表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/3

第3話 朝食と…… 前編

楽しんで頂ければ幸いです。

行き倒れていた冒険者の3人を助けた俺は、彼女たちに依頼して近くの町まで護衛をしてもらう事に。何とか道中の食事の用意と言う条件で護衛と、この世界について教えてもらう事を約束した俺は、彼女たちに卵料理を振る舞うのだった。



『チュンッチュンッ』


「ん?ん~~~?」

眠っていた俺を起こしたのは、いつもの聞きなれたアラーム、ではなくどこからか聞こえる鳥の囀りだった。

「あれ?ここって?」

最初は訳が分からなかった。寝ぼけ眼のまま訳も分からず周囲を見回すと、視界に映ったのは昨日俺が出会った女性冒険者の3人、ミーシャさん達と彼女達が用意してくれたテントの天井だった。


『あぁ。そうか』

彼女たちを見て、ようやく俺は意識がはっきりとしてきた。そして同時に、昨日の出来事を思い出してため息をつきたくなった。 昨日の出来事は、夢ではなかったんだ。現実離れした昨日の出来事、それが紛れもない現実だった。 だが、やはりそう簡単に受け入れられる現実じゃなかった。だからこそ俺は頬を軽く抓った。


走る痛みに表情を歪め、一瞬瞳を閉じる。しかし目を開いてみても、何度瞬いて観ても、映る景色は何も変わらない。


「……ホントに、異世界なんだなぁ」

例え理解が及ばないとしても、飲み込むしかない現実にため息をつきたくなる。しかし、今の所元の世界に戻れる方法はあるかどうかも分からない。 存在するかどうかも分からないが、『その世界で若返り特異な力を手に生きろ』と神が俺の運命を決めたのなら、俺のような人間はそれに従うしかないのだろう。 いろいろと、不本意ではあるが。


『クゥゥゥ』

その時、俺の腹の虫が空腹を訴えてきた。

「ふっ」

まだ理解も納得も出来てないが、正直に腹が減ったと訴える自分の腹の音が可笑しくて俺は小さく笑ってしまった。 俺は毛布を置いてテントから這い出ると、外に置いてあった靴を履き、テントの外で体を動かした。 まだ少しひんやりとした空気の中でしばし体を動かしてほぐしていると。


「ん、ふぁ~~~~」

「あ~~~よく寝た~~」

「ん?朝?」

 そうこうしていると、彼女たち3人も目を覚ましたようだ。


「おはようございます、ミーシャさん、エリリンさん、ネリーさん」

「あぁ、おはようソラ。昨日はぐっすり眠れた?」

「えぇ。おかげ様で」

 彼女の問いかけに俺は笑みを浮かべた。疲れていたってのもあるかもしれないけど、おかげで朝までこれと言って目覚めることなくぐっすり眠れた。


『グゥゥゥッ』

 と、その時聞こえてきた大きな腹の虫の鳴き声。その主はミーシャさんだった。


「あ~~~。腹減った~~」

「そうねぇ。確かにお腹空いたわね~」

「……(コクコク)」

 ミーシャさんの言葉に二人が頷く。


「それでは、皆さん朝食は何になさいますか?いろいろご用意できますが、朝からがっつりか、それとも軽めに致しますか?」

「あ~~。アタシは軽めでいいや。さすがに昨日、いろいろ食いすぎたわ」

「そうね。私も軽めでいいわ。数日食べてない所に、結構いろいろ食べちゃったからか、ちょっとお腹の感じがイマイチなのよね」

「右に同じく」

 どうやら3人とも、軽めでいいらしい。表情からしても、元気いっぱいとまでは行かない様子。そうなると、軽めであることに加えて『お腹にやさしい』朝食にしなければならない。


