登場人物紹介・評論
この物語はフィクションです。
実在の人物や作品と全く関係ありませんし、たかしくんも実在しません。
(……)
(……)
(よし。それじゃあ、勇者を削除する為の廃品処理施設を手配する話に戻りましょうか)
(いやいやいや!? さっきと話がまるっきり変わってますぞ!? それに人間を廃品処理しちゃダメですっ!)
(な~にが人間だ。さてはお前、挿絵オフにしてたな? あの腕らしき部分を組もうとして失敗してる感じのよく分からん生物のどこが人間なんだ、もはやわざとやってるようにしか思えないセンスの無さだよ。あれだけは『人間と言う物は一目見ただけでは分からない魅力がある』で片付く問題じゃねぇって。しかもあいつを旅立させたら変な見た目のクリーチャーがわんさか仲間になるんだぞ、おぞましくて泣きたくなる)
(そういう姫様こそ、同じ挿絵だったじゃないですか……)
(あれが私なわけないだろっ!? あれは挿絵の指定がミスってるだけだよっ! まぁそのおかげで私のイラストが実質的に無いからちょっとほっとしたけどなっ!! とにかくあの勇者は駄目だ、この早い段階にネタバレまみれな人物紹介出すとか計画性無いにもほどがあるっ!)
(でもさっきの登場人物紹介で、設定が細かく書ける頑張り屋なのが分かるじゃないですか!)
(あれは頑張り屋じゃねぇ、目立ちたがり屋だ。ただ設定集を人に見せてちやほやされたいだけの奴だ。メインじゃない上スライム男のように主人公の引き立て役にもしづらい大臣が省かれてるのがなによりの証拠だろ? しかも実力がないのを気が付いてないタイプで大変に性質が悪い。『先に設定から考えたけど、上手く小説にできない。ちやほやもされないしもうや~めた』って展開にしかならないな)
(い、いや。確かに私が省かれたのはイラッと来ましたが、他にもきっと良い部分が……。あ、そう! 人望! 絵師を誘える程度に人望はありますぞ!)
(あぁ……最後のたかしくんに描かせた、凄い上手さではないけど割と普通な画力のスライム男? たかしくんが全部の絵を描いてくれなかった時点でその程度の人望しかなかったって事だし、『絵師にメインキャラじゃなくて雑魚だけ描かせる』と言う明らかな人事ミスもマイナスだな。あれのせいで黒き漆黒のなんちゃらが雑魚キャラに見えたし、キモい絵なスライム女の説明文から説得力が消えたわ)
(……まぁあの絵と他の絵の差がありすぎますな。スライム男なんて雑魚っぽい適当な名前なのに、絵がまるっきり真逆な雰囲気で面喰いました)
(そもそも一度だけ会ったSNSの女をモデルにした下品なキャラ出すとか、どう考えても無許可だろ。人脈広げられるほどのマナーすらないぞ)
(で、でも皆から優しいと慕われる程度に優しいって設定があるのですから、この世界でちゃんと行動をわきまえ……いや、わきまえなさそうですな。現時点であの態度でしたし、人物紹介見る限りスライム男を特に葛藤無しに殺しそうですし……)
(もういいよ。あの勇者は追い返してスライム男の方を魔王討伐にスカウトしようよ。私がスライム男と結婚した上に側室とかも沢山用意すれば、きもいスライム女への劣等感なんて吹き飛んで寝返ってくれるでしょ?)
(姫は結婚を何だと思ってるんですか!? ダメに決まってるでしょうっ!)
(うるせー、元々結婚ってのは感情とか金銭とかの利益を得るためにやる事なんだよ。あの文才も画才も無い馬鹿を消せると言う利益が得られる時点で、スライム男との結婚はおつりが出るほどにお得なんだよっ!!)
(だーめーでーすーっ! あの勇者じゃないと魔王は倒せないんですから、わがまま言わずにあの勇者と旅に出てくださいっ!)
(いーやーだーっ! あんな馬鹿と長期間、人格破綻クリーチャーがわんさか加入する旅したら気が狂うわーっ!)
(それなら! 物語をなるべく短くできるようにしましょう! 我らが彼を何のドラマも起こさずに魔王城の近くまで送れば、『冒険者編』みたいな無駄なストーリーを起こさずに済みますっ!)
(……物語の舞台を魔王城周辺に限定させるのか。確かにそれなら無駄な仲間キャラも少なくて済むだろうし、だらだらとつまらない日常回作る余地も無くなるけど……)
(なんなら姫様は魔王城の前で『ここから先へは魔王の結界のため私は行けません。どうか貴方様の力で魔王を倒してくださいまし』って言えば、酷いストーリーを見続けることなく丸投げができますぞ!)
(おぉ、それはナイスなアイデアだなっ! それで行こうっ!)