第三章
アレイナが戻ってきた
「よろしいでしょうか、勇者様」
アレイナが言った。
「おう、なんだアレイナ。」
俺が言った。
「魔王を倒してくださる許可も得ましたし、さっそく馬車に乗って魔王城に向かいましょう。あと敬語ぐらい使え、ぶん殴るぞ」
アレイナが言った
「いやー俺はテレポートがあるから別に良いぜ」
俺は断った
「いえ、テレポートされたら寄り道されそうで怖いんです。なので魔王城が見える場所から監視させてください。あと敬語使えっつってんだぞ、設定通り誰からも愛されたいならマナーぐらい弁えろ」
アレイナが言った
「仕方ねーな。それで馬車で何日かかるんだ??」
俺が言った
「そうですね、大臣に説明してもらいましょう。あらかじめ言っておくが、魔王倒したらお前は速攻元の世界に帰れ。そして就活して『あんた、敬語が使えないとか教育がなってないな』って面接官から言われて絶望する人生歩みやがれ」
アレイナが、そういうと、さっき、アレイナと、話していた、ハゲた初老の、老人が、こっちに、来た。
「失礼な地の文のせいで隠れていた殺意が湧き出しそうになりましたが、姫様に見苦しい姿を見せるわけにはいかないので今はスケジュールを説明します。魔王城までは通常の馬の馬車だと補給を含め10日かかる場所に位置しております。ですが今回は勇者様のために、馬の2倍の速さを誇るコソークという獣を用意します。これで大幅に時間が短縮されるでしょう。えーと、それを考慮に入れると必要な日数は……」
大臣は紙にさらさらと何かを書いた。
だが俺には既に答えを答えられる状態となりさがった。
「5日だろ。」
答えは10÷2。つまり5だ。
「は?」
大臣はぽかんとした。こんな早く答えを出せる俺の能力に焦っているのだ。
「やれやれ、そんな簡単な割り算もできない国だと魔王も倒せないじゃないのか。これからは国から変えた方からが良いかもしれない」
どうやらこの国は算数が進んでないようでどうやら正しい日本語や算数や理科や社会をこの国に教えると魔王を早く倒せそうだ。
「よーし俺は国の王になりますよ」
俺は決意を表明した。
「はい、タイム! 再度タイムっ!」
アレイナが両手をTの字にした。
そして大臣を引き連れ遠くへ離れた。
どうやら俺の自分の能力の力の凄さを大臣に説明したいようだ。