「分かりました。ではさっそく、朝食を作ってきますのでお待ちを」

 立ち上がり、3人から少し距離を取る。

「ディメンションマーケット、展開」

≪了解、ディメンションマーケット、展開します≫


 これまでと同じように展開する言葉を発すると目の前に現れる扉。流石に数回目となればもう慣れた物。臆せず扉をくぐり、中に入ってかごを持つと、足早に店内を歩き回る。


 俺、つまり日本人で朝食+胃にやさしいとなれば、献立は決まったような物。米、に関しては昨夜の残りがあるからこれを使おう。汁物は、決まってるような物だな。 っと、飲み物も必要だろうか? となるとお腹にやさしい小さな飲料があるし、念のためお茶や牛乳なども持っていこう。 あと、白米だけじゃ物足りないだろうから、追加で色々と。う~ん、漬物、とか行けるかな?いや、やめとこう。いきなり色んな物を出されても困るだけだろうし。シンプル過ぎるけど、今日はご飯とお味噌汁程度にしておこう。


 そして、材料を揃えた俺はバックヤードの厨房へ行き、手早く料理を作るとそれを器に入れて3人の所へと戻った。


「お待たせしました。朝食の準備が出来ましたよ」

 そう言って俺は持ってきた器を昨日と同じように木製テーブルの上に並べる。今朝のメニューは白いご飯と味噌汁。が、しかし……。

「ん?なんだこりゃぁ?」

「泥水、な訳無いわよね?」

 ミーシャさんとエリリンさんの二人は、出された味噌汁を前に首をかしげている。


「……玉ねぎのスープは似たような色をしているけど、違う。ソラ、これは?」

「それは味噌汁と言って、俺の故郷の国民食です。大豆という豆類を原料とする味噌、という調味料を用いて作る汁物ですよ」

「へぇ、要はソラの国のスープって訳か」

 ミーシャさんは興味深そうに味噌汁の入ったカップを持ち上げ中を覗き込んでいる。エリリンさんとネリーさんも、同じように味噌汁に興味津々だ。というか、ネリーさんの言ってた玉ねぎのスープってオニオンスープかな?まぁ、今はいいや。


「ねぇソラ、この中に浮いてる白い具は何?こっちの丸いのは野菜だって分かるんだけど」

「あぁ。それは豆腐と言って、味噌と同じく大豆を原料とする食材です。豆腐自体の味はとてもたんぱくなのですが、味噌汁の具材として俺の国では一般的な存在なんです」

「へ~~。このスープも白い具材も、どっちも同じモノから作ってるって事なのね」

「にわかには信じらんねぇなぁ」

 俺の話を聞き、声を漏らすエリリンさんとミーシャさん。


「……」

 そんな中で、ネリーさんが静かに味噌汁に口をつけた。

「ふぅ」

 一口、味噌汁を飲むとネリーさんは小さく息を漏らしながらも笑みを浮かべている。

「決して濃い味付けじゃないけど、旨味が優しく口の中に広がる。美味しい」

「ありがとうございます」

 そう、俺とネリーさんが会話しているのを見ていた二人も、徐に味噌汁を一口飲んだ。


「へ~。確かに悪くない」

「そうね。この白いトウフ、というのもふわふわ触感で面白いわ」

 どうやら二人にも味噌汁は好評のようだな。

「さて、こっちは昨日食った米って奴だけど……」

 そう言ってミーシャさんはご飯を一口食べる。が……。


「う~ん。不味い、って訳じゃねぇがこれだけじゃなぁ」

「まぁ、うん、そうね」

「……ちょっと、物足りない」

 何やら3人ともご飯だけじゃイマイチ、というか不満な様子。まぁ、昨日はかつ丼とか天津飯とかオムライスとか食べてたからなぁ。その後じゃごはん単体だと物足りないのも無理はないよなぁ。


