダンジョンに会うためだったんだよ」

「そ、そうでござるな!行こうでござる!」


マサムネは紬の言った苦し紛れの言い訳につっこむべきか少し考えたが、結局つっこまずに流すことにした。

紬とマサムネは、ダンジョンに入るための準備をし、ダンジョンのある湖へと向かった。


「行くよ」

「はいでござる」


運命なのか、それとも偶然なのか。

紬たちは巡り合った湖のダンジョンへと足を踏み入れた。

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