5話
「炎魔法Lv1が50P、水魔法Lv1が3P、風魔法Lv1が30P、土魔法Lv1が10P・・・・・」
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特殊スキル「キングアマガエルの歪んだ複写」
◎物質を取り込むことが出来る。また、吐き出すことが出来る。
◎取り込んだ場合に選択できることは、消化または放置。消化を選択するとその物質が持っているステータス、知識等を取り込むことが出来る。また、それが特殊スキルを所持しているものだった場合、その特殊スキルは消滅するが、新たな特殊スキルを得ることが出来る。
◎消化したものの魔力に応じてポイントを得ることが出来る。ポイントはステータスの向上、または、スキルの獲得に充てることが出来る。
◎取り込んだものは異次元に送られるため、その容量は無限。
◎自身より高い戦闘能力を持つものを取り込む事はできない。
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「現在の獲得ポイントは1047P・・」
悪魔ガエルが考えているのは特殊スキル「キングアマガエルの歪んだ複写」の特性を使ったスキルの獲得。異世界、そしてデスゲームの中という状況を考えれば当然の選択。むしろ遅すぎると言えなくもない。
数多有るスキルの中で見ているのはいわゆる四元素と言われる魔法。
「必要なポイント数が違う」
気になった。
「得意不得意ですか?」
カエルだから。
カエルはもちろん水は得意だろう。だから3P、だからポイントが低い。そして土魔法、土魔法も他に比べればポイントは低い。冬眠する時にはカエルは土の中に潜るという話を聞いたことがある気がする。だから相性がいい、ということなのだろうか?
そして火魔法、火はもちろん苦手だろう、だから50Pも必要。だけど覚えれないこともない、か。風魔法は30P、これは普通ってことなのか?
「魔法はLv3で一人前の魔術師ですか・・・」
世間ではそのように言われているようだ。冒険者になったとしても魔法使いとしても信用できる使い手、となるらしい。どの魔法をどの程度まで取得するべきか、それが悪魔ガエルの頭を悩ませる。
「できれば敵の苦手な属性の魔法が欲しい・・ですよねえ」
ゲームであれば相手に苦手な属性の魔法で攻撃するのが常套手段。だがそれは分かるはずもない、そして教えてくれるはずもない。
「もし相手が水魔法にすんごい適性のあったらどうしましょう?水魔法にポイントを散々振った後でそれがわかったら?」
答えは言わずもがな。
「だったら4元素の魔法を全部とりますか?うーむ」
そうするとかなりのポイントを消費してしまうことになる。
「この敵、そうとう強いと考えておいた方がいいでしょうね・・・」
このデスゲームのゲームマスター。これを殺せばゲームクリアとなると考えるのが普通だ。となると自分の身を守ることをおろそかにするはずが無い。基本戦闘力347のミミズとは比べ物にならないほどに守りを固めているに違いない。
そう考えると、ある程度の威力を出せるように高いレベルまで取得する必要が出てくる。一般的な威力では太刀打ちできないだろう。しかし、そうするとかなりのポイントを消費してしまう。
「魔法はとりあえず放置しますか・・・俺氏、賢明!」
だが必要、戦う手段。
「うーん、」
ボウフォ!!
突然に燃え上がった足元。人間のサイズより一回り大きな炎。ガスバーナーのように青白い炎だった。
「ゲコッ」
ジャンプ一番。炎の高さを遥かに超える10m以上の大ジャンプ。
スタっ、
「俺氏、超絶身体能力」
体操選手のように両手を大きく広げポーズをとる。拍手喝さいを待っているようだが、その期待に応えるものはいなかった。
「俺氏、孤独」
歩く。
スクロール。
「出ましたね、鑑定」
異世界モノの定番中の定番スキル鑑定。
「より上位のレベルに上げたほうがいいのでしょうが・・・それを今、やるのかどうかはしっかりと考えたほうがいいでしょうね」
ボウフォ!!
スタッ。
「ここらへんは炎トラップゾーンですね」
悪魔ガエルはすでに鑑定のスキルを所持している。これは特殊スキル「キングアマガエルの歪んだ複写」の効力ゆえ。彼が取り込んだ死体の中に鑑定、のスキルを持っている者がいたため、ポイントを消費せずとも得ることが出来た。
「そして隠蔽、ですか・・」
他者の鑑定から自分の情報を守るために必要なスキル。鑑定を妨害するスキルだ。
「いつ、何を取るか・・・使ってしまったポイントは戻ってこなそうですから慎重に考えなくては。あとで後悔して泣きを見るのは嫌ですからね」
歩く。
スクロール。
「ゲコゲコッ!!」
圧倒的魅力文字。