20 笑うゼペック爺さん
ゼペック爺さんと晩飯を食べるキルである。
「今日はだいぶ稼ぎましたよ」
「ほ〜〜。そうかい、ソリャ良かったのう。
昨日の話だと今日もダメかと思っておったがのう」
嬉しそうに話すゼペック爺さんだ。
キルが稼いできたことが嬉しいらしい。
「イエ、2人とも見所があると言ったじゃないですか」
「そうだったのう。やればできる子じゃと言っとったのう。どんな子達なんじゃ?」
「2人は13歳の女の子で魔術師と弓使いですね。
弓使いは狙いが正確で、魔術師は強力な火力のファイヤーボールを使いますね」
2人を自慢するキルである。
「ほ〜〜、弓使いはなんかスキルは持ってるのかい?」
ニヤリとするゼペック爺さん。
「イエ、多分新人ですし持ってないと思いますけれどもね」
迷い顔で想像で答えるキル。
「弓矢じゃと殺傷力が低いのが問題なんじゃないかのう?」
悪い顔になるゼペック。
「まあ、当たっても中型の魔物は1発では死なないでしょうね。
当たりどころが良ければ有るかもというところでしょう」
当たり前のことを言うなあと思いながら答えるキル。
「そうじゃろうのう。強射というスキルスクロールがあるんじゃが
こいつを使えば1発で中型魔物くらいなら倒せる様になるぞよ。高いがのう」
悪徳商人顔のゼペック爺さんだ。
「良いですね。ケーナがそれを身につければ狩りがかなり安心安全になりますね」
「80000カーネルじゃがのう。卸値は半額じゃ」
「チョット買ってあげれる額ではないですね。残念です」
苦渋の思いのキルである。
「そうじゃろうのう。じゃがその子が威力を求めた時に教えてやると良いのじゃ。世界が変わるぞい」
悪顔で笑うゼペック、いずれは買う事になると思っているらしい。
「そういえば今日、クリーンのスキルスクロールを買いに来た者がおったぞい。
キルさんに聞いて来たと言っておったわい。80000カーネル儲かったワイ。
ハッハッハア!」
開墾現場でゼペックの工房を教えたオッサンの事を思い出すキルだった。
きっとあの人にちがいない。
「クリーンの魔法で儲けるのじゃと言っておったぞい。
奴もかなり儲けるつもりの様じゃったワイ。
儲かると良いのう。ギャハハハハハハ!」
大笑いをするゼペック爺さんだった。
「奴を見習って他の者も買いに来てくれると良いのじゃがのう。
そうはいかんかのう。あ〜〜ははは」
悪い顔で笑い続けるゼペック爺さん。
笑うのが苦しそうだった。ツボにハマってしまったらしい。
笑いが収まるとゼペック爺さんは真面目な顔でキルに言った。
「今日は魔力は余っとるんじゃろう。無くなるまで何か作っておくのじゃ。魔力は寝れば回復するからのう。無駄にしてはいかんぞ」
「そうですね」
ちゃんとしたアドバイスをくれるところはありがたいと思うキルであった。
「それとステイタスのスクロールを使ってみい、魔力が増えているかもしれんぞ。知らんけど」
「はい。じゃあやって見ます」そういうと素直なキルはやってみる。
今キルはステイタスのスクロールを4つ、
ストーンショットのスクロールを8つ持っている。
ステータス
キル 人族 14歳 討伐経験値 26 討伐レベル2 ( 6/10)
ジョブ 職業 初級スクロール職人 レベル 2(9/10)スクロール制作経験値 19
HP 79/79 :( 100+10)× (14/20) +2+0
MP 89/89: (100+10)×(14/20 ) +2+10
EP 89/89 : (100+10 )×(14/20) +2+10
回復能力(HP、MP、EP) 休憩 10 /1時間
睡眠 20/1時間
攻撃力 72: 100×(14/20) +2+0
防御力 72: 100×(14/20) +2+0
腕力 72: 100×(14/20) +2+0
知力 82: 100×(14/20) +2+10
器用さ 92: 100×(14/20) +2+20
素早さ 72: 100×(14/20) +2+0
走力 72: 100×(14/20) +2+0
耐性 物理 レベル1 毒 レベル1
ギフト(才能) スクロール職人⭐︎7
スキル ( 魔法 ) クリーン
「まだ魔力は増えておらんかったか、残念じゃな」
スクロールを覗き込みながら残念がるゼペック爺さん。
キルも残念だがスクロール職人のレベルが上がっていることに気がついた。
討伐経験値も増えていてもう少しでレベルが上がりそうだ。
時々ステイタスを確認するのも良いかもしれないと思うキルである。
キルはストーンショットのスクロールを魔力の限り8つ作って
今日のスクロール作りは終了した。
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(キルの持ち物 ステイタスのスクロール3、ストーンショットのスクロール16、
蝋皮紙13枚と魔石の粉 金 34500カーネル )




