ゆずと学校帰り
*:†:*:†::†:*:†:*
「…いお、何かあった?」
ゆずに話しかけられハッとする。
「えっなっ何がっっ?!」
「動揺しすぎ。」
挙動不審な私をみてゆずは笑う。
「私が話しかけてもうんしか言わないし、ずっとニヤニヤしてるし。なんかあったのバレバレ!」
ちょん、と鼻を弾かれる。
そんなにニヤニヤしてたかな…。
あ、でも思い出したら…。
「ふふっ」
「ちょ、思い出し笑い怖い。いきなり何なんだ」
あの後、ゆずが教室に帰ってくるまで羽沢君も一緒に待ってくれた。
でも、ゆずがくる少し前に帰ってしまって、なんとなく彼と話していたことをいつ言えば良いのか戸惑ってたら…。
「はーい、で、何があったか話しましょーねっ」
ゆずの方から聞かれてしまった。
でも、ゆずは羽沢君のこと良く思ってないんだよね。
ゆずはどう思うんだろう…私が羽沢君とさっきまで一緒にいたこと。
私は横を向いて言った。
「羽沢君とお話した。」
できるだけ。
彼に対して抱いた想いがバレないよう。
「…羽沢と?ふーん。」
あれ?なんかもっと突っ込まれるかと思ったけど意外と反応薄いな。
私が何もないように言ったからかな。
「…。今日部活でさーーー〜〜〜。」
ゆずはその後何もなかったように当たり障りのない話をし始めた。
ゆずに自分の気持ちがバレていないんだと思い、私は少しホッとしながら彼女の話に耳傾けたのだった。
(きっと、ゆずはダメっていうんだろうな。あんなやつやめとけって。)