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異世界スクロール職人はジョブを極めて無双する   作者: 米糠


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221/395

221 団体戦

3日後、時間の過ぎるのは早いものだ。

闘技場内にはヤオカ流のトップ5人と『15の光』の5人が向かい合っている。


『ヤオカ流トップ5対冒険者パーティー15の光』の噂は王都中に広まりコロシアムは超大入り満員状態だ。

あまり目立ちたくなかったのになあ……


コロシアムが異常な熱気と興奮に包まれる中、先鋒戦が始まろうとしている。


聖級剣士(成りたて)エリス対特級剣士(特級経験十分)四天王その4との戦いだ。

本人はかなり相手を見下していたが、考えてみるとそれほど差はないかもしれない。

少しキルは心配になる。


会場の興奮は鰻登りだ。

「やってやれー!!」

「殺せー!!」

怒号がとびかう。


それ殺人教唆じゃないですか?


真剣での戦いはすなわち命のやり取りと言ってもおかしくはない。

そう、これは殺すか殺されるかを見せるショーなのだ。


「ヤオカ流!先鋒、ハシシ。15の光!先鋒、エリス。両者前へ」

審判が2人を呼んだ。


ハシシとエリスが前に出て向かい合った。


エリスはそのピンク色の瞳でハシシを睨んだ。

2人は抜刀する。


「始め!」審判が声をかけた。


ハシシとエリスが互いの間合いを測りながら近づく。


「生意気な小娘だ、お前ら如きがヤオカ流四天王に通用すると思うなよ!」

ハシシが吠える。


エリスはその言葉を聞き流し嘲るように笑った。

その笑いに腹を立てるハシシ。


ハシシがエリスに斬りかかろうと剣を振り上げたその刹那エリスの剣が走った。


「グワー!手が〜!」

ハシシの両腕が剣と共にとんでいく。


エリスの一撃は目にも止まらぬ速さでハシシの両前腕を切り飛ばしていたのだった。


うずくまるハシシ。


「勝負あり!勝者エリス!」

審判がエリスの勝利を告げた。

会場に怒号が飛び交う。

「情けねーぞ!ヤオカ流!」

「あの子強え〜!」

「可愛い〜!」


ハシシは担架で運ばれて行く。

「静粛に、次の試合ができません!」

会場にアナウンスが流れる。


会場は静かになった。

審判が声を張り上げる。

「ヤオカ流次鋒ヤマジ!前へ!」

エリスは勝ち残り次鋒のヤマジと向かい合った。


「始め!」

審判の掛け声で戦いは始まった。


ハシシの敗北を見たヤマジはエリスを強敵と見て慎重に剣を構えている。


エリスがにじりと前に出るとヤマジはその分後ずさった。


「たあ!」

エリスの掛け声が響き剣が走る。


ヤマジの剣が弾き飛ばされてエリスの剣の剣先がヤマジの喉元に寸止めされていた。


一瞬の出来事である。


「ま、ま、まいった!」

「勝負あり!勝者エリス!」

ヤマジと審判の声が重なった。

ぺこりと腰を抜かすヤマジだった。


会場が大歓声に包まれた。

「スゲ〜、一瞬じゃん!」

「俺見えなかったぜ!」

「可愛くて強いなんて最高〜」

「あんたに惚れた!」

会場は大興奮だ。


蓋を開けてみればやはりエリスの圧勝だった。


「私は此処で棄権します。」

エリスは2人倒したので選手交代だ。

「え〜!もう行っちゃうの!」

「まだ負けてないジャーン!」

会場はブーイングの嵐だ。


アナウンスが会場に流れて静粛を求めた。



「ヤオカ流中堅!ハリマオ!15の光!次鋒ユリア!前へ」


ハリマオとユリアが向かい合った。


ユリアは水色の長い髪を後ろで束ねてニッコリと笑う。

「お手柔らかに」


ちょっと頬を赤らめるハリマオ。


「始め!」

審判が声をかけた。


「はーーー!」

ハリマオが気合を入れる。


「豪打十連!」

ハリマオがアーツ豪打十連を発動した。強力な打ち込みが連続してユリアを襲う。


ユリアはその豪剣の十連続を何事もないように剣で受け止めた。


ユリアはハリマオのアーツをあしらってついでに剣までも叩き落とした。

「おじさんの負けでしょ?」

ニッコリ笑うユリア。ハリマオが何度も頷いた。


「勝負あり!勝者、ユリア!」

審判がユリアの勝利を宣言する。


「やった〜、勝ったよ、エリス〜」

エリスに手を振るユリアだ。


「おほん!!静かに」

審判がユリアをたしなめる。


「えへへ!」笑って誤魔化すユリアに審判が頬をあからめる。


会場は2人目の美少女の強さに大歓声だ。

「この子も強え〜!」

「ヤオカ流って弱いんじゃね?」

「とにかく可愛い〜」

「弟子にして〜」


アナウンスが流れる。

「静かにしやがれ、このやろ〜!!」

アナウンスもテンションがおかしい。



「副将!ゴードン!前へ」


四天王筆頭のゴードンが前に出てきた。


「四天王筆頭、このゴードン、女の色香は通じんぞ!」

ゴードンの頬もややあかい。


「いざ、尋常に勝負だ!」


ニッコリ笑って剣を構えるユリア。


ゴードンも剣を上段に構えて真剣な表情だ。

ジリジリと間合いの探り合いが続く。


「ヤオカ流豪羅威剣!!」ゴードンが必殺の豪剣を放った。

ユミカは右に一歩開いてゴードンの必殺剣を躱わす。


轟音と共にゴードンの剣が地面に突き刺さった。

その剣を上からユミカは右足で踏みつけた。


「む!」剣を動かせなくなったゴードン。

思わずユリアの太ももに視線が集まる。


「イヤーー!エッチ!」

ユリアの回し蹴りがゴードンを吹っ飛ばしていた。

ゴードンの瞳にユリアの白い???が焼きついていた。


「勝負あり!勝者、ユリア!」

審判が頬を赤ながら宣言した。


「やったよエリス〜」

喜びながらエリスに抱きつくユリア。

「あ、審判さん、私棄権です〜」


頬のあかい審判が頷いた。


会場がまた興奮のるつぼとかしていた。

「ユリアちゃーん!ステキ〜!」

「可愛いすぎる〜!」

「君のためなら死ねる!!」



「おほん!!」

審判が大きな咳をした。


「ヤオカ流!大将!ヤオタ!前へ。15の光!中堅ホド!前へ」


とうとうヤオカ流は最後の1人を残すのみとなっていた。

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