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0034 イベントと風のダンジョン 1

「さて、冒険に出発だ!」


上位15名のアナウンスを聞き終えた紬は、こうしている時間ももったいないというように立ち上がった。

マサムネもナイトの中に入り、紬の近くへと走ってくる。


準備を終えていた紬は、マサムネと共にダンジョンの出口へと向かう。


「それじゃ、シルト、バル、カオル、あとは頼むね」

「任せて」

「お任せください!」

「いってらっしゃーい」


シルトたちにダンジョンを任せ、紬とマサムネは初めてダンジョンの外へ足を踏み出した。


◇ ◇ ◇


「うぉー!すっご……うちのダンジョンの周りって緑の多い森だったんだ……知らなかったな……」


ダンジョンから出た紬は、ダンジョンの周りの景色に圧倒されていた。

ダンジョンの周りは「魔の森」と呼ばれている森で、初心者のレベル上げなどに使われるエリアから、強いモンスターがいるエリアまで、いろんな強さのモンスターが共存している森だった。


「それで、主人。吾輩らはこれからどこに向かうのでござるか?」

「ああ、そうだった。今日僕らは、頑張って3つのダンジョンを攻略するよ」

「3つ……でござるか?」

「うん。風のダンジョン、翠のダンジョン、限定ダンジョン……の順番に行く予定だけど……。何か質問はある?」

「うむ。風のダンジョンというところがどんなところなのか説明してほしいでござる」

「それなら、歩きながら話そうか」


それから紬はダンジョンへ向かいながら、マサムネに風のダンジョンの説明をした。


風のダンジョン。

現在このゲームの中で開放されているエリアの中で、難易度が高いとされている4つのダンジョン、「四属性ダンジョン」の1つであるこのダンジョンの正式名称は、「風のダンジョン-()()」。

初級とついておきながら、レベルが30から40なければ攻略は不可能とまで言われる超難易度である。


ダンジョンの中は2階層に分かれており、1階層、1階層がかなり広い。

さらに次の階層に移動するための階段の前に中ボス戦があるという鬼畜仕様である。

風のダンジョンと言う名前の通り、風属性の攻撃を主に戦ってくるモンスターが多く、ボスと中ボス、ダンジョンマスターも風属性の攻撃を使ってくるらしい。


ちなみにこの情報は、事前に迅が調べてくれた情報である。


「なるほど。となると、吾輩は戦闘スタイルを工夫する必要があるかもしれないと言うわけでござるな」

「そうなの?」

「うむ。真正面から突撃すると、魔法などの遠距離攻撃でいなされてしまう可能性が高いのでござる。それなら、回り込んで避けながら近距離に持ち込んだ方が有利に戦いを運びやすいでござろう?」


おー、と言いながら、紬は拍手をした。

紬はそう言ったきちんとした戦術を理解していなかった。

今までやってきたゲームも物量で押し切る、超火力で押し切る……といったように、戦術などとは無縁にプレイしていたのである。


「そうこう言っている間についたみたいだね、風のダンジョン」

「なかなかに風情のある見た目でござるな」


ひっそりと魔の森の木の中に、緑色に光るモヤのようなものがある。

この木だけ他の木と比べて圧倒的に大きく、苔や蔦、キノコも大量に生えている。まるで何かの目印のように。


「それじゃ、さっそく行こうか」

「そうでござるな。時間も勿体無いでござる」


紬とマサムネは、軽い足取りでモヤの中へと入っていった。

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