プロローグ
その時、私は止めたのです。
私以外の生きている人間を、理解することを止めたのです。
恐らくは理解することを求められている私ですが、止めたのです。
その時、私は止めたのです。
周りにいる騒いでいるものについて、考えることを止めたのです。
恐らくは考えることを求められている私ですが、止めたのです。
その時、私は止めたのです。
視界に入る全てのものについて、思考することを止めたのです。
恐らくは思考することを求められている私ですが、止めたのです。
その時、私は止めたのです。
私を惑わすもの達に、干渉することを止めたのです。
恐らくは干渉することを定められている私ですが、止めたのです。
その時から、わたしははやめたのです。
誰かを愛することを止めたのです。
恐らくは愛することを定められているわたしですが、やめたのです。
そのときから、わたしはやめたのです。
世界を愛することを止めたのです。
恐らくは愛することをさだめられているわたしですが、やめたのです。
そのときから、わたしはきめたのです。
世界を呪うことをきめたのです。
おそらくは……そう、おそらくは、
わたしは、あなたを呪うさだめにあったのでしょう。
あたたたちを、壊すさだめにあったのでしょう。
だって、わたしはもうなにも愛せない。
ほかになにを愛せばいいのか、わからない。
もう、愛することができない。
ならば、壊すしかないの。
ゆいいつ愛したものをこのてにだきながら、壊します。
せかいを、こわします。