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世界情勢エッセイ

岸田首相の訪米は赤点! 米軍は「いつ動くのか」全く不明ですよ!

作者: 中将

筆者:

 本日はこのエッセイを選んでいただき誠に光栄です。


 今回は岸田首相の訪米について個人的な採点を行いたいと思います。



◇なんちゃって「国賓」待遇



質問者:

 NHKの記事などでは、


 『総理大臣としては9年ぶりとなった今回の国賓待遇でのアメリカ訪問について、岸田総理大臣は、日米首脳会談や議会演説などを通じ、日米両国がグローバル・パートナーとして連携していく重要性を発信することができたと成果を強調しました。』


 とありました。


 国賓待遇だなんてやはり関係強化を期待されていたんでしょうか?



筆者:

 僕が評価できる立場であるかは怪しいところではありますが、点数をつけるなら30点。赤点です。


 まず一つ目の「国賓待遇」という事のようですが、"state guest"(国賓)という表現を使っているのは日本メディアの英語版のみで、アメリカのロイター通信などでは岸田首相の訪米を"official visit(公式訪問)"と表現しているんですね。


 実際のところ岸田首相をアメリカで迎えたのはエマニュエル駐日大使だけだったようで、副大統領や国務長官クラスのお迎えすらなかったようです。

 感覚としてはアメリカ報道の「公式訪問」の方が適切な表現のように僕は思います。



質問者:

 えぇ……なんなんですかそれは……。



筆者:

 まぁ、日本のマスコミは政権になんだかんだで味方なので岸田首相のための「提灯記事」を書いているんでしょうね(笑)。


 凄いことをやっているかのように見せかけているだけです。


 実情は“確認”だけで終わっただけ。アメリカ旅行を岸田首相が愉しんだだけでしたね。国費を使ってやることではなく電話会談で十分でしょう。



質問者:

 逆に30点もある方が不思議に思えてきました……。



筆者:

 僕的に唯一評価できるポイントはアメリカ議会で民主党・共和党の両睨みの日米同盟について述べたことです。

 この秋以降にはトランプ氏が大統領候補になっている共和党に政権交代の可能性も一定以上の確率であるためにこれはかなり必要なことだったと言えます。


※あとは宇宙開発を共同で行うことぐらいか……。



質問者:

 確かに政権交代が起きた時、何も対応できなくては困りますよね……。


 今回の渡米で戦争できる国になった! という話があるのですがそれについてはどうお考えになりますか?



◇「どのライン」でアメリカが戦ってくれるかが問題



筆者

 そもそも2016年に安全保障関連法が成立し、憲法解釈を勝手に変えたことにより集団的自衛権の行使をできるようになりました。

 その段階で軍事力の行使はある程度実行可能になっているんですね。


 今回注目されているオーストラリア・イギリス・アメリカの3カ国によって2021年に創設された安全保障の枠組み「AUKUS」に入る入らない以前の問題のように思えます。


 実際問題上、イギリスやオーストラリアは日本近海にほとんど何も基地などが無いので防衛義務を負うようなことはないでしょう。


 むしろこの枠組みをチラつかせて日本にお金を出させて「ATM化」してしまうことの可能性が上がったのではないか? とすら思えます。

 これは日本にNATOの連絡事務所が検討されていることとも並行してお金を出させようと模索していることと共通しています。


 アメリカの指揮下に入るかもしれないという話も「米軍のためにもっとお金を出せ」と言っているようなものです。



質問者:

 結局のところNATOにしろAUKUSにしろアメリカとの関係以外あまり軍事上関係なさそうですからね……。


 日米比の三か国の首脳会談もありましたがこれについてはどうなんでしょうか?


 バイデン大統領は会談の中で、


「アメリカによる日本やフィリピンの防衛への関与は強固だ。南シナ海におけるフィリピンの航空機や船、それに軍に対するいかなる攻撃にも相互防衛条約が適用される」


 とおっしゃっていたようですけど……。



筆者:

 問題はその「相互防衛条約」というのがアメリカが“どのライン”で戦ってくれるか? ということです。

 実際大事が起きても、アメリカが守ってくれることは無く、日本が片務的な負担を背負わされているのではないか? という疑念が付きまとう状況だという事だと思います。


 今まではアメリカの存在が“抑止力”となっていましたが、今後はそのような保証があるとも限りません。


 また、日本に直接関係無かったことなのでそんなに触れてきませんでしたが、

フィリピンはベトナムやマレーシアと共に中国から“事実上の侵略”を受けているのです。



質問者:

 えっ……そうなんですか?



