人間の冒険者
「おい。そこのあんちゃん。ちょっと面をかせ。」
「なんだ?俺か?」
「そうだ。」
「なんだ?」
「ちょっと金をくれや。見たところ稼いでそうだからな。」
「嫌だな。見ず知らずの人に貸す金を俺は持ってねーよ。帰ってくれ。」
「カラギさん。行きましょう。」
「そうだな。リン。」
「なんだ若い女までいるのか。羨ましいやつだな。じゃあ実力で奪うまでだ。」
そう言うと男は、魔力をまとった。そして、
「じゃあ行くぜ。」
雷を纏い、放つ。
「アハ。やっぱり久しぶりだからいいよね。」
「何?この野郎!」
男はどんどん拳を放つ。
「いいねー。いい拳だ。しかし、ムラも多い。全然修行が足りてないな。」
そう言うとカラギは、男の腹に刀の持ち手を打ち込み気絶させた。
「つまらんな。もっとやりたいのだがな。」
「はあ。」
リンはなぜかこの男とつるむようになってよくわからなくなっていた。
やれやれ。事件の手がかりか。教会の中は特に何も無かった。参拝客のフリして潜り込んでみたが特に何も出てこなかったしなー。
「やっぱり教会には何もないんじゃないですか?」
「そうとも言えるしそうでないとも言える。」
「どういうことですか?」
「まあ勘だよ。ただの。」
「そうですか。」
この人はっきり言わないんだよなー。勘ってなんだか釈然としないんだよなー。やれやれなんだかなー。
「まあまあこのあとはとりあえず宿に行こうか。」
「そうですね。ではこれで。」
「ああ。そうだな。じゃあこれで別れよう。しかし、俺たちはクエストを受けた身だ。気をつけるんだな。」
「え?何のことやら。」
「まあとにかく狙われる可能性っていうものは常にあるから気をつけるようにという意味だ。」
「わかりました。」
そう言って2人は別れた。
リンはそのまま宿まで行くこととした。ここは路地を行くと襲われやすいからメインストリートに行こうかな。リンはそのままメインストリートに向けて路地を行こうとした。しかし、それは叶わなかった。
「ちょっと失礼。あなたすごく綺麗だ。今夜私のところにどう?」
「え?」
突然の声かけにすごく恐怖を感じた。見ると、教皇っぽい格好の人だった。もしかしてこれか。クエストの内容。
「私と何をするのですか?」
「うん?それは僕が決めることだ。行くのか行かないのか。どっちなんだ?」
覚悟を問われているな。これは、あの2人の死に様を見ているから私自身も覚悟なんていつでも決めていると思ってた。しかし、ここにきてすごくドキドキしている。クエスト達成に向けた決断が求められている。獲物は釣れた。さああとは私の返答次第だ。
「わかりました。行かせてください。」
「うふ。君すごくいいね。わかった。断られるか逃げられると思ってたから。」
そう言いながらリンと男は姿を消した。
「フフフフフフフフ。これでやっと一歩全身だな。」
カラギはそう言いながら、後をつけようとした。しかし、ここで魔道具に反応があった。
ガチャ。
「どうした?」
「ああ。出られましたね。どうしますか?」
「とりあえず配置についておけ。また指示を出す。」
そう言ってカラギは魔導具を切った。
「フフ。まあいいや。とにかく神は殺す。これは絶対だ。」
■
境界
「ああ。やはり外に出るといいものだ。景色はすごく綺麗だ。晴れていてとても気持ちいい。」
境界の外は魔力が無くとても行動がしやすい。とても身体が軽い。
白虎は、そう思いながら街道を歩いていく。しかし、そこに、
「誰か助けて。誰か。」
「どうした?」
白虎は、女の人に聞いた。
「町が魔物に襲われてて。」
「魔物か。」
境界であった魔人たちはどうなんだろうな?あれくらいの強さがこの世界ではどういう基準なんだろうか?少し試したくもあるかな。そう思い、白虎は近くの襲われているという街まで行ってみることにした。
行ってみると、確かに大型のキメラが街を襲っていた。近くでは、冒険者たちが魔法とか剣とかで攻撃していたがとてもじゃないが倒せそうにはなかった。
「どうすればいいんだ?こんな奴誰が倒せるんだ!」
「うるさい。今はそんなことを言ってる場合じゃない。少しでも長く足止めをして避難者の避難の時間を稼ぐんだ!」
「「了解!!」」
人間の冒険者たちは正論に基づき困難に立ち向かう。これが普通のやり方だ。
「じゃあ俺は自分の願望のために行動するかね。」
(星剣!!)
キメラを前に星剣を召喚した白虎は星剣の機能を解き放つ。切っ先をモンスターに向ける。そして、魔力を解き放つ!!
星剣は魔力をためにためて一気にバーストした!!
「ああ!みんな逃げろ!」
「え?うわー!」
冒険者たちはとりあえず避難した。そして、冒険者たちに気を取られていたキメラはそのバーストを受け身体が蒸発した。




