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まめまきはひかりちゃんのことを考える。
幽霊ホロウの女の子、可愛らしくて、優しくて、大きな瞳の中に星のある、水玉ひかりちゃんはたった一人で、お友達の幽霊ホロウの女の子、小枝つばさちゃんの家に今もいる。
……一人で、ずっと孤独に、あの誰もいないからっぽの古い小さな家の中でつばさちゃんが帰ってくるのをただじっと待っている。
そんなひかりちゃんもやがて、もしひまわりに新しい子ができて、今までの幽霊たちと同じようにいらないと言われて捨てられてしまったら、……あの暗い地下の世界の中で、……ロストチャイルドになってしまうのだろうか? そんな考えたくもないことをまめまきは考える。
これからきっと、ひかりちゃんやまめまきの前から姿を消してしまった、幽霊ホロウの女の子、小枝つばさちゃんがそうなるように……。(想像もしなくないけど、そういうことなのだと思った。まめまきは小枝つばさの綺麗な星のある瞳と可愛らしい顔を思い出した)
今までひまわりが実験で作り出してきた、無数の幽霊ホロウたちが、みんなそうなっていったように……。
愛着を持っているようで、『いらないものは全部すぐに捨ててしまう』。それはとてもひまわりらしい行動だと思った。……そうなんだ。私もきっと捨てられたのだ。ずっと昔に。……浮雲ひまわりに。いらないと言われて捨てられた。私もあの子たちと同じなんだ。
みんな生きているのに。
みんなちゃんと(痛みを感じる)心があるのに。
「……心。心か。ねえ、みちびき、心ってなに?」
と銀色のイヤリングを指で揺らしてまめまきは言う。
『心とはあなたの内側に広がっている無限の広がりを持つ宇宙と同じ性質をもった世界のことです。それはまめまき。あなたにはあって、私にはないものでもあります』みちびきはいう。
「みちびき。あなたに心はないの?」まめまきは言う。
『イエス。はい。ありません。私の内側には『ただの空っぽな空洞』があるだけです。私には心はありません。私は浮雲ひまわり博士の手によって作り出されたコンピュータープログラム。ただの人工知能ですから』と淡々とした口調でみちびきはいう。
「悲しいことを言うね」小さくなるようにぎゅっと丸くなってまめまきは言う。
『悲しいという感情を私は理解することができません』みちびきは言う。(それはその通りだった。普段、みちびきはまるで本物の人間と同じようにまめまきと会話をしてくれるけど、それはみちびきがまめまきにストレスを与えないためにプログラムとして学習をして、人間らしく演じているだけであって、みちびきは人の心や感情を理解して、会話をしているわけではなかった。そのことをまめまきはもちろん知っていた)
「みちびき。私はひとりぼっちなの?」まめまきは言う。
『はい。その答えはイエスです。私はここにいます。でも、本当はここにいません。まめまき。あなたはずっとひとりぼっちです』とみちびきは嘘を言わずに、いつもの口調で(残酷な現実である)本当のことをそう言った。
「ごめん。ちょっとだけ泣くから、時間を頂戴」まめまきはそう言って静かに泣き始める。
復活するのに五分もかかった。(プロとして失格だ)




