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第一話 『困ってるなら、歌うしかないだろ!』
はじめまして、詠リトです。
音が魔法になる世界で、歌うしかなくなるお話です。
楽しんでもらえたら嬉しいです!
視界が、白く弾けた。
次の瞬間、足元の感覚が消え、
背中を勢いよくシートに押し込まれる。
自前のゲーミングチェアとは違う。
あまりにも、狭すぎる。
何が起きたのか分からない。
目の前のモニターは、
絶望に似た青い光を放っていた。
――終わった。
直感がそう告げた次の瞬間、
耳の奥で低い振動が鳴る。
聞き覚えのない起動音。
同時に、自分の声が
ヘッドセット越しに反響した。
「……え?」
高い。
思わず喉に手を当てる。
見下ろした指先は、
細く、白く、知らない手だった。
『おい! コックピットに誰かいるのか!』
ヘッドセットから、
キンとした高い怒鳴り声が叩きつけられる。
少女――いや、
声の高い少年のようだ。
『だったらさっさとノーツ展開しろ!』
「なっ、何なんだよこれ!
それにノーツって――」
『歌巫女が乗ってるなら今すぐだ!
持ち歌でなんとかしろ!』
さっきから、何を言っているのか分からない。
ただ――
かろうじて一つだけ、理解できることがある。
今、この場所で。
逃げ場もなく。
「歌え!」と言われている。
読んでくれてありがとうございます!
次回、ノーツ展開&歌います。
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