27話
ふざけるな、誰が屈するか。せっかく異世界に来たんだぞ、もう二度と他人に頭を下げたり、媚びへつらったり、顔色を窺ったり、やりたくもないことをするものか!
思うがまま生きる。
邪魔するものは全て滅する。
舐めるな!
ちんまい猫耳娘が!少々可愛いからと言って調子に乗りやがって!
ふざけるな!
悪魔を舐めるな!
基本戦闘力3億OVERだ!
お仕置き、もとい、教育的指導が必要だ。大人を、悪魔を脅すとは世の中を舐め腐っている。ここは力を見せつけ!泣かせ!教えてやる必要がある!尻を叩く必要がある!叩いて、叩いて、叩きまくるのだ!
「ウソつきは嫌い」
こちらの気配を察してか圧がより一層強くなった。
「なんでウソつくの?」
一転し悲しげな表情。
泣かしてしまう?
何を言っている。屈するな、決めたじゃないか。世界を征服すると、誰にも屈しないと。
この世界を思うがままに生きるんだ!
「ごめんなさい」
無理だった。
「スキル!さっき手に入れたばかりのスキルでもしかしたら食べ物が出せるかもしれません」
屈してしまった。
「すきる?」
言ってしまった。
自分よりも強い相手に自分の能力を喋る。漫画に出てくる頭の悪い敵みたいな間抜けな事をしたくなかった、けどしょうがない、無理だった。
「まだ一度も試した事が無いんです。出せるかどうかもわかりませんし、本当に食べれるものなのかどうかもわかりません」
「出して」
なぜこうも確信を持って言えるのだろうか?引かぬ。媚びぬ。少女は強気の姿勢を崩さない。相当の体格差があるというのに一歩も引こうとはしない。
「約束、約束してくれたら出しましょう」
「やくそく?」
「そう。私の事を攻撃しないという約束です。その約束をしてくれるのならばスキルを使って食べ物を出します」
交渉。交渉にならぬ交渉。もし本当に少女が強者であるのならばそんなことを承知する必要が無い。叩きのめし、脅し、出させればよいだけの事。
「わかった」
「本当ですか」
「約束」
「ほっ、」
カエルは安堵の息を吐いた。
「お腹空いた」
「分かりました、それではスキルを発動します・・・」




