0028 イベントと2日目(朝)
癒し回です......本編にはあんまり関係ない......かも?
「んー……よく寝た」
紬はベッドの上で伸びをすると、カーテンを開けた。
「今日も天気は上々、イベントの調子も上々!」
朝からテンション高めでスキップをしながら、1階へと降りる。
1階に降りると、先に起きていた犬のゴマが紬の元へと走ってきた。
「ゴマ、おはよー」
「わん!」
紬は一人と1匹暮らしなため、学校のない日は自由な時間に起きていた。
昨日から3連休が始まっていたため、ゆったりと過ごすことができるのだった。
「今何時なんだろ?」
そういえば、とスマホを取り時間を確認した。
「はぁ!?13時!?」
紬は1日目にほぼ寝ずにやっていたことで、相当疲れが溜まっており、安心した寝た結果、13時間の爆睡コースを実施していた。
しかし、すでに目標だった10万DPは達成しているため、そんなに焦る必要はない……のだが、紬は綺麗さっぱり忘れてとんでも無く焦っていた。
「どうしよ……とりあえず、すぐログインして……」
「わんっ」
紬が焦っていると、ゴマが紬のことを見ながら吠えた。
「早く飯よこせ、お腹すいた」
というような顔をしながら、じーっと紬を見続ける。
見つめられた紬は、ふふっと笑った。
「そうだね、焦ってもどうしようもないもんね」
紬はゴマのおかげで冷静を取り戻した。
そしてゴマにはご褒美としていつもより少し多くご飯をあげ、さらにおやつも用意した。
ゴマはおやつを見ると、目の色を変えて急いでご飯を食べ始めた。
紬はおやつをあげるのがご飯の後と決めているため、ゴマは早くおやつを食べるために急いで食べ始めたのだった。
「ゆっくり食べてね、焦らなくてもおやつは逃げないから」
ゴマは紬の方を見ながらもぐもぐと口を動かす。
紬が一人暮らしが寂しいと感じた時に買い始めたこの柴犬は、元は路頭に迷っていた野良犬だった。しかし、紬が愛情を注いで育てていくうちに、最初そっけなかったにも関わらず、今ではとんでもなく懐き、少しぽちゃっとしていた。
「食べ終わった……ね」
紬は内心はやっ、と思いながら、「はよよこせ」と尻尾を振っているゴマにおやつを差し出した。
ゴマは顔をパーっと光が出そうなほど、笑顔を浮かべながら紬の元へとちょこちょこ走ってくる。紬の元に辿り着くと、おやつにパクッとかぶりついた。
「WAON!」
「ん?」
「WAON!」
どこかで聞いたことがあるような犬の声を出しながら、ゴマはおやつを食べている。紬は違和感を感じつつも、気のせいということにした。
「よし……ゴマに餌もあげたし、ゲームやるかー……」
ゴマはおやつを食べ終えて、おやすみなさいした。
お腹を上に向けて、器用にソファの上で自分で毛布をかけて寝ている。見ているとたまに寝返りを打ち、落ちそうになっている。可愛い。
紬はゴマを少し撫でた後、2階にある自分の部屋へと戻った。
そして、ハードを装着して電源を入れた。