筆者:

 中国は南沙諸島(スプラトリー諸島)海域に存在する暗礁を埋め立てて人工島をつくり、場所によっては軍事要塞に近い形になっています。


 CSISによると、中国はこの2013年からで南シナ海の南沙諸島で7つ、そして西沙諸島で9つのあわせて16の岩礁などで埋め立てを行っていることが確認しており、

 埋め立てによって拡張した面積はあわせておよそ15.8平方キロメートルほどと言われています。


2014年5月15日、フィリピン外務省が、中国がジョンソン南礁(赤瓜礁)を埋め立てているということを示す時系列の写真を公開。


2016年7月12日、オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所は、いわゆる九段線に囲まれた南シナ海の地域について中華人民共和国が主張してきた歴史的権利について、「国際法上の法的根拠がなく、国際法に違反する」とする判断を下しています。


 でもこのようなことが起きながらも、全くアメリカとしてはここまで軍事的に動く気配が無いというのが実情なのです。


 中国が大きな沿岸警備隊や海軍の軍艦を使い、自らの主張を押し通し、フィリピンの漁業従事者を追い払い、フィリピン沿岸警備隊を挑発し、2024年の今年には衝突事件も起きました。



質問者:

 なるほど、そんな状況なのに動いてくれないというのは困りますね……。



筆者:

 ただ、関係国が過剰なほどに領有権を主張し合って南沙諸島の辺りは「カオス」なことになっているのも解決の糸口が見つけにくい状況ではあります。

 この点、国際法上でも日本に尖閣諸島の領有権があると認められているのと状況は違います。

 しかし、この南沙諸島問題について具体的な解決策を提示できないのが今のアメリカの状況・限界を示しているようにも見えます。

 

 日本とて尖閣諸島周辺で「漁船」と称する船が押し寄せてきたり、

 「ブイ」という名の調査能力がある装置を流してきたりと、

 徐々に浸食してきているので他人事ではありません。



質問者:

 妥協しているうちに徐々にやられてしまうという事ですか……。



筆者:

 未来のことは分かりませんが、その可能性はあると思っていまs。


 アメリカとか「相互保障を約束」とか「沖縄県・尖閣諸島が米国による防衛義務を定めた日米安保条約第5条の適用対象」とか言葉だけの「連携を強化」ぐらいのリップサービスならお安い御用でしょう。


 今回のバイデン大統領の発言が「これまでの確認」程度にとどまっているという段階で「日本の外交の敗北」です。

 

 いざ実際に銃弾を打ち合う状況になったとしてもアメリカ議会や国民の評価次第で途中から戦ってくれなくなることや、予算を出してくれなくなることはロシア・ウクライナ紛争で証明していますからね。


 そう言ったことを指摘していないところからもマスコミの報道は「提灯記事」と言えるのです。



質問者:

 なるほど、さらに一歩深く突き詰めなくてはいけなかったのですね……。



筆者:

 日本にとって一番望ましい状況は台湾を日米で国家承認し安全保障をアメリカが約束することですが、

 中国を刺激したくないという状況で中途半端な関係で膠着しているというのが実情です。


 今の状況で一番考えられる最悪のシナリオとしては、

 中国の不動産バブルが弾けて、それに伴い銀行が連鎖倒産して経済的に大不況。

 国民の不満が高まるもそれを国外に転嫁させるために中国が台湾に侵攻し、アメリカは適当なところで手を引いて日本だけが戦うという図です。


 台湾と日本で中国に対抗することは不可能に近いので、これを避けるためのアメリカとの外交をしなくてはいけないはずです。

 ですが、その観点から見ると今回の訪米は「0点」と言わざるを得ないですね。



質問者:

 日本で独自の戦力を整えようにもアメリカからまたトマホークとかいうあまり役に立たないのしか買いませんからね……。


筆者:

 最近、農業基本法や新NISAなどありとあらゆる手を尽くしてアメリカ様にお金を渡し、

 その割には日本への見返りが怪しいという状況になっていっているような気がしますね。


 2016年より前はアメリカ側が日本を抑止力で守り日本は何も出来ないという片務的な状態でした。

 しかし、今は日本がお金を西側諸国に出すだけで自前で戦う能力は怪しい、アメリカが日本を守るかも怪しいという状況に変わりつつあるという事です。


 この状況では日本人個人としては有事の際の安心がありません。農業生産力も肥料などが入ってこなければ10%台の自給率という話もあるので、ちょっとでも備蓄をしたり“有事への精神的備え”をすることが大事だと思います。



質問者:

 個人で何とかしなくちゃいけないってどういう事なんでしょうかね……。



筆者:

 できる範囲でもいいと思います。

 地震大国ですから災害用備蓄も兼ねることが出来ます。

 僕がお勧めなのは真空パックのお米、自分の口に合う缶詰などがお勧めです。

 僕もローリングストックで賞味期限が来そうなものから食べますが、何も来なければラッキーだったなという思いです。

 そして、あると安心度が上がるのでまた買うという感じですかね。


 という事でここまでご覧いただきありがとうございました。


 今回は岸田首相の訪米は「国賓待遇」と言われているが怪しいこと、

 国防についての会談もこれまでの主張をアメリカが繰り返しただけで、日本の負担が増す可能性が上がるだけで防衛上は何ら成果は無かったという事をお伝えさせていただきました。


 今後もこのような時事問題や政治・経済、マスコミの問題について個人的な解説を行っていきますのでどうぞご覧ください。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 岸田首相の訪米は「国賓待遇」と言われているが怪しいこと。 日本語すら理解できない人は、なろうエッセイで初めて知りました。
[一言] 「国賓待遇」と言われているが怪しいこと・・・。 凄すぎて・・・。こんな論評をなろうで証言出来てるのが驚愕ですわ。
[一言] そもそも日本が尖閣や先島諸島、礼文、利尻くらいなら占拠されても反撃せずに「遺憾の意」だけで終わりそうですし、アメリカもそんなこと言われても答えられないかと。 「で、自衛隊はその時動いてるの?…
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