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Re:Re:Re第2の殺人

しばらく自分の部屋で休みながら、この事件について考えることにした。

探偵のつもりが俺が殺人鬼の犯人となっていた。

この無人島館の黒幕は頭の狂った探偵だったのではないか。

俺が犯人だったのか。

落ち着け、いや、この殺人は偶然の事故だ。

すべての陰謀を仕組んだ犯人かもしれない王子と二歩はもう死んだんだ。

しかし、ほかにも犯人がいるかもしれない。

今まで3回の予知夢を見ている。

これで4回目・・・・4週している。

もしかして、予知夢ではなく、この世界がループしているのではないか。

俺が死んだら、無人島の船着き場からやり直しだ。

俺が人を殺してしまっても、もう一度最初からやり直せばいい。

「ハハッハハハハ」

思わず笑ってしまったが気が狂いそうだ。

永遠と繰り返すループを抜け出すには本当の殺人犯を見つければいい。

目的は、このループを止めて、何の事件も起こさずに全員が無事に生きて帰ることだ。

今回のこの世界では趣向を変えてみよう。

これまでの3回は殺されるだけの役割だった。

無限にループすると思えば、いろいろな情報を得るために、盤面をひっくり返す必要がある。

殺される側ではなく、殺す側に回って、最後の一人として生き残ったらどうなるのかを実験してみたい。

俺が全員を殺しにかかれば、殺人を計画していた犯人も焦り、俺を殺しにくるかもしれない。

全員を殺すなんてことができるのか?そんなことはやはり無理かもしれない。

今回起きたことは事故なのだ。

念のため、この島にある唯一の銃を王子の部屋から3丁ある内の1つを借りておいた。

犯人が俺を殺しにきた場合に備えて常に持ち歩くことにした。

殺した王子から借りたレインボーの特殊なスペアキーも持ち歩くことにした。

レインボーの鍵は全部屋を自由に開けることができるので、何かに役立つかもしれない。

こんな感じで今後の方針を考えていると、外が騒がしくなっていた。

「おい!大変だ!王子と二歩が殺されているぞ」

将軍が俺の部屋に訪ねてきて、殺人事件の現場まで案内してくれた。

王子と二歩が殺されているのが全員に伝わっている。

食事の時間になっても家主が現れないのは不審に思ったのであろう。

他の全員は王子の部屋に集まっていた。

「なんでやねん!なんで王子と二歩が死ななあかんねん!」

金成の悲痛な叫びが聞こえる。

念のため、医者である豚先生に見てもらった。

「即死ですな。手の施しようがない。」

「・・・・」

ナイトは虚ろな目で死体を見つめる。

「用事があったんで、部屋にいる王子を呼んできて欲しいと二歩に頼んだんだ。いつまでたっても戻って来ないんで、俺が王子の部屋に直接行ってノックしても反応がなかった。そこで、鍵がかかった部屋をこじ開けてみると2人が死んでいたんだ」