 で、そうなればこいつの出番かな。

「じゃあ、良ければこれをごはんの上にかけてみて下さい」

 そう言って俺は、『ふりかけ』の口を開けて差し出す。


「こいつは?」

「それはふりかけと言って、ごはんの上にかける、え~っと、フレークと言うか。調味料と言うか。とにかく試してみてください」

「ふ~ん?」

 ふりかけの袋を受け取ったミーシャさんは半信半疑な様子ながらもふりかけをごはんの上に少量かける。


 俺が渡したそれは、日本においては知らぬ者など居ないふりかけ。卵と海苔を使った、ふりかけの代表格のような存在だ。真っ白なごはんを彩る黒と黄色の2色。

「お?黄色と、黒?なんだこりゃ?」

「あぁ。その黄色いのは卵を加工した顆粒で、そっちの黒いのは海苔と言って海の中に存在する海藻を原料とした食材です」

「ふ~ん。まぁ、食ってみたら分かるか?」

 未だに少し半信半疑な様子でミーシャさんはふりかけの掛かったごはんをスプーンで掬い口元に運んだ。 

「「……」」

 傍ではミーシャさんの様子をエリリンさんとネリーさんが見守っている。ミーシャさんは数回、咀嚼を繰り返してからごはんを飲み込んだ。そして、静かに呼気を吐き出した。


「どうですか?」

 俺としては今後の食事を用意する上でも食べられる物や苦手な物を把握しておきたかった。だから味の感想をミーシャさんに求めた。


「うん、悪くねぇ。いや、むしろ美味いっ!塩気とこの粒粒のちょっとした甘味に、良く分かんねぇけど不思議と食欲をそそる香りもあるっ!ははっ!こりゃ良いやっ!」

 さっきまでの半信半疑と言った様子から一転。ミーシャさんは美味しそうにごはんを口に運んでいく。

「そ、そんなに?」

「ちょっと、試してみる」

 そんな彼女の姿に興味を引かれたのか、二人とも同じようにふりかけの袋を手に取り、ごはんの上にふりかけを掛けると、若干恐る恐るながらもそれを口に運んだ。


「「ッ!!」」

 そして二人とも、目を見開き驚いた様子。しかし次の瞬間にはミーシャさんと同じく笑みを浮かべながらごはんを口へと運び食していく。


「はぁ~~。美味しいわぁ」

「うん。温かい朝食って、かなり新鮮」

「だよなぁ。いっつも堅い黒パンとかベーコンくらいだったもんなぁ」

 3人とも、各々ごはんを食べたり味噌汁を飲んだりしている。その満足げな姿に俺は内心笑みを浮かべていた。やっぱり日本人として、米料理や味噌汁を美味しそうに食べてくれるのは嬉しい。


 さて、俺も朝食を食べるか。俺は皆とは違い箸を使ってごはんを食している。その時。

「………」

「ん?ネリーさん、どうかしましたか?」

 不意にネリーさんが、俺の持ってきた乳酸菌飲料の小さなボトルを見つめているのに気づいた。

「ねぇソラ。これって、飲み物?」

「あぁはい。そうですよ。こっちは牛乳。こちらはお茶。それでネリーさんの見ていたこれが、乳酸菌飲料と言う種類の飲料です」

「にゅ、にゅうさ、何?」

「乳酸菌飲料です。え~っと、一言で言うとお腹の調子を整える飲料、ですかね」

「ッ。ソラの国にはそんな飲み物まであるの……っ!?」


 小首をかしげているネリーさんに色々説明していると、彼女は驚いた様子だった。

「えぇ。まぁ個人差もありますので、全ての人が、と言う訳にはいきませんが。それでも俺の居た国では、この小さな入れ物に入っているこの飲料は、数十年に渡って人々に飲まれているんです」

