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215 ドワーデン

キル達は武器を調達するために鍛治師の街ドワーデンに向けて旅立った。

ドワーデンに向かうことは極力秘密だ。


ロマリア王家の手の者が調べ回っていたようだからもうユフリンには戻らない方が良いかもしれない。


キル達は馬車に乗って西に向かった。

今日は馬を操るキルの横に盾を持ったロムが座っている。


道中の話相手をしてくれるつもりらしい。

そうは言ってもロムもお喋りというわけではない。


「ドワーデンは西の方ということですから西に続く街道を通っていけば良いですよね」


「そうじゃな」


言葉数も少なく馬車は走り始めた。


「ロマリア王家の手の者が調べ回っていたじゃと?」


「はい。そのようですね」


「困った物じゃな」


「どこに行ってもこういう事の繰り返しなんですかね?」

キルは諦め顔で遠くを見つめる。


冬の近づく遠くの山は少しずつ黄や赤に色づき始めていた。


「気にすることはないさ。楽しくやろう。気ままな旅暮らしというのも悪くはない」

ロムが笑って言う。


「すみません。俺のせいで」


「悪いのは欲の深い連中じゃよ。気にしないで良いって!」

ロムはキルの背を叩いて励ました。


走ること3時間馬車は隣町のジャリコの街に入った。

馬に水をやり昼飯を食べる。


宿屋では休憩をとったり食事をしたりしている間は馬車を預けておくことができる宿も少なくない。


宿屋の飯はクッキーの料理より美味くはないが其処は我慢だ。


食事をして小休憩を挟んでまた次の街に向かって馬車を走らせた。

次の街が鍛治師の街ドワーデンだ。


ドワーデンはロマリア王国王都ローリエを取り囲む都市の一つだ。

ここで作られる武器や鎧は王都の騎士や兵士の旺盛な需要を満たしている。

勿論ロマリア国内の冒険者達の手にもたくさん渡っていた。


夕方キル達の馬車はドワーデンに到着してキル達は宿屋を見つけたのだった。

ドワーデンは商隊が武器や防具を仕入れに来るために大人数で宿泊できる宿屋が多く存在して宿屋を見つけるのは比較的簡単だった。


商隊の護衛にあたる冒険者達が町のあちこちの飲み屋や飯屋に見受けられ繁華街も賑わっている。


その晩はグラ達4人は繁華街に繰り出していたがキル達は宿屋でおとなしくしていた。


翌日、キル達は鍛冶屋街を良い武器を求めて探し回る事になった。

グラ達4人は昨日飲みすぎて宿で待つらしい。


いくつかの工房を見て回りながら腕の良い鍛治師の情報も集める。


そうしているうちにこの町でも名人と言われている鍛治師の名前を知ることができた。


頑固者のガンテツという鍛治師のガンテツ工房に行けばミスリル製の武器が手に入るかもしれない。


気に入らない人間には売ってくれないとのことで売ってもらえるかどうかは行ってみなければわからない。


ガンテツ工房を探して行ってみる。


「お邪魔します。ここはガンテツさんの工房でよろしかったでしょうか?」

声をかけながら店に入るキル。そして9人の少女、1人の老人がキルの後に続いた。


「いかにもここはガンテツ工房だがなんのようだい?」


「ミスリル製の武器が欲しくてやってきました。」

とキルが言うと、


「ほう………あんた若いのにかなりやるな!」

ガンテツがキルを見て唸った。


「いえ、俺のではなくこの子達の武器が欲しいんです。」


キルが示した先には少女達がいる。


へ!………と言う顔をしたガンテツだったがすぐに厳しい顔になった。


「剣士のエリスです」

「同じくユリアです」

「拳闘士のユミカである」

「盾使いのルキア」

「槍が欲しい!モレノよ」

5人が名前を名乗った。


「剣が2本にナックル一つ、あとは盾と槍かい。なるほどあんたら凄腕が揃ってるね」

感心したようにガンテツが唸った。


「良いぜ!あんたらには売ってやるよ。好きな物を選びな!」


5人がそれぞれ武器を選び出した。


「ワシもミスリルのナックルが欲しいのう」

ゼペック爺さんがガンテツに言った。


「爺さん年甲斐もなくそんな物欲しがるんじゃねー。………いや、悪かった。あんたも欲しいの選びな」初めは断っていたガンテツだが、ゼペック爺さんのことをよく見た後ではゼペックに武器を売る事を認めた。


「剣が2、ナックルが2、盾1、槍1で8億5000万カーネルでどうだい?」

ガンテツが金額を提示してキルが全額払った。

名工のミスリルの剣が1億カーネル程度で買えるのはとてもお安いというものだ。


「良い買い物ができてよかったです。」

キルがガンテツに握手を求め、ガンテツもそれに応えた。


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