セキチクとシクラメンとガマズミと
ボーイズラブですが、一方通行です。
嫌な方、苦手な方は、戻ってください。
ネタです。
ガチャ ドアを開けていつもの見慣れた景色をみてやっと気持ちが少し落ち着くのを琢磨は感じていた。
「ただいま」
一人暮らしだが、長年続く一通りの挨拶にもはやなにも感じなくなってきていた。
「はい、おかえりなさい。」
この声が聞こえるまでは…
(ストーカー)
琢磨の頭に浮かんだのはその言葉だった。
最近、誰かにつけられてると琢磨は感じていた。そして、それは間違いではないことをつい先日確証を得たばかりであった。
「琢磨さん?どうしたんですか?」いつもならすぐに右足から靴を脱ぐのにまだ玄関で履いたままですか?
ニコニコしながら、そんなことを言ってくるのは、俺の会社の後輩で女にモテまくっている白鳥零次 だ。
「だから、なんで俺の家にお前が居るんだ白鳥っ!」
琢磨は語尾を強め白鳥を会社にいるときと同じように叱りつけた。
「えっ?だって夫婦は一緒に住むものですよね?」違いますか?とでもいうように首をかしげる白鳥は何を隠そう俺のストーカーである。
こいつが、俺のストーカーになったのは大分前らしいが俺が気がついたのは先日である。
何故ならば、こいつが俺しか知らない、知るはずの無いことを俺に告げたからである。
先日のこと…
「琢磨さんって家では前髪結んで眼鏡掛けるんですね!」可愛いです♥
「はぁっ?!なんで、お前がそんなこと えっ?」俺誰にもそんなこと言ったことも無ければもちろん、見せたことも無いはずなんだが…。
「会社での琢磨さんも素敵ですけど、家での琢磨さんも可愛くてギャップ萌えっていうんですか?」
なんて、言ってくる後輩に俺の頭は大混乱していた。確かに最近視線を感じたり、誰かにつけられている気がしたりとあったが気のせいだろうと思ってはいたが…。
「もしかして、白鳥お前俺のペンとか持ってるわけn「持ってますよ?やだなー、琢磨さんが俺にご褒美だってくれたんじゃないですか!」えっ?それって俺が気に入ってる黒のやつか?」
「当たり前じゃないですか!琢磨さんの黒のペンですよ!いつも胸ポケットに入れて使ってたペンです!」何を当たり前なことをという風にこいつは俺に告げてきた。
俺は、ペンをこいつにやった覚えは一切無いペンを机の上におき、コーヒーを取りに行って帰って来たらなかったのだ。この瞬間俺は確信した。こいつは俺のストーカーだと…。
そんなわけで、こいつは妄想を加速させついには不法侵入まで立派に果たし、俺の目の前にいるのだ。
「お願いだから、俺に関わらないでくれ!」
こうして、後輩の白鳥に強引に居場所を占拠されつつも必死に抵抗している俺に更なる試練が待ち受けているだなんて、白鳥に手一杯の俺が気がつけるわけもなくその時を迎えてしまうのだが…。
それは、また次の機会にでも話をしようと思う。
とりあえず、
「白鳥てめぇ、いい加減に俺のテリトリーに入ってくるなー!」
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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