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九鬼零士の霊滅師  作者: 双葉
第1章 『霊滅師編』
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第0章 『300年』

お久しぶりの方はお久しぶりです、初めましての方は初めまして、双葉です。


今回は現代を舞台にしたファンタジー物語を書きました、宜しければゆっくりとお読みください。


更新ペースは毎週、水曜日、土曜日です、毎日更新をしたいのですが忙しいのでこうなりました。


ではご覧下さい。












 今から300年前にこの日本は壊滅状態にされてしまう、その原因は『霊鬼(れいき)』と言われるバケモノの仕業だ。霊鬼は日本に突如現れて人の世を荒らし始める、当時はこのバケモノの出現する条件や理由が分からず、捕獲や武器をもちいて退治をしていたが全く歯が立たなかった。


 刀を振れば身体をすり抜け、爆弾を仕掛けて爆破をしても無傷、やれることは全て尽くしたがそれは無駄に終わってしまう。何も出来ない人間に霊鬼はやりたい放題で、夜道を歩く男を食べてしまったり、町を粉々に壊し回ったりと生活なんてとても出来る状態では無かった。


 そこで神に一番近い存在である『神社』に人々は避難する、不思議な事に霊鬼は現れること無く、しばらくの間各地にある神社は人々で一杯になってしまった。しかしこうしていても何も変わらない、そこで霊鬼の怒りを鎮める為に『巫女』を町へ解き放つ、巫女役を指名された少女達は霊鬼に攫われてしまい帰ってくることは無かった、そしてその作戦も結局は一時的に過ぎなかった。


 もうどうすることも出来ないのか、諦めかけていた時だった。1人の男が神社に保管されてある刀を握りしめ飛び出していく、その時に見た彼の瞳は『深紅色』の眼光を放っていた、まるで何かに取り憑かれたように迷いのない動き、その神社に居た一部の人達は彼の身が気になり追いかけていく。


 追いついた頃には心がザワつくような、呼吸をするだけで苦しくなるような空気は無く、道の真ん中で月を見上げている彼を目撃した。霊鬼が現れている時は空が血に染まったような赤い色になり、胸騒ぎが止まらず息苦しくなるのだが今は至って普通の状態。


 彼がこちらを振り向いた時に見た瞳は先程のとは違い、透き通った黒い目をしていた。後から話を聞くと『神様が力を貸してくれたよ』と語っていた、それからしばらくしてから各地の神社にある武器を手にして霊鬼共を消滅させる為に立ち上がった者達を、




 ―――霊滅師と呼ぶようになった



 そんな彼等の手の甲には痣の様に印が付いている、神社の刀を手にすればその印が付くようになったのだが、誰でもという訳ではなく刀を握り印がある者だけが霊鬼を退治できるようだ。


 その印自体にどんな意味があるのか、色々と検証した結果『霊鬼を刀で倒した後、消えていく光を印に吸収』する役割があるようで、彼らはそれを『浄化』と名付けた。他にも霊鬼になる前の姿もあるようで、それは刀で切らなくても吸収だけで片付くことからそれを『邪魂(じゃこん)』とした。


 この日本には巨大な血管と言ってもいいくらいの霊脈が流れていて、霊鬼や邪魂が出現してしまうと霊脈が乱れ自然災害や人災などが起きてしまう、ただ倒して吸収するだけでは霊脈は乱れたままになる。霊鬼や邪魂を吸収したあと印は白く光り輝くことに彼らは気づき、その光を刀に当てると刃先が光る。


 その刀を地面に突き刺すと曇った空が晴れるように気持ちのいい空気へと変わったのがわかった。長い年月を掛けてその行為を繰り返し、日本は再び平和な状態へ復帰した。


 一番最初に刀を握り霊鬼を退治をした彼の名は『九鬼信長(くきのぶなが)


 初代霊滅師として一躍ヒーローとして目立っていたが、あることを境に悪人にされてしまう。平和になったはずの日本に再び霊鬼が少しずつ現れ始めていた、その度に信長は退治をし目立っていく。それを見ていた仲間の何人かに『お前が霊鬼を呼び寄せている』とされ、否定をしても信じてくれず他の霊滅師達は彼を罪人として死刑を要求する。


 しかし、誰も信じてはくれなかった。家族だけが彼を信じて訴えていたがそれも虚しく、九鬼信長は霊滅師達の手によって斬殺されてしまった。残った家族は逃げる為に別の地方へと移動し、彼の死後溢れるように霊鬼や邪魂が出現し、霊滅師と霊鬼達の大戦争が開幕した。



 あれから300年が経った今の日本には、霊滅師が所属する『消滅連盟』が設立されている、過去の過ちが繰り返されないようにと作られたこの連盟は全国各地にあり、毎日ランダムで出現するバケモノを退治している。


 そして、この街に九鬼の血を引く者が生まれた―――




 ――――その名は、九鬼零士(くきれいじ)





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