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◆第11話 雷禦の器、覚醒
意識は白い深海。
そこで俺は“器の核”――異世界召喚を司る古き魔法機構〈エルグ=コア〉と邂逅する。
> 「契りて暁を望むか?」
「深音を守りたい。彼女の雷と共生できる力を!」
> 「代償は己の平穏――承け入れるか?」
頷いた瞬間、胸腔に雷鼓の轟き。**《雷禦ノ皇器》**へ昇格する。
覚醒後の俺は、光の大円陣で轟雷皇の分身を抑え、深音が《霹鎗ノ顎》で鏡面ごと突き破る。
神域空間は崩壊を始め、逆流する風が境内へ吹き荒れる。
バリア展開と同時にヒロイン全員の浄衣や儀礼用ケープが突風で捲れ上がり、白と紫の布が乱舞。
(やばい!)と慌てた俺が追加バリアを張ると、今度は逆方向から押し戻され、胸元がピタリと肌へ貼り付いた――。
深音の視線が熱く、雷紋が頬に浮かぶ。
「……見惚れておる暇など、ないぞ?」
「いや、ちょっとだけ……!」
最後は**二人合わせた雷閃**で鏡を粉砕。轟雷皇は霧散し、門は静かに閉ざされた。




