260 懐かしのパリス
翌日、朝には緑山泊を後にするキル達。
ゾルタン、ジルベルト、ソンタクら緑山泊の首脳陣達がキル達5人を見送った。
「またな!後で遊びに行くからな!」ドラゴンロードがにこやかに笑ってキル達を送り出した。
キル達は皆に別れを告げると空に上がる。
緑山泊の上を三度旋回してその姿を目に焼き付けた。
そしてパリスのクランホームを目指した。
途中平原に降りて昼食をとり再び空を飛ぶ。
パリスに着いたのは夕方だった。
クランホームの前でルキアとモレノにでむかえられた。
「やっぱりキルさん達だった。お帰りなさい!」満面の笑顔で飛びついて来るモレノ。
「お帰り、怪我はなさそうで良かった」
ルキアは冷静にで迎えた。
「ホームの掃除はクリーンでできてるしもう快適だよ。入って入って」
モレノがキルの腕を抱えてホームの中に誘う。
モレノさん胸が腕に当たってるんですけど……顔を赤らめるキル。
ホームの中に入るとエリスとユリアがキル達を見つけて駆け寄った。
「キルさん、クリスさん、ケーナさんお帰りなさい。ゼペックお爺さんとクッキーちゃんもお帰りなさい。もう戦いは終わったのかな?」「うん。うん」
その声を聞いて皆んなが集まってきた。
「キル君達がやって来たんだね!」グラが奥から顔を出す。
「緑山泊で聞いて来たのね」とサキ。
「良いタイミングで来てくれて良かったであるな」
「あとー数日ー後だったらー入れ違いーにーなってたかもーよ」
キルは皆んなの顔を見て安心するのだった。
「キル君、久しぶりのパリスだろう。皆んなで街をみながら外食でもどうだい。ちょっとした帰還祝いだな」
「俺は大歓迎ですよ。ゼペックさんはどうですか?」
「ワシはどうでも良いぞい」
「だいぶ日も落ちてきたから店が埋まる前にさっさと出かけましょうか」
サキはいち早く出発の態勢になっている。
『15の光』はパリスの街を歩きながら変わらない街並みや変わってしまった店などを眺めながら歩いた。
15人入れる店を探すのは大変だ。開店と同時なら空きも多いが遅れると席が足りなくなってしまう。味自慢の店は特にだ。
大型店でそこそこの味自慢の店に入れたので早めに出てきて正解だった。
「ところでまたパリスで冒険者をする時のパーティー名ってどうなるのかな?」モレノが突然疑問を口にした。
「その事なんですけど、少し聞いて頂きたい話が有るのですが」
クリスが神妙な顔で切り出した。
「実は、私の父、ルビーノガルツ侯爵クリーブランドが私たちにルビーノガルツで冒険者をして欲しいと申しておりまして……」
「あら、まあ父親としては娘をそばに置いておきたいのは当然よね〜」サキはピールのジョッキを片手にぐいと飲んだ。
「それは当然の親心で有るな」とユミカ。
「クリスはどう思っているんだい?ルビーノガルツで冒険者をするのは嫌ではないのかい?」とキルが聞く。
「別に嫌ではありませんよ。ルビーノガルツ侯爵の娘だと言う事は隠し通しますし、父は色々と協力を惜しまないと言ってますし。あまり鬱陶しいようならホームタウンを変えれば良い事ですから……」
少し心配そうな表情のクリスだ。
「クリスってルビーノガルツ侯爵令嬢だったんだ!」モレノが驚く。
「静かに!モレノ」ルキアがモレノの口をふさいだ。
「自分はルビーノガルツで冒険者をしてもかまわないっすよ。またスタインブルクが攻めてきたらすぐ手伝いに行けるっすしね」ケーナがルビーノガルツに行く事に賛成をした。
「私はルビーノガルツに行ってみたい気もするわ!」「うん。うん」
「行ってみたいであるな」
「いーわよー」
「ワシらも別に構わんぞ!なあホド?」
「…………」ホドも頷いた。
「じゃあ決まりね!明日にでもルビーノガルツに行ってみましょうか!」
サキが話をまとめた。
「それじゃあ美味しい料理を楽しみますか!」
グラがピールのジョッキを高く上げる。
「『15の光』の明日に乾杯!」
「「「乾杯!」」」




