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8 ソロ冒険者の生活 4


疲れ切って街に戻ってきたキルだったが、明日も同じ仕事ができたらやりたいと思った。

もう少し続ければ40000カーネルを貯めることができそうだからだ。


実は元々20000カーネルほどの貯えは持っていた。


昨日と今日とで18000カーネルを稼ぎ昨日食費で約2000カーネル、

今日の食費も同じくらいかかるとして約14000カーネルは手元に残る計算だ。


キルは帰りにギルドによって明日も同じ仕事ができるか聞いてみた。

受付のケイトは大丈夫だと答える。


そもそも求人が集まらない仕事のようだ。

キルはあと2日続けて開墾の仕事を請け負った。


宿屋に戻ってベットに横になり一休みするキル、この宿とも明日でお別れだ。


そう思うと少し淋しくなる。


3人で過ごしてきた思い出が脳裏をよぎる。

すでに2人はいないのだが。


1時間ほど寝た後で夕飯の買い出しに出掛ける。


2人分のパンと惣菜とメインの肉料理を買い揃えてゼペック爺さんの工房に行く。

ゼペック爺さんは店の前で椅子に座りぼうっとしていた。


ガリガリに痩せたゼペック爺さんが入り口の前に居るとまるでお化け屋敷と骸骨のようだ。


「ゼペックさん!晩飯持ってきましたよ」


その声でキルに気がつくゼペック、ゆっくりと立ち上がりキルが近づくのを待つ。


「入るか」ゼペックはそう言うと家の中に入っていく。


キルもそれに続く。


「ゼペックさん、俺今日は開墾の手伝いで木の根撤去の仕事をして来たんですよ」


フーンという顔で黙って話を聞くゼペック。


「木の根を撤去する時って結構泥だらけになるんですけど、終わってからクリーンの魔法が使いたくなるんですよね」

笑顔ではなすキル。


「そりゃそうじゃろうのう」相槌を入れるゼペック。


「500カーネルでクリーンの魔法をかけて欲しいくらいだって言う人がいて、

これってなかにはスクロール欲しがる人が出てくるかもしれませんよ」


「ほう.........クリーンが使えれば500カーネル稼げたのにのう。

40000カーネル持っとらんのかい?」悪徳商人顔になるゼペックだ。


この人は商売には向いてなさそうだ。


「明日も同じ仕事場なので、そうしたら40000カーネル貯まりますよ。

なんせ重労働なんで、1日10000カーネル貰えるんです」笑顔のキル。


「ほう.........そうかそうか。なるほどのう」

ゼペックの顔がさらなる悪巧みを考えている様子である。


「キルさんや。 その職場の人たちは500カーネルでクリーンをかけて欲しそうな人はギョウサンおるのかいのう?」妙な喋り方になるゼペック。


「そうですね、そこそこまあまあ居るんじゃないですかねえ?」

首を傾けながらキルが答える。


「なるほどのう。ホーホーホー。キルさんや、今30000カーネル位は

貯まったということじゃなあ」


「はい。30000はたまりましたけれど〜」なんか気持ち悪いと思うキルである。


「昨日前借りがどうのと言ってたのう」悪い骸骨のようなゼペック。


「は......はい〜」


「30000で10000貸しといてやるからお前クリーンを身につけんか?」


クリーンをできるようになりたいと思っていたキルは渡りに船とばかりに返事をする。


「昨日、それを頼みたかったんですよ。勿論身につけます」


「それでのう、キルさんや、 そのクリーンで稼いできなされ。1回500カーネルで。

それで稼ぎの半分はワシの取り分じゃ」


「えーと...............今日クリーンを覚えさせてくれる代わりに、明日職場で稼いだ分の半分をゼペックさんに渡すということですか?」

混乱しながらキルが確認する。


「そういうことじゃ。理解が早いのう」ニンマリするゼペック。


悪徳商人オーラ全開である。


「やる人がいなかったらどうなるんですか?」とキル。


「その時はしょうがないのう。それはそれで諦めるわい」


「わかりました。それじゃあクリーンを覚えます」


「そうかい。それじゃあ30000カーネルだしな」ニンマリと手を出すゼペック。


「ア、はいはい。30000カーネルっと」大銀貨3枚を渡すキル。


懐には残り4000カーネルしかない。


ゼペックはクリーンのスキルスクロールをとってくると机の上にスクロールを広げる。


「此処に右手の手のひらを置きな」

指示通りにするキル。


「魔力をチョット流してみな、動き出すから」


「どうやって」


「魔力を流そうと思えば良いんじゃよ。手のひらからなんか出す気持ちじゃ」


訳わからん指示をするゼペックだがキルは何となくやってみるとスクロールが光り出してキルに光が入っていった。


ふしぎなことがあるものだとキルは思った。


「よし、それでクリーンが使えるようになったはずじゃ。

試しにこの部屋を綺麗にしてみてくれ。

クリーンの発動点を意識してクリーンと唱えるのじゃ。

半径1mの球体がだいたいの発動範囲じゃぞ」


簡単にやり方をレクチャーするゼペック。


言われた通りにやってみるキル。


半径1mの球体の範囲が少し光り綺麗になっていた。


「おお...............」キルは感動して思わず声を上げた。


「何回できるか確かめといた方が良いぞ。人によって違うからのう」


アドバイスもくれるゼペック、割と良い人かもしれないと思うキルであった。

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