【プロットタイプ】承認欲求
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
上手い回答が出来ない人間なので、感想欄閉じてます。
これは読者様の問題ではなく、私の問題。
詳しく知りたい方は代表作の『作品と作者の注意点』に書いてあります。
注意事項2
頭の良い人が好きなんです。
だから頭が良いって思われたいんです。
そうすれば全て報われると思ってるんです。
何故物を書き続けるのか、と言われたら、空っぽになった自分の埋め合わせをしたいから。と答えるだろう。私という存在はもう、あってない様なものなのだから。
其れでも、最近は他に意味があるのでは無いかと思っている。
友人と漫画の原画展に出掛けた。モノクロの、今まで描かれた作品の名場面の数々が立ち並ぶ中、一つ一つに足を止めて二人で観察する。その中で私の興味を引いたのは、男性が淡々と話し掛ける場面だった。
別にその話を知っていた訳じゃない。その漫画を持っていない。其れでもあの一言が、胸に深く突き刺さって抜けなかった。
――偉いのは、普通に今を頑張って生きている方ですよ。何でもない日常を謳歌している方。
その一言を見た時に、私は友人の事をそっちのけで釘付けになった。その場から動けなくなった。そうして訳も分からず、ボロボロと泣いてしまいそうになった。
瑠衣たん、お話聞いてくれる? 結構温めてた話なんだ。数ヶ月前に行った原画展の話。
え、何で今なのかって? それを触発する様な台詞を見たから。其れを見て、駅でボロボロ泣いてしまったから。
あのさ、知っての通り、私何時も死にかけなんだよ。女帝を最上位として、周りに合わせて、適切な人格を繰り出す事で今を生きてるの。自分が無いの。だからその空っぽを埋める為の悪足掻きとして物を書いてるの。
でも……でもさ……私……自分がすっからかんだと分かっているから、空っぽでも生きているだけ偉いって、頑張るだけ偉いって、言われる事に弱くて。誰かに褒められる事、認められる事に物凄く弱くて……。
原画展に行った時『一番偉いのは、今を頑張って生きてる人』って言葉見た時に、泣きそうになっちゃったの。今日たまたま画像漁ってたら『あんなに人間って頑張るのに』って言葉みて、苦しくなっちゃって。
私……私……誰かに認められたいんだって思ったの。物を書いて、『頭が良いね』『ここまでよく頑張ったね』ってただそう言われたいんだって。ただそれだけなんだって。
泣いているから、自分でも何言ってるか分からない。多分、理論も論理も破綻している。
だから私は職場は疎か、家族や友人に対しても泣くのを止めた。こんな意味分からない会話を並べ立ても誰も納得してくれないから。理解してくれないから。受け入れてくれないから。
だから一番素に戻れる彼の元で、そう支離滅裂な言葉を吐く。
「……俺が知ってる中でも上位だよ。覚悟決まりきって、必死に生きてるの」
其れでも瑠衣はただ黙って聞いていた。ぐちゃぐちゃになった私に寄り添って今日だけは黙って髪を撫でてくれた。
頭の良い人が好きなんです。
だから頭が良いって思われたいんです。
私が物を調べ物をするのも、こうやって物を書くのも、一端を担ってると思います。
まぁでも、褒められなくて当たり前です。褒められると思って書いてません。褒められても何か打算があると思ってます。
だからブチ切れ状態で、ボロ泣きした状態で、『頑張ってるんだから』って弁護されると、多分、泣いちゃう。
泣くとか、怒るとか、人に対して害が及ぶ感情じゃないですか。
何時も泣いてる人、怒ってる人、そんな人と関わり合いたいと思います?
私は思わないんですけど。恐らく大半の人がそうでしょう。
だから皆、泣いたり、怒ったりしないんですよ。
喜しいとか、楽しいとかの感情を前に出すんです。
これ、友人だけでなく、家族であっても。
この積み重ねで、皆、家族の前でも自分を守る為に素にならない。
どうしてもお世辞とか、建前が増えていく。
でもだからこそ、そう言った感情が全面に出ると『この人本気で物を言ってるんだな』と思います。
本気でこの人、弁護してくれてるんだなって。
鏡花が泣いてしまったのも、其れが理由。
自分とは直接的な関係の無いところ、つまり利益にならないところで『頑張ってる』と言われたんです。
純粋に、心から認められてると感じてしまったんです。
皆様が考えているよりも、鏡花って結構死にかけ。
頭を何かで埋めてないと、自分が空っぽって、死んでるって自覚して、鬱になっちゃうから。
だからこそ生きる為に色々してます。物を書くのもそう。演技をするのもそう。
かなり必死の延命。生き急いでると思われるぐらい。
だからその頑張りを認めて欲しいんです。
『よく頑張ったね』ってただ言われたんです。
其れをしてくれたのが、瑠衣じゃないかなぁ。
あの子は死に物狂いな人間に寄ってくるから。
そして傍に置きたがるから。
『頑張った』って認めてしまうから。