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累計1000万PV突破!  「10/2書籍発売 コミカライズ決定」 異世界スクロール職人はジョブを極めて無双する   作者: 米糠


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133/395

133 2度目のワイバーン狩り

飛行すること2時間弱、ドルケン山が見えてくる。


「その辺の良さそうな場所で軽く食事をとっておこう」

キルが着陸を指示し先頭を切って高度を下げていく。


山の麓の小高い丘に着陸して周囲を警戒する。

魔物の気配は感じられなかった。


「この辺りは安全そうだから此処で食事にしよう」

キルはそう言うとストレージからクッキーが作ったシチューを鍋ごと取り出した。

続いてお椀とスプーン、パンを出してクリスに渡す。

それをクリスがケーナに、ケーナがユリアにと次々に渡していった。


「それじゃあ食べようか?」


今日の昼食はパンとボルシチに似たシチューで有る。

モーモーの肉が柔らかくなるまで煮込まれていてとても美味しい。


「クッキーって料理上手だよね。雇って良かった」

キルがクッキーの料理を褒めると。


「本当ですね。私も料理ができる様になりたいなあ」


「自分は食べる係で良いっすよ」


「同じであるな」


「ユリアが作るとパンチの効いた味になりそうっすね」


「どう言う意味であるか?だから作るつもりはないと言っている」

ユリアはケーナに揶揄われてむくれていた。


軽い食事を終えて立ち上がりワイバーンを探すために再び空に上がる4人。

ワイバーンを求めてドルケン山の奥へと飛んで行く。

崖の上に15匹くらいのワイバーンの群れを発見して攻撃態勢に入った。


「ギャーース!」

ワイバーンの騒ぐ声が響いていた。


前回のワイバーン狩りでは特級土魔法マシンガン爆裂バレットで空中戦をしキルが一方的に撃墜している。

当然遠距離から攻撃できる方が射程が長いぶん圧倒的に有利なのは言うまでもない。

ワイバーンは足の爪と嘴の攻撃が中心の近距離攻撃型で防御力はそこそこ高いが攻撃を受けないようにするのはキルとその仲間にとっては容易いといえる。


「行くぞ。できるだけワイバーンには近づかれるなよ!」

キルは3人に戦闘開始の合図を送った。


ワイバーンの群れがキル達を見つけて飛んできた。15対4の空地戦が始まった。

キル達の戦い方は陸でも空でも基本は近づかれる前に倒すと言うことに尽きる。


遠距離攻撃で多くの敵を倒して倒しきれなかったものは仕方がないので近接戦闘になると言うものだが空中戦においては飛行スピードの差や旋回性能の差が勝負の鍵になる部分も有る。


この点スピードも旋回性能もキルが1番優れていたし他のメンバーもワイバーンよりは早かったのでほぼ完全に攻撃を受けることなく殲滅することができるのだった。


近づくワイバーンの群れにむかって遠距離攻撃が開始された。

ワイバーンの群れはキル達4人の弾幕によって次々と墜落していった。


近接戦闘できそうなところまで近づけたワイバーンはわずか5匹であった。

その5匹が攻撃を繰り出そうとする前にキル達は散り散りに移動を開始して追われながらの遠距離攻撃状態に入る。

結局は近距離戦闘になることはなかった。


ワイバーンは頭を狙われて即死するか翼を狙われて墜落して地上に落とされ上からの遠距離攻撃の嵐によってトドメを刺されるかであった。


15匹のワイバーンを倒すのにかかった時間は30分程度であった。

「こいつらちょろいっすね」

ケーナが笑いながらマジックバックに収納を開始した。

「防御力も攻撃力も高いとは言えドラゴン程ではないからね」

「翼を傷つけると飛べなくなって落ちていくのが哀れであるな」


飛べないワイバーンはただの無力な大トカゲでしかないと思うキルであった。


倒したワイバーンをストレージに収納し終えて次の群れを探す。


13匹の群れを見つけて次の戦闘にはいっていった。


次々に群れを見つけては狩りをすること8回、トータルで121匹のワイバーンを狩りギルドに買い取ってもらいに行く。


ワイバーンは高級な素材である。

魔石以外の部分を買い取ってもらい121匹、3630万カーネル。

魔石はキルが受け取りその分は精算する。

魔石は1つ30万の小売値で卸値は15万カーネルだ。

魔石分が1815万カーネルになるから総額5445万カーネル。

1人の取り分が1200万カーネルとクランに645万カーネルプールすることにした。


朝の銀行での取引を思い出すと彼らの今までの預金額が6000〜7000万カーネルだったことが推測された。リオン最強のパーティーの10〜20年(何年かはよく知らん)の預金額がである。


それを思うと飛行能力とストレージとマジックバックがあるということの凄さが実感された。5〜6日でその位稼げてしまうということなのだから。

それ以上にスクロール職人としての売り上げの方が半端ないけれど。


大量に狩ってそれを運ぶことが出来るということが重要だということがわかる。

経験値だけなら倒すだけで良いが収益化という面では運べることが大切なのかもしれない。もっともこれほど大量に魔物を倒すパーティーも居なかろうが。


ダンジョン内では魔石だけの回収になるのでその分運べる量は多くなるから稼ぎたいならダンジョン内の方が良いということになる。

それが一般的な状況というものに違いない。


4人は無事にホームに帰り明日からまたフクラのダンジョンに行く予定である。


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