終らない日常
はっきりいって中途半端だと思うかたも多いと思いますがこの小説に隠された意味を見付けると『あぁなるほど』と思える小説を作ったつもりです。
『コラ!寝るな!』
ガツン!
と、俺の頭にチョークが当たる。
俺
「すいません」
と、俺が謝ると回りの皆は『あはは!』と笑い出す。
恐らく俺は夢を見たのだろう、それも忘れてはいけないような、
しかし所詮は夢、思い出そうとすればするほどボヤケ消えていく。
そして、まだ眠い目を擦りながら俺は外を見た。
外ではセミが五月蝿く鳴き、
タダでさえ暑い日差しに拍車を掛けていた。
俺の名前は良二
バリバリの中学生だ。
しばらく、外を見ていると
き〜んこ〜んか〜んこ〜ん
と、チャイムが鳴り響く。
すると、学級委員長が
『起立、礼、着席』
と、テンポ良く挨拶をする。
そして、教室の中は賑やかになり
『今日もあちぃ〜』
『クーラーつかねぇかな?』
と思い思いの事を口にする。
いつもと同じ日常・・・
ただ違うことは俺は普通の人には見えないモノが見える事。
その性もあり、俺には友達と言う存在はいない。
き〜んこ〜んか〜んこ〜ん
と、再びチャイムが鳴り教師が教室に入ってくる。
そして、学級委員長が再び
『起立、礼、着席』
とテンポ良く挨拶をする。
教師は黒板に何かを書き出すが、俺は興味がないので外を見ていた。
すると、外には白い羽を生やした女の子が悲しそうな目をしていた。
頭には黄色い円盤を付け、年齢は俺達と同じくらいだろう。
恐らく、俺以外の人間が見れば『天使』と言うだろう。
しかし、俺はこういう類を見慣れているので何とも思わない。
だが、授業よりは面白そうなので女の子を見ていた。
すると、女の子は一筋の涙の流し、消えた。
そして、女の子が消え、その奥から姿を現した鉄の塊。
その鉄の塊が校庭にぶつかると閃光が走った。
その閃光は教室を包み、学校も包み、町まで包んだ。
俺はその、白しかない視界の中、一枚の白い羽が舞い落ちるのを見た・・・
『こら!寝るな!』
ガツン!
と、俺の頭にチョークが当たる。
俺
「すいません」
と、俺が謝ると周りの皆は『あはは』と笑い出す。
いつもと変わらぬ日常・・・違うのは・・・俺の右手にある白い一枚の羽の存在・・・
『本日で○○町に核爆弾が落ち、10年経とうとしています。
政府ではこの事件が・・・
―完―