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6 ソロ冒険者の生活 2


キルの話を聞いたケラとバン。


「そりゃ厳しいな!スクロールを売ってこいってか?」


「なかなか売れねーだろう。俺買ったことないし。使えるのかね?スクロールって」


2人は正直なのか聞いているキルも暗い顔になる。


ズケズケと言ってしまってから気がつく2人。


「1つくらい買ってやりたいけど金が貯まったらな。絶対1つは買ってやるよ」


慌ててケラがフォローを入れた。


「俺も買ってやるからよ。それに親しい先輩ができたら買ってくれそうな人あたってみるからな。地道に頑張れよ」


バンもキルを慰める。


「ありがとうね。2人とも。多少は安く売っても許してもらえると良いんだけれどその辺確認してみるよ」


キルも2人の言葉を受けて頼りにしたい旨を言葉にするが、頼れないという思いも心の大部分を占めている。


「それじゃあな、俺達は荷物を運ぶから、今度はホームを訪ねてきてくれよ。歓迎するからさ!」


「途中まで運ぶのを手伝うよ」


「いいって、いいって。お前飯買ってきたところなんだから俺たちのことは気にせずあった

かいうちに食ってしまえよ。じゃあな!キル」


2人はそう多くない荷物を背負って部屋を出て行った。


キルは急いで食事を摂るとゼペック工房にまた行ってみる事にした。


明日は朝から開墾の仕事だ。


今日のうちに頼み事をしてみる事にするキルである。


暗いゼペック工房に入りゼペック爺さんを呼ぶ。


机の方から爺さんの声。


「ナンジャイ。また来たのか?空きっ腹に響くから大声を出すなよ」


「ゼペックさん腹減ってるんですか?」


「朝から何も食っとらんわ」


「ちょっと待てて下さい。パン屋に行ってきます」


外に飛び出すキル。急げばまだパン屋は開いているはず。


パン屋に飛び込むともうパンは2つしか残っていなかったが全部買う。


肉屋でも最後の味付き焼肉を買ってゼペック工房に引き返した。


ハアハアと息を切らせながらキルは「ゼペックさん、食い物買ってきました」とゼペックに渡した。

ゼペックはむくりと起き上がると肉とパンを食べ出した。


「向こうにコップがあるから取ってくれ」


口の中が満タンで聞き取りづらい声でそういうゼペック。


キルがコップを探してきて渡すと、生活魔法のウォーターでコップに水を汲み飲み出した。


ゼペックはパンと肉を食い尽くし「生きかえったワイ」と言った。


「お前なかなか見どころがあるな。もう2度と来ないと思っておったのにのう」


「イエ、そんな......実はいくつか頼みがあってきたんですけれど」


「ダメじゃ!」


「まだ何も頼んでないんですけれども?」


「言わんでもわかるわい。前借りじゃろう」


ズバリ言い当てられたキルはびっくりした。


「どうしてわかったんですか?」


「昔もそういうことがあったからじゃい。

ワシがああ言って戻ってきた奴の言うことは決まってそれじゃもの」


「どうしてダメなんですか?」


「貸してやって、持って行ったきり帰ってきた奴なんておらん。100%持ち逃げじゃ」


「俺は違いますよ」


「証拠がない」


「ですよね〜、ゼペックさんから見れば俺なんか信じられませんよね〜」


「フン! スクロールは高価なものなんじゃぞ。おいそれとは持たせられんな。

しかしお前臭いな、清掃の仕事でもしてきたのか?」


そういうとゼペック爺さんはキルにクリーンを唱えてやった。


キルが光に包まれて綺麗になった。


「臭くてやりきれんからの。さて、もういいじゃろう。帰れ」


「もう一つお願いがあるんですけど...」


「ナンジャイ?」


「実は、此処で住み込みの弟子にしてもらうわけにはいきませんかね?

晩飯は俺が稼いで買ってきますから!」


「住み込みでって言っても寝る場所なんてその辺しかないぞ。

ワシだってこの机と椅子で寝てるんじゃもの」


「そこの隅っこで寝てもいいでしょうか?」


「マアジカ!お前本当に貧しいんじゃな」


「イエ、そうでもしないと仕入れの金が貯まりそうにありませんので」


「仕方ないのう。晩飯はちゃんと買ってくるんじゃな!絶対じゃな!」


「ハイ!」明るい顔でキルが言った。


「わかったワイ。そこの隅に寝ても良いぞい」


「じゃあ、明後日から此処に引っ越してきますのでよろしくお願いします」

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― 新着の感想 ―
甘くないけど厳しすぎない爺さんでいいキャラだなあ
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