邂逅
あめふらしの魂集め。のっぺらぼうと閻魔の屏風裏の麻雀。
座敷童の毬つき。花子さんのこっくりさん。
宿場町には色々、おかしげなものが集まってくるよ。
宿場町の怪。
目の前を横切る黒猫。
獲物を見つけてがあがあ鳴いている鴉の群れ。
お線香の香りをさせた老婆との邂逅。
この腕を喰えと、自分の片腕を切り落とした鬼が、食堂の横の路地で、妖しげな露店を開いている。
そこには人を喰う壺や、けたけた嗤うお地蔵様の置物が売っているのだ。
裏路地の灯りが点っています。
もう冬ですね。
外は寒いです。
枯れ葉が舞い、どこからか焼き芋の香り。
燐寸で擦った炎は青く竜胆のように綺麗です。
————かん、燐寸一本火事の元。
市内を青年隊が拍子木片手に、廻っています。
夢を見ている。
やけに背の高い竹藪で、金魚鉢を持った狐の美青年が、金魚を頭からばりばり食べている。
黒いコート姿のあめふらしが魂を取ろうと宿場町へ現れたよ。
笑い袋が道端にさかさまに落ちていてずっと嗤っている。
逆さに廻る古時計。
大人が子供に戻ってゆきます。
ゆめのまにまに。
宿場町の噂。
座敷童が、毬をついているよ、たんころりんがあっぷっぷ。
大人たちが子供に嘘をついて、路地裏の空き地でお面をつけて舞ってます。
大人の秘密は謎ばかり。
線香の香りをさせた老婆が、風鈴を売って、廻ってます。
宿場町の夏。
サイダーの泡、かき氷の氷の綺羅綺羅。
ゆらゆら水面の水槽の中の金魚が泳いでいる。
ねえ、知っているかい?
地獄に堕ちた男の噂。
人を殺して、鬼を殺して。
自業自得。
屏風の裏で、麻雀をやっている閻魔と鬼。
のっぺらぼうが、ふりかえったよ。
鉱石ラジオで相撲中継がやっています。
僕はサイダーを飲みながら、父親の帰りを待っています。
姉が爪切りをしています。
ぱちんぱちん。
三日月形の爪がティッシュの上にたまっていく。
三日月が一番好き。だって、刃物の形をしているんだもの。
そう言っていた女の子を思い出しながら。
かなり不思議な、世界へようこそ。
謎めいた言葉の先には神秘主義がぶら下がっているんだ。




