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異世界スクロール職人はジョブを極めて無双する   作者: 米糠


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136 ウルテッド森林の調査

キルは朝クリスら8人を見送り冒険者ギルドで指名依頼を受けるとウルテッド森林奥地に飛んだ。


この前サイクロンサイクロプスを倒した辺りである。

木々の薙ぎ倒された森の荒地に着地すると索敵に強そうな影がない事を再確認した。

そして奥地の方に歩き出す。


あれだけの魔物が何処から来たのか?という疑問は確かに追求しなければ大きな危険を放置しておく事になるのかもしれない。


そういえばその前にはゴブリンの大量発生が起きたのはこの森の近くの森であったなあ………と思った。


もし、あのゴブリン達とサイクロプスの発生元が同じところだとすれば………と仮説を立てて目標地点を………いや、目標方向を定めた。


少し歩いてから上空からの捜索を先ず実施してザックリとした捜索を広範囲に行うことにした。手掛かりがみつからなかったら地上からの捜索を実施すれば良いだろう。


1番怪しいのは2つの森の中間線上の恐らく山の方向、其処に何か有るかもしれない。

ダンジョンで有ればそこから出てきたのかも………と考えられる。


そんな事を考えながら飛行し地上の魔物の気配を確認して行く。


そして仮想目標線上付近に強い魔物の気配を見つけた。

これほど強い魔物が居るなんて異常である。

近づいても上空からでは森に潜んでいる魔物を直接目視する事はできなかった。


そして離れた所にもう一体。

その方向に飛行するともう何体かの魔物の気配、そして山裾に洞穴を見つけた。


そして魔物の姿を目視することができた。

穴のそばにリザードマンがいたのである。


つまりこの穴がダンジョンで時々魔物が溢れ出てきているのだろう。


そして上位種が出てくると群れを作って移動するに違いない。

これまでにゴブリンとサイクロプスの群れがここから出てきて森の中を移動してきたという事だろう。


この穴の事を報告すれば依頼は完了ということになるだろう。

リザードマンを狩っていく必要までは無いし、危険である。

確実に報告する事の方がリザードマンを狩る事より大切だとキルは考えた。


そしてキルはパリスに向かって飛行する事にした。




パリス冒険者ギルド、昼間ともなれば冒険者の多くは仕事に出かけていてギルド内は思う様な仕事が見つからずに居残り昼間から酒を飲んだりしている者くらいしかいない。

そしてその数はそれほど多くは無い。


キルは調査の結果を報告する為に受け付けカウンターに直行した。

ツカツカと歩いていくキルに注意を払う冒険者は居なかった。


キルは受け付けのケイトにダンジョンらしき穴と数体のリザードマンを発見した事を報告した。そして穴の場所を示す簡単な地図を書きサイクロプスが発生したのはここからではないかという推測を付け加えた。


「キルさん、この事をギルマスに直接お話し願います。中へどうぞ」

ケイトはキルをギルドマスターの部屋に連れて行った。


大きめの机で椅子にふんぞり返っていたギルドマスター ゼノが入って来た2人に気づいて視線を送る。

「どうした?」


「サイクロプスの件で調査依頼に行っていた者が報告に来ました」とケイト。

「ほう! 早いな。何か見つけたのか?」


その声にキルが報告を始める。

「発生元と思われる洞穴を発見しました。その近くには数匹のリザードマンがいて今度はリザードマンが発生していると思われます」


「戦闘になったのか?」


「イエ、なってません」


「洞窟の中はどうなっている?中にもリザードマンがいたのか?」


「中までは入り口付近のリザードマンが危険で入れませんでした」


「だろうな。報告に戻ってきたのは良い判断だ。ダンジョンの場所の地図を書いてくれ」


ケイトが先ほど書いた地図をギルドマスターにわたした。

「地図は先ほど書いてもらいました」


ゼノはその地図をよく見てから大きくため息をついた。

「本当に新しいダンジョンが出現したらしいな。侯爵様の予想通りだ。今度はリザードマンがダンジョンから出てきているとなると強いパーティーにダンジョンの調査を依頼する必要があるな」


俺でもできないことではないだろうが、戦わずにスクロールを作っていたほうが良いというのも考え方としては有りだ。

スクロール作りにそれ程時間がかからなくなっていると言えども命の危険は無い方が良い。


「それでは、俺はこれで失礼してもよろしいでしょうか?」

キルは続け様に依頼をふられる事を避けようとその場を離れようとする。


ギルマスのグルもその気持ちを察したのかキルの退出を認めた。

「ケイト、キルに支払いを。それと天剣のきらめきに指名依頼だ。ダンジョン周囲のリザードマンの掃討とダンジョン内部の探索を頼んでくれ」


ケイトが頷いてから俺のためにドアを開けて一緒に受付に向かった。

俺は依頼料を受け取るとホームに帰るのだった。

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