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異世界スクロール職人はジョブを極めて無双する   作者: 米糠


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153 天剣のキラメキとレスキューハンズ  2

キルが第4階層のフロアボスの居る場所を推定して向かって行くとそれは鎧竜を12頭程倒した時に見つかった。


ボスの気配は流石に強そうである。

⭐︎6相当の魔物………索敵ではそういう気配がビンビンと感じられた。


聖級冒険者4人と聖級精霊4体と王級スクロール職人の9対1なら王級の魔物を倒せるだろうか。多分戦力に問題ない。


後で『天剣』の4人に相談してみよう………と思うキルであった。


ボスの位置をしっかり記憶に留めキルは踵を返した。

ツインヘッドシルバーウルフの復活に合わせてそれまでは鎧竜を狩ることにする。


キルはミスリルの剣を使って鎧竜を豆腐のように切り刻み前回とは違う短時間で倒していった。ミスリルの剣は魔力を流せば流すほど切れ味を増しあれ程堅かった鎧竜を簡単に切り刻んだのである。


「ギルマスの剣より数段切れるね………」


ギルマスが貸してくれたミスリルの剣がオモチャのように思えるこの剣をキルは大事に使おうと心に刻む。


「確か魔力を流し過ぎるな………だったかな。」


キルは鎧竜の魔石を拾いストレージに放り込むと次の魔物の方にあるき出した。




『天剣のキラメキ』の4人は鎧竜と4対1で戦い難なく倒していった。


ロムがヘイトを使い攻撃を盾で受けサキが遠距離魔法攻撃、グラとホドが剣で近距離攻撃をする。典型的で一般的な王道スタイルだ。


それだけに確実で安全な狩りのスタイルと言えた。


倒しては進みまた倒しては進む。

そして通った道をマッピングしていった。


そしてグラは感じ取る、宝箱の在処を長年の経験からこの辺にあるに違いないと、、。


慌てることなく着実に宝の匂いに近づいて行くグラ達。

そして遂にグラは宝の箱を見つけるのだった。


「あったよ。あそこだ」

「なんじゃと。どれどれ。あ!あそこじゃ!」


「本当にあったの?」

不審そうに聞くサキ。


「あれは宝箱!」

普段無口のホドも声を上げた。



一目散に駆け寄るのはサキであった。


「やったじゃない。中に良いものが入っていれば良いわね。」


宝の箱を開けるのはロムの仕事だ。細かいことも器用にこなすタイプなのだ。

罠の解除もお手のものだ。


ロムが慎重に宝箱を開ける。


「えーーい、クソ。なかなか開かんなあ。難しいワイ」

そのロムがなかなか苦戦していた。


30分をどしてロムが大きな息をついた。

「フーーーー」


やっと開いたのか………と思うグラ。


「開いたゾイ。ホレ」


宝箱を開けるロムと覗き込む3人の冒険者。


中からは1つのバックが現れた。


「マジックバックかな?」

グラが皆んなの顔を見た。


ロムがバックの口を開けるとそこには小宇宙が広がっていた。

間違いなくマジックバックだ。


「マジックバックじゃのう」


「やった〜。欲しかったのよね!」

「最高の宝が見つかりましたな」

ホドも笑顔である。


「魔石を入れておこう。大丈夫だよな」


「大丈夫じゃ。これでいくつ取っても問題ない。軽々と運べるぞい」


グラとロムがハイタッチをして喜びの顔を見つめあった。


「美味しい食事も詰め放題で保存できるわね」


「本当だ。これからは冒険中でも美味いものが食えるな」

ホドが言った。


「私たちって、キル君に会ってから運が開けた感じね」


「確かに。まあその分借金もできたけれど大きく成長できたからな。運が開けたってこういうことなのかもな」

グラもサキも意見に賛成した。


「マジックバックはサキに持ってもらおうか?」


「そうね〜、皆んなは近接戦闘で接触も多いし、運動量も多いから私が持つのが良いのかしらね」


「そうじゃな」


黙って頷くホド。


皆んながサキが持つべきという意見のようなのでサキがマジックバックを持つことになった。別に所有権がサキになった訳ではない。


「よし。次行こうか?宝の箱は、1つとは限らないからな」

グラの言葉に皆んなは次の宝箱の捜索を始めるのだった。


「鎧竜を倒すのが目的じゃったのう。宝箱はおまけじゃ」

とロム。


「そうだった。さあ、戦うぞ」

グラが気を引き締め直すのだった。



『レスキューハンズ』の8人は第3階層で堅実に狩りを進めていた。


シザードウルフ、ウルフチーフのスピードにやや苦戦するもクリスの重力追加が決まればそのスピードを封じ込めることができた。


1にも2にもクリスの魔法が戦いの難易度を決めていた。


重力追加が決まらないと近接戦闘で倒すまでに幾分手傷を負う事も起きたのである。

ヒール、ハイヒールで即座に回復できたしそれで劣勢になったりする事はなかったがクリスのストレスは大きなものだっただろう。


だがそういう経験をしながら『レスキューハンズ』は成長していくのだった。


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