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邂逅

作者: 瀬川なつこ
掲載日:2020/12/18

あめふらしの魂集め。のっぺらぼうと閻魔の屏風裏の麻雀。

座敷童の毬つき。花子さんのこっくりさん。

宿場町には色々、おかしげなものが集まってくるよ。

宿場町の怪。

目の前を横切る黒猫。

獲物を見つけてがあがあ鳴いている鴉の群れ。

お線香の香りをさせた老婆との邂逅。

この腕を喰えと、自分の片腕を切り落とした鬼が、食堂の横の路地で、妖しげな露店を開いている。

そこには人を喰う壺や、けたけた嗤うお地蔵様の置物が売っているのだ。


裏路地の灯りが点っています。

もう冬ですね。

外は寒いです。

枯れ葉が舞い、どこからか焼き芋の香り。

燐寸で擦った炎は青く竜胆のように綺麗です。

————かん、燐寸一本火事の元。

市内を青年隊が拍子木片手に、廻っています。


夢を見ている。

やけに背の高い竹藪で、金魚鉢を持った狐の美青年が、金魚を頭からばりばり食べている。

黒いコート姿のあめふらしが魂を取ろうと宿場町へ現れたよ。

笑い袋が道端にさかさまに落ちていてずっと嗤っている。

逆さに廻る古時計。

大人が子供に戻ってゆきます。

ゆめのまにまに。


宿場町の噂。

座敷童が、毬をついているよ、たんころりんがあっぷっぷ。

大人たちが子供に嘘をついて、路地裏の空き地でお面をつけて舞ってます。

大人の秘密は謎ばかり。

線香の香りをさせた老婆が、風鈴を売って、廻ってます。


宿場町の夏。

サイダーの泡、かき氷の氷の綺羅綺羅。

ゆらゆら水面の水槽の中の金魚が泳いでいる。

ねえ、知っているかい?

地獄に堕ちた男の噂。

人を殺して、鬼を殺して。

自業自得。

屏風の裏で、麻雀をやっている閻魔と鬼。

のっぺらぼうが、ふりかえったよ。



鉱石ラジオで相撲中継がやっています。

僕はサイダーを飲みながら、父親の帰りを待っています。

姉が爪切りをしています。

ぱちんぱちん。

三日月形の爪がティッシュの上にたまっていく。

三日月が一番好き。だって、刃物の形をしているんだもの。

そう言っていた女の子を思い出しながら。





かなり不思議な、世界へようこそ。

謎めいた言葉の先には神秘主義がぶら下がっているんだ。

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