 そう説明をしつつ、俺は器の蓋を剥がしてネリーさんに差し出した。


「良ければ味見、してみますか?」

「う、うん」

 彼女は恐る恐る、と言った様子で俺から器を受け取ると、少しだけ口をつけた。

「ッ。あ、甘いっ。それに、美味しいっ」

 声こそ大きくは無いけど、目を見開き驚愕の表情で器を見つめるネリーさん。


「な、なぁソラ?」

「え?はい」

 不意に声を掛けられて振り返ると、そこには興味津々な様子のミーシャさんとエリリンさんがこちらを見つめていた。

「そ、それ、アタシらも貰って良いか?」

「私も、一本貰っていい?」

「あ、はいっ、どうぞ」

 俺は二人に蓋を取った飲料を渡す。二人とも、最初は匂いを嗅いだり色を見てたりしたけど、やがてネリーさんのように少しだけ口をつけた後、一気に飲み干してしまった。


「な、何だこりゃっ!甘くて美味いっ!こ、こんな飲み物飲んだ事ねぇっ!」

「全くねっ!何をどうやったらこんなものが作れるのか、謎だわ……っ!」

 二人もまた、初めて飲む乳酸菌飲料に心底驚いていた様子だった。色んな事に驚く彼女達を横目に俺は朝食を取った。


森の中での食事は正直どんな危険があるか分からず、ごはんの匂いに何か釣られてくるかも?とは思ったけどそれも無く、無事に朝食を食べ終えた。


「う~~し。んじゃまぁ、飯も食ったし移動するするか?」

「そうね。行きましょう」

「うん」

「わ、分かりましたっ」

 ここからは森の中を歩くことになる。慣れない歩きへの緊張感から少し上ずった声で返事をしてしまう俺。



 その後、俺はミーシャさん達3人に同行しながらこの世界の事をエリリンさんやネリーさんから教わった。


 この世界のお金の事や、どんな国があるのか。今現在居る場所がどの国に属しているのか。この世界の(エリリンさんらが知る限りの)大まかな歴史などなど。とにかく気になる事を片っ端から質問し、答えてもらった。


また、時には彼女達の質問に俺が答えた。質問の内容は俺の前世についてだった。どんな仕事をしていたのか?とか、俺の普段の暮らしはどうだ?とか。そんな内容だった。そして俺から初めて聞く単語や言葉に彼女達は終始驚いたり戸惑っている様子だった。 まぁ、それは俺も同じなんだが。


 そんな道中でも俺は彼女達に出来る限りの食事を振舞った。初日のお昼には軽めに様々なサンドイッチを。夜にはパスタとスープを。二日目の朝にはフレンチトーストを提供した。


 そして、二日目のお昼過ぎ。

「はぁ、はぁっ!」

 流石になれない山を歩き続けた事もあり、既に息も絶え絶え。足の裏からは鈍い痛みがずっと響いている。


「ソラ、大丈夫?」

「す、すみませんっ!だ、大丈夫、じゃないかもしれませんっ」

 膝に手を付き、荒い呼吸を繰り返しながら俺はエリリンさんの問いかけに何とか答えた。


「ど~やらソラも限界みたいだし。それに昼時だ。ここらで昼めしにするか?」

「そうね。この辺りまでくれば、町まではもう少しだし。お昼休憩をしても余裕で今日中に町に付けるでしょうね」

「ん。賛成」

「わ、分かり、ました。はぁ~~~」

 俺は息を付きながら近くにあった木陰に寄り掛かった。


「ソラ、大丈夫?お昼の用意は出来そう?」

 エリリンさんは心配そうに腰を下ろす俺の顔を覗き込んできた。

「あぁ大丈夫です。少し休んだらすぐに用意しますから。その、少しだけ休憩しても?」

「えぇ。構わないわよ」

 俺の言葉に彼女は笑みを浮かべ、近くに腰を下ろした。


「よっと」

「ふぅ」

 更にミーシャさんとネリーさんも近くに腰を下ろす。


「はぁ~~~。今日中にはや~~っとベッドで眠れるぜ」

「うん。流石に野宿ばかりじゃキツイ」

 二人とも、どうやら野宿はもう良いと言わんばかり。まぁ、実際俺も早くベッドで眠りたかった。早く町に付きたい。百聞は一見に如かず、と言うしこの世界の文明と言うのも自分の目で見てみたい。


