認定
この世界では、魔術師は専門職として認知されています。専業の者はもちろん、兼業の者も、基本的に全ての魔術師は魔術師協会という職能団体に所属しています。
魔術師は5つのランクがあり、下から見習い魔術師、初級魔術師、中級魔術師、上級魔術師、師範魔術師となります。師範魔術師は特に優れた者しか認定されず、狭き門となっています。
一般に「魔術師」と呼ばれるのは中級以降で、師範になると「先生」と呼ばれます。
魔術師になるには、師範魔術師の元に入門し、訓練を受けなければなりません。
クレメンスは魔術師協会から帰宅すると、出迎えたカルロスの前で立ち止まり、向き直った。
「カルロス。お前の師範魔術師認定が決まった。近日中に正式な通知が届くはずだ」
カルロスは驚いたように目を見開き、すぐに満面の笑みを浮かべた。
「師匠、ありがとうございます!」
大声で叫び、直角になるほど深く頭を下げる。
クレメンスはゆっくりと「うむ」とうなずくと、思案を巡らせるように軽く視線を落とした。
「ついては、お前に話しておかねばならないことがある。……ロジーナにも聞かせたほうが手間が省けるな」
低く呟き、カルロスに視線を戻す。
「ロジーナを呼んできなさい。私は応接室にいる」
そう告げると、返事も聞かずにスタスタと行ってしまった。
「かしこまりました」
カルロスはその背中に一礼をし、ロジーナの元へと向かった。
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カルロスとロジーナが応接室に入ると、クレメンスはソファーに座ったまま、軽く顎を動かして座るよう促した。
二人は一礼をして腰を下ろす。
クレメンスは深く息を吐くと、ゆっくりと口を開いた。
「今から話す事柄は、協会では決して語られることのない話だ」
そう前置きをし、語り始めた。




