表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

6/17

第6話

 土足のまま校舎に入り、2階へ続く階段を上ると、お化け屋敷やら、占いやら、コスプレ喫茶やら……飾り付けられた看板がたくさんある。


「ま、マリンさん、どこに向かってるんですか?」


「う~ん……どこ行きたい?」


「あ、あの、お腹空いたんです……」


「じゃあ、チュロス食べよっか!」


 そして、彼女がふと足を止め時、


「――見つけましたよ」


 マリンさんの肩をがっしりと掴む、大人の女性。後ろで綺麗に結ばれた髪に、きちんと着こなすスーツ姿から、敏腕ビジネスマンみたいな雰囲気を醸し出していた。正直、高校の学園祭には合っていない。


「し、志島(しじま)……」


 この人、ボクの部屋に来た人だっ! 理系女子を装って、余計に目立つ格好をしていた……


「うふふ……捕まえましたよ。こんな服装しないから油断しましたね、姫野(ひめの)マリンさん」


 志島さんが不敵に笑う。その瞳からは、『絶対に逃がさない』という強い意思を感じ取れる。


「助けて渚くん! マイダーリン! か弱い乙女が、性悪(しょうわる)女に襲われてるの!」


「助けを求めても無駄ですよ。さっそく取り掛かってもらいますからね。締め切り……もう無いですよ? 終わるまで、部屋に幽閉です。他のアシさんも困ってるんですから……まぁ、担当さんはもっと困ってるんですけどね」


 マリンさんの力でも、『逃がさない』と決めた強固な意志には敵わないみたいだ。


「うわあああああん」


 2人の学園祭にそぐわないやり取りに、周囲の生徒の視線が釘付けじゃないか。そんな様子を目の前に、ボクは立ち尽くすことしか出来ない。悪目立ちする前に立ち去ろう。


「助けて! 姫を救い出し魔王を倒せるのは、勇者である(なぎさ)くんだけ!」


「うるさいですよ~。さ、早く行きましょうね……魔王城に」


 マリンさんが彼女に引きずられて行く。必死にもがいているが、彼女の力の前では成す術が無いのだろう。


「……で、どうしよう」


 1人になってしまった。ホノカさんを探そうかな。「見ないで」って、言われたけど……ちょっとくらいなら、ね?


「おい、早く行こうぜ。腕相撲トーナメント、凄いらしいぜ! 女の子が運動部をボコボコにしてるんだって!」


「ウチの運動部、強豪で有名だぜ? ホントかよ」


 男子生徒たちが急ぎ足で階段を下りていった。

 腕相撲トーナメントに参加する女の子って……間違いない。

 ボクも行こう……ホノカさんを応援したいし。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