 まぁそれはこの後の事だ。今はとりあえず昼食をどうするか、だな。何にしよう?と考え込んでいた時だった。


『…………』

「ん?」

 静かに考え込んでいた時。不意に何か聞こえた気がして周囲を見回した。が、周囲にこれと言った変化はない。


「あ、あの」

「ん?どした?」

「今、何か聞こえませんでした?」

「そうか?」

 近くにいたミーシャさんに俺は声をかけた。ミーシャさんは周囲を見回す。


「おいネリー、エリリン。今なんか聞こえたか?」

「え?いいえ。特には」

「うん、私も」

 更にエリリンさん達二人にもミーシャさんが声を掛けるが、二人は首を左右に振った。俺の気のせい?と思いかけたその時。


『……ッ!…ッ!!!』

「あっ、またっ」

 微かに声が聞こえた。しかも心なしか、こっちに近づいてきているような?そんな気がした。

「やっぱり声がっ」

「しっ!」

 俺が声を上げようとすると、エリリンさんが真剣な表情で俺の言葉を遮った。なんで?と思いつつ3人の様子を伺うと、3人とも先ほどとは打って変わって警戒心をむき出しにしたような険しい表情を浮かべていた。


 更にミーシャさんはウォーメイスを。エリリンさんは弓を。ネリーさんは杖を構えている。


「ソラ、私の後ろに。……戦いになるかもしれないから」

「わ、分かりましたっ」

 言われるがまま、俺はネリーさんの後ろに隠れる。周囲ではミーシャさんとエリリンさんがそれぞれ別方向を警戒している。


「ミーシャ、音の大まかな位置は?」

「分からねぇ。だが、近づいて来てるのは確かだ」


 今の二人の表情は険しく、まるで二人の警戒心の高さを表しているようだった。さっきまでの、この二日間で彼女達が見せた事のないその表情。 それは俺の前世で見た事など無い、『戦う人の表情』だった。 その表情に戸惑い、3人の警戒心に当てられて俺もしきりに周囲を見回しながらも固唾を飲み込む。 


 何が起こるんだ?と言う不安感から背中を冷たい汗が伝う。と、その時。


「ッ。こっちか……っ!」

 ミーシャさんが何かに気づいたように視線を森の一部へと向け、エリリンさんもそれを援護するように矢を弓につがえ、いつでも撃てるように引き絞っている。俺の傍にいたネリーさんも、杖を持ちながら険しい表情を浮かべている。と、その時。


「た、助けてくれっ!!!」


 ガサガサと草木をかき分けて現れたのは、今の俺と大差ない年齢の、つまり16歳前後の子供たちだった。だがその表情は恐怖で張り付き、顔面は蒼白。まるで、何かから逃げているような。何か酷く恐ろしい物にでも追われているのでは?と思うような表情だった。


 そしてどうやらそれは、当たっていたようだった。


「な、何だっ?」

 彼らが飛び出してきたかと思ったその時、どこからともなく羽音が近づいてきているのに気づいた。な、何だこの音?どこから聞こえてくるんだ? と、その時。


 何かの影が複数、高速で森の中から向かってくるのが見えた。

「あれ、って」

 俺がポツリとつぶやいた次の瞬間、その影が森の中から俺たちの前に躍り出た。それは……。


「クソッ!『キラーホーネット』だっ!!」

 ミーシャさんが『それ』を見ながら悪態と共に叫んだ。『それ』を一言で表現するのなら、巨大な蜂だった。その数はざっと見ただけでも10匹以上。それが今、俺たちの前に現れ、その大きな複眼で俺たちを睨みつけていた。


 突如として現れた巨大な蜂、キラーホーネットに俺の脳の処理が追い付かず、俺はただ放心している事しか出来なかった。その時。


「来るぞっ!!!」


 ミーシャさんの叫ぶにハッとなった次の瞬間、周囲の巨大な蜂たちが俺たち目がけて襲い掛かってきたのだった。 俺はただ、状況が分からず声を上げる事も出来ないまま呆然としている事しか出来ないのだった。


     第3話 END

感想や評価、ブックマーク、いいねなどお待ちしております。やる気に繋がりますので、良ければお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