リジウ・ハンディエリ先生の見る「人間世界」
ここ約5年も熟成させたFAGRANATEです。
どの作品も、どの作品にも繋がります。
繋げて繋げて、楽しく読んでください…
私の人生の一つの課題として、「世界のはじまりを見る」というものがある。人であふれたこの世がいかにして誕生したのかを知るということだ。
それは、「人間世界学」の発展として人の歴史の源流を探るということ、とも言える。
私は、自分が見てきた幾つもの素晴らしい出会いと発見を、この場で共有したいと思う。
この旅路であなたは、「この世界とは何なのか」「人とは何なのか」「神とは何なのか」を知ることになるかもしれない。あるいは、新しい発見があるやもしれない。
娯楽感覚で読むことをお勧めするが、決して感覚を鈍らせないように。一瞬の油断が、世紀の大発見を台無しにするかもしれないのだ…
神が滅んでからの歴史については、偉大なる発見の数々によって少しづつ明らかになってきているのだが、神の滅ぶ前、神と人が共存していた時代のことについては、まだ殆どわかっていない。
そのせいか、未だに神の存在を信じていない者までいる。
神を疑うあなたのために、神とはいったい何なのかを分かりやすく説明していく。
★神(超存在)は、人の世界の始まるずっと前から存在していた者である。その容姿や生態に文化は全く分かっていないが、おそらく高い知能を持っていた。
★人やその他生物を創造したとされており、特異な能力を持った人がいるのはそのせい(特殊能力神格論)。
★元あった自然を改造し、彼ら及び彼らが創造した生物が容易に干渉できるようにした。このことが、現在の魔法の存在につながる(クェリノノの旧世界説)。
上の説明は正しいものとして扱われているが、正直、神話っぽくて現実味がない。
そこで、ここに神に関する「事実」とその根拠を挙げる。
これらは私独自の言い訳であるが、上の概要に納得のいかない者はよく読むといい。
★神は存在した
神は確実に存在した。もし存在しないとしたら、3400年ほど前のあの五界大戦が無かったことになり、サラの存在によって矛盾が生じるからだ。
★神は万物を創造したわけではない
五界大戦から、神は滅びたことが分かる。よって、無限は否定され、無も否定された。なので、神以前から世界は存在していたことになる。
★超生物は神ではない
ナヴァレニの参コドフ教等の輩のせいで間違えられやすい。詳しくは超生物学の専門家に聞いてほしい。分かっているとは思うが、実は人が神だったとかもない。
★魔族聖族も神ではない
一部の国では未だに魔族及び聖族を神として崇めているらしいのだが… 一応、1002年の三族宣言で正式に否定されている。もちろん、誰が何を信仰しようとその者の勝手だ。
私自身、研究の過程で時々、しょうもない迷信に心を支配されてしょうもないミスを犯していた。
それぐらいのアレなんだと思ってほしいのだが、実際に研究をしてみると意外にそうなる。
そこで作ったのが上の言い訳なのだ。
あなたは、上の四つを絶対に忘れないように。
私の研究では、世界を見る手掛かりに、当時の「十二創世遺産」を選んだ。
十二創世遺産とは、「人間の世界の始まりに関わっているかもしれないモノ十二選」である。
一部からはオカルト的なただの危険地帯としか思われていなかったみたいだが、しっかりと重要遺産として見てみると、本当に興味深いものだった。
私以前にそれらを研究対象として世界を解明しようと挑んだ者は、私の知る限りではいない。
もちろん興味を持っていた者はいただろうが、情報が少なかったり物凄く危険だったりしてあきらめてしまったようだ。
私はそこんとこバカだったから、一番乗りで研究を始めたということだ。
私の見たすべてをここに記せるかどうかは分からないが、あの恐怖や感動をあなたに、あくまで娯楽的に、伝えらえたらと思う。
「人間は人間ではなかったが、私はずっと人間だ」