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0014 ダンジョンと迷宮セット 2

「いつ終わるの……これ……」


崩壊していくダンジョンを、なぜか崩壊していない管理部屋から紬はゴーレムたちと見守っていた。

ダンジョンは次々に崩壊していき、管理部屋から見えるのは瓦礫の山だけになった。


「どうしよう……なんでこうなった……?」


うわぁぁぁと大きな声を上げながら、紬は頭を抱える。

しばらくそうして叫び続けていると何か吹っ切れたのか、それとも諦めがついたのか、ふらふらと立ち上がった。


「ログアウト!」


紬はログアウトをしてゲームの世界からいなくなった。

どうやら耐えきれなくなっただけだったみたいである。


「いや……最後まで見なきゃダメだよ……」


紬のいないところでゴーレムが声を発した。

ゴーレムは紬との度重なる連携で声を発せられるようになっていた。もちろん紬は気づいていなかったが。


ゴーレムが呆れたようにその場に座ると、同じようにグレイトウルフとレッドスライムもその場に座った。


崩壊していたダンジョンは瓦礫から段々と綺麗な壁の迷宮へと組み替えられていき、30分ほどで瓦礫の山から迷宮へと姿を変えた。

そう、紬は分かっていなかったが、ダンジョンの崩壊はダンジョンの全体の模様替えの時も起こる。紬の押したボタンは押してはいけないボタンだったわけではなかったのである。


そうしてダンジョンが新しい姿に生まれ帰った頃、紬は……。


「もう無理だ……ダンジョン壊れたらあのゲームやる意味無くなっちゃうよ……はぁ……」


まだウジウジしていた。


「うーん……でもなぁ……あのゲーム楽しいしなぁ……やめたくないなぁ……うーん……」


ゲームをやめてから30分間、ベッドの中で布団にくるまってゴロゴロウジウジしていた。立派なウジウジ虫である。


「掲示板でも見るかぁ……」


紬はゲームについて調べようと、掲示板を見てみる。

掲示板を開くと、1位のスレに衝撃のタイトルがつけられていた。


「えっ……「最強のスライムダンジョン、迷宮風に様変わりしていたのだが」……?」


その時の掲示板では、突然姿を変えたダンジョン、紬のダンジョンについてで盛り上がっていた。


紬は内容を読むことなく、真偽を確認するためにすぐさまゲームにログインする。ログインした管理部屋にはすでにゴーレムたちの姿はない。

心臓をバクバクさせながら、紬は管理部屋の扉を開けた。

扉を開けた先で紬の目に映ったのは、今までのような洞窟ではなく、きれいに整備された迷宮と言ってもいい、ダンジョンの姿だった。

壁は綺麗な白いレンガで作られており、天井は高く、何より道が綺麗に整備されている。モンスターが現れなければダンジョンじゃないと言われても、信じるような綺麗な姿へと様変わりしていた。


「どうなったんだろ……これ……」

「崩壊した後に再構成したんだよ、マスター」


ゴーレムは紬の問いかけに答えた。

紬は誰に話しかけられたのかわからず、警戒しながら周りをキョロキョロ見渡している。ゴーレムは自分だということがわかっていない紬にさらに近づいた。


「ここだよ、マスター」


紬はゴーレムの方へと振り向き、5秒ほど目をパチパチした後、


「えーーっっ!!ゴーレム喋れたの!?」


と言い放った。


「はぁ……マスター色々と知らなすぎだよ……」


ゴーレムのぼやき声は紬には届かず、紬は一人で戸惑っている。

散々戸惑ってアワアワした後、ピタッと急に止まり、恐る恐るゴーレムの方へと再び振り向いた。


「い、いつから……?」

「最強のプレイヤーの人達倒した後ぐらいからかな」

「うわぁぁぁ結構経ってる!きづかなくてごめぇぇぇん!」


ゴーレムは自分の体に抱きついて許しを懇願している自分のマスターを見て、ため息をついた。


「はぁ……先が思いやられるね……」

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