将軍が状況を説明する。

「用事とは?」

桂警部が尋ねる。

「これは・・・守秘義務がある」

将軍が答えた。

「僕は第一発見者である君が怪しいと思うな。自分一人で部屋の鍵を開けるとはねぇ」

船長は将軍に疑惑の目を向ける。

「いや!俺は犯人じゃねえ!」

将軍は激怒した。

「まあまあ落ち着こうじゃないか」

桂警部は船長に注意した。

「今日は嵐で、警察本部に連絡もできやしない。とりあえず現場はそのままにして、全員でラウンジにいましょう。この中に殺人犯が紛れているかもしれないので」

桂警部は全員に指示をした。

「この中に殺人犯いるとかないワー。もともとお前ら全員信用していなかったし明日まで部屋に籠っとくワー」

この銀の発言を皮切りに将軍も声を発する。

「俺が信用できるのは己の肉体のみ・・・部屋に戻る・・俺を殺しにくるなら返り討ちにしてやるから覚悟しやがれ!」

「・・・・・・・・・・・・」

ナイトは言葉を発さずに一緒に部屋に戻る集団についていった。

今回部屋に戻ったのは、ナイト、銀、将軍の3人だ。

ラウンジに向かうのは、竜馬、船長、金成、飛車の4人である。

「仕方がない、私は刑事ですから、先に現場を検証しておきたい。医者である豚先生と、探偵の君も手伝ってください。4人は先にラウンジに行ってください。」

桂警部が提案する。医者、警察とそろえて現場を検証すれば何か証拠があってばれるかもしれない。

用心しなくては。

俺、桂警部、豚先生の3名は殺人現場の王子の部屋に残ることになった。

部屋で検証と推理をはじめた。

「疑いたくはないが怪しいのは、第一発見者の将軍だな」

俺は疑いをかけられないように、将軍犯人説へ誘導する。

「しかし、だれにでも殺害するチャンスがあったのではないかな」

豚先生が思い出しながら答える。

「遊戯室にいた私、船長、将軍、飛車、竜馬はアリバイがあるではないか。それ以外の人が怪しいだろう」

桂警部は死体に触れながら推理する。

「遊戯室にいた人たちも、トイレに行ったりして、ずっと部屋にいたわけがないだろうし、だれにでも殺人は可能だったのだよ」

豚先生も死体を調査しながら、話をする。

「どうやって殺されたかわかるか?豚先生」

俺は王子の死体を見ながら豚先生に尋ねてみた。

「王子は撲殺・・・いや、机の角に頭をぶつけて死んでいるな。二歩には絞殺した跡があるので、DNA鑑定ができればすぐにでも犯人はわかるでしょう」

豚先生はつぶやく。

「よくわかってらっしゃる」

俺は突っ込みを入れた。

「2人も同時に殺害できるものだろうか?かなり屈強な男が犯人な気がするが?」

俺は桂刑事と豚先生に尋ねた。

「単独犯と仮定するならば、王子は何かの口論の末に衝動的に殺害され、部屋を訪ねに来た二歩は殺害現場を目撃されたので口封じに殺害したのかもしれない」

桂警部はいう。

「しかし、これ以上見まわしても犯人への手がかりがないですな、この部屋は施錠しておきましょう」

豚先生が提案する。

「ここの鍵はあるか?」

桂警部は尋ねた。

「鍵なら持っているよ」

俺は持っていたレインボーの鍵を見せた。

桂警部はいう。

「それは確か、全部屋に入れるスペアキーだったな?」

桂警部は俺に質問する。

「そうだよ。これで、鍵をかけておくよ」

「よろしく頼むよ」

豚先生はドアへ歩きながら話す。

「そういえば、その鍵はどこにあったんだい?」

桂警部が、また質問してきた。

「王子のポケットからとっておいたのだよ」

俺は答えた。

「いや。それはおかしい。君は死体のポケットからレインボーの鍵を取り出すような動作をしていない」

「それは・・・・・」

俺は言いよどんでしまった。

確かに、全員で死体に触れたりしていたが、現場検証のときに、レインボーの鍵をポケットからは取り出してはいない。

実際には、殺したあとに、レインボーの鍵を抜きとったのだ。

この場を切り抜けるには、桂警部が見ていないときに王子の死体のポケットから抜き出したことを強引に主張するしかない。

しかし、桂警部の前で失態をしてしまうとは。

「なんていうか・・・王子のポケットからレインボーの鍵を抜き出した瞬間を見逃したんでしょう」

「おまえは怪しいぞ!拘束させてもらう!」

桂警部は俺が犯人であると確信的な感じで迫ってきた。

パァン。

俺は咄嗟に持っていた銃を取り出し、桂警部の腹部を打ち抜いた。

「ぐぅぐぐぐ。ガァハァ・・・・本性をあらわしたな・・」

桂警部は腹部を抑えながらこちらを睨みつけている。

「あ・・・・あ・・・ぶひゃ・・・」

豚先生は恐怖のあまり、腰を抜かして動けない様子だった。

俺は決断しなければならない。

心を鬼にして、このループの世界では2人を殺し、本物の犯人を炙り出すしかない。

「この!ひとごろ・・・」

パァン。

俺は桂警部の眉間を撃ち抜いた。

「ぶひ・・・ひぇ・・・・」

パァン。

俺は続けて近距離から豚先生の眉間を撃ちぬいた。

2人ともすまない。

またループして、救ってやるからな。

この死は無駄にしないぞ。

どうやって偽装するか。

俺は持っていた銃を桂警部に握らせておいた。

これで2人が争って死んだことにできると考えたが、やはり、どう考えても俺が犯人とされてしまうだろう。

桂警部と豚先生を殺した犯人を誰かに擦り付けなくてはならない。

そういえば、将軍はみんなから怪しまれている節がある。

今回の殺人の犯人は将軍ということにして、将軍の本性を炙り出してみよう。

俺は3丁の銃のうち使った1丁は部屋に残し、残り2丁の銃を持ち歩くことにした。

まずは、部屋に籠もっている3人を訪ねた。

ナイトからは返答がなく、銀は怯えてドアを開けてくれない。

将軍はドアを開けてくれた。

ここで思いついたが、将軍を王子の部屋へ誘導しておいて、ラウンジのみんなには、将軍に襲われたことにしてみよう。

「大変だ!何者かが部屋に侵入してきて、2人は銃で戦っている!俺はみんなに知らせるためにここまで逃げてきた!」

「なんだって!銃声が数発聞こえたと思ったがそういうわけか!」

「部屋で2人が戦ってくれている!俺はラウンジのみんなに加勢を頼むので先にいってくれ!」

「おい!じゃあ手に持っている銃を1つ借りるぞ!」

俺は2丁あった銃のうちの1つを手渡しした。渡した銃は暴発するように仕込んでおいたものだ。

「ほらよ!」

「センキュー!見つけ次第拘束する。制圧に関してはプロに任せなさい」

そうして将軍は王子の部屋まで走っていった。

将軍は、銃を持ち歩いていた俺に疑念を向けることなく、半分は思い通りに動いてくれた。

俺はラウンジに向かって走った。そして俺は偽装するため2発の銃声を壁に向かって撃っておいた。

「将軍だあああ。将軍が銃で桂警部と豚先生を撃った!助けてくれえええ」

俺はラウンジのみんなに告げた。


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