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異世界スクロール職人はジョブを極めて無双する   作者: 米糠


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50 案内任務2


ゴブリン討伐隊は気配を殺しながらゴブリン100匹の群れに近づいて行く。


遠距離攻撃ができるキル、ダク、クエの3人は先頭で横に並び一斉に攻撃の準備に入る。


ゴブリンが接敵する前にどれだけの数を減らせるかが今回の戦いのいく末を握っている。


強化系のアーツを持っているものは皆自身を強化した。


ガスの合図で戦闘が開始される。


ダグ、クエは槍使いだ。槍使いのアーツをこの目に焼き付けようと思うキルである。


ダグがアーツを発動、「流星槍!」数本の槍状の攻撃がゴブリンを貫く。


キルは鎌鼬を放ちながら、ダクのアーツの紋様をその目に刻みつけた。


クエも遠距離攻撃を始めていた。


「ショットランス」一本の槍状の攻撃波動がゴブリンに突き刺さり貫いて行った。


3人の遠距離攻撃でどんどんとその数を削られるゴブリン。


ダグの流星槍は1度に3〜4匹のゴブリンを倒している。


キルは素早さも強化されているので鎌鼬の発射スピードが速い。


ゴブリン達が近づくまでにダクは11匹、キルは8匹、クエも3匹はゴブリンを倒していた。


そして10対約80の乱戦に傾れ込む。


スピードも有り器用さのステータスが桁違いに高いキルにゴブリンの攻撃は当たらない。キルは器用にその攻撃を避ける事ができるのだ。


ビシバシと近くのゴブリンを切り飛ばすキル。

キルの周りはゴブリンが死体の山を築いている。


同じように周りに死体の山を築いているのはガスとダクだ。

さすがはCランクの冒険者だ。


盾使いのバズは盾で相手を吹き飛ばすシールドバッシュというアーツを使ってゴブリンを殴り殺していた。キルはその紋様もその目に焼き付ける。


バズはヘイトを集めて味方から敵を引き離すアーツ、ヘイトテイカーも使っていた。


その紋様も目に焼き付ける。


Cランクともなるといくつかのスキルを身に付けているものらしい。


それに引き換えライガーの牙の面々はあまりスキルを身につけていない。

Dランクと言えども苦労をしてきたにちがいない。頑張れ.....と思うキルだった。


予想に反して幸いな事に上位種は現れなかった。

索敵にもそれらしい気配は無かったのだけれどその通りだったようだ。

キルは安堵する。


全員で剥ぎ取りを行い、キルはここまでに52匹分の魔石と耳をもらっている。


他のみんなもそれなりに分け前をもらった。

ここで引き上げても良いのかもしれないがキルはもう一つの100匹以上おそらく120

〜130匹のゴブリン集団を見つけていた。


何やらこの集団には上位種らしい個体がいるように感じる。それも複数居る。


キルは小声でガスにその事を話した。そして戦力を整えて出直すべきだと進言した。


ガスはその進言に従う事にしたので他のメンバーはその事を知らぬままにその場を後にする事になったのである。


ガスも複数の上位種を相手にするには、今の戦力では被害者が出ると思ったのであろう。冒険者は決して無謀な事を好んでする訳ではない。ただ危険に気付けない事がよく発生するだけなのだ。


討伐隊は180度方向転換してギルドに引き返す方向に動き出す。

その時討伐隊の方に急速に近づいてくる者が現れた。

さっきの上位種のうちの一体のようだ。


索敵でその事に気づいたキルは敵が近づいている事をガスに伝える。


ガスは叫んだ。「急いで逃げるぞ。危険な奴が急速におってきている。」


みんなが騒然として走り出した。勿論キルも走り出している。


キルの索敵では上位種に追いつかれるのは避けられそうにない。


これはつまりスピードでは負けていると言う事を物語っている。

相当にヤバいやつに違いない。

しかもあの離れたところからコチラを察知して狙って来ているのだ。


「ガスさん。ヤバい、コイツ早い!追いつかれます!」とキル。


「ああ!俺にも感じられる所にまで近寄られているなあ。奴の危なさがひしひしと伝わってくるぞ。」ガスが叫ぶ。


ダグとバズはガスに寄り添う。3人で奴の相手をするつもりらしい。頷きあう3人。


「上位種だ!コイツの相手は俺たちがする。足止めしてすぐに追いつくからお前ら一目散に街まで逃げろ!」ガスが叫んだ。


ライガーの牙とボアハングの計6人は指示に従い一目散に走って行く。

バーミリオンの3人が追い縋る敵に対峙する為に立ち止まった。


キルは迷ったがバーミリオンの戦いに参加する事にした。

自分の力を過剰評価したのかもしれない。


そんな危険を冒すべきでは無いのは当然の事なのに血迷ったとしか言いようがない行為である。


「バカやろー!早く逃げろ!どう見ても俺たちより強そうだぞ!」


ガスが怒鳴る。


だがすでに時は遅かった。

見たこともないゴブリンがもう追いついて不気味な笑いを浮かべていたのだった。

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