17話
扉。
デスゲーム参加者にとってのゴール。
デスゲーム製作者にとってのエスケープ。
「「「パープルドット」」」
3人が同時に発することで起動する。
ズ、ズズズズズ!!
横3mの巨大な石の両開き扉。その上部が地中から顔を出し、そしてゆっくりと現れていく。その言葉は3人が作ったサークルの名前。
はっ、はっ、はっ、
激しい呼吸音。それはここまで走ってきたことを意味する。汗、それは走ってきたことによるものだけではない。精神によるもの。その影響も少なからずあった。
完璧だと思っていた能力。
デスゲーム。
完璧な罠、完璧なモンスター、完璧な計画、完璧な世界。完璧なはずだった。2度の実験でも計算通りに事が進んだ。
完璧なはずだった。
「敵は!?」
「いねえ!大丈夫だ!とっとと脱出するぞ」
止まらない汗が全身を湿らせる。
「クソ、せっかく大量の経験値が手に入るところだったっつーのによ!クソ!」
3つの手を重ねた。
「「「世界を牛耳るために」」」
10cmほどの大きな鍵が手の甲、その上に出現した。
「あ、後はこの鍵を差し込めば!」
「焦るな!まだ25分近くある。大丈夫だ悠真」
「敵の姿はない、大丈夫だ」
扉はゆっくりと地表へと上がっていく。
「ふう・・・悪りぃ、それにしても一体どうやってライフルから逃げてるんだ」
「わかんねえ、わかんねえけど今考えたってしょうがねえ」
「大丈夫だ、顔はみられてねえ。今回は一回退却、それだけのことだ。なんの問題もない」
「だよな!ただのイレギュラーってやつだ」
「コレ、完全に出てくるまで開けられなかったよな?」
「確かそうだ、遅せえな。もっと早く出て来いよ」
「クソっ、脱出できるまで時間かかりすぎんだろ」
「敵はまだいねえから大丈夫だ」
「一瞬で出てくるようにすりゃあ良かった」
「ミスったな」
「そんなん気づくわけねえじゃん、あの時間で」
「だよな、しょうがねえか」
「今回は狙う規模がデカすぎた、しばらくはまた小さい所を狙うぞ」
「そうだな、強化が最優先だ。やっぱりデカい街にはそれなりに強いやつも隠れてる。それが分かっただけで収穫だ」
「ああ。俺達が強くなればこの世界の罠もモンスターも強くなる。そうすりゃあ今回の奴だって殺せる、だれでも殺せるさ」
「そうだ、誰にも見られずに殺す。完全犯罪だ」
「ああ、この世界を牛耳るのは俺達だ!絶対やってやるぞ!」
「俺達が主役の、俺達だけの世界を作るんだ!」
恐ろしげな装飾の施された巨大な扉は完全に姿を現した。
「悠真、お前はそっちを見とけ!俺はこっちを見る」
「わかった。蓮、こっちは大丈夫だ!」
「悠翔、敵はいねえから大丈夫だ!」
「よし!そんじゃあ開けるぞ」
差し込もうとした鍵。
パァン!!
跳ね上がった。
カエル。
突如として地面から飛び出し蹴った。
生気のない偽物の空。高く打ちあがった鍵が、音を立てて地面に落ちた。




