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第3話 戦い 2

:-:-:-:-:-:-:-:



 戦場が動く。神子を追う側と止める側の攻防が再開される。

 なりふり構わず、捨て身のミルヤを盾にロレンゾが駆ける。『殿』に導かれた亡者の戦士が回り込む。


『……させないッ!』

『がッ!?』

『ごふ……ッ!?』


 亡者たちの饗宴。ミルヤの魔法。放り投げて地にばら撒いていたはずの矢が、突然射出されて戦士たちを狙い撃つ。貫く。


 周りを見渡せば、矢だけではなく、先に斃れた戦士たちの得物をも操りながら、軽やかにダークエルフの亡者が舞う。黒きマナが溢れる。


 武器が舞う。物理的な死の風。


「……くっ! すまぬミルヤッ! 他の者たちも! 必ずや死霊から復元してやるからなッ!」

『逃が……ぐぎゃッ!?』

『ごぁッ!?』


 妖刀の銘にして滅びし一族の秘伝の魔法たる『殿(しんがり)』。


 その効力により、一族の戦士たちは命を喪っても、肉体が壊されても活動できる……とはいっても、あくまで肉体の復元は緩やかであり、大きな損傷を負えば当然に動きは止まる。


 ここにきて、セシリー一行を逃がすための殿(しんがり)であるヴィンスたちを、捨て身のミルヤが足止めするという……逆転の構図ができた。


 彼女はロレンゾを行かせるために残る。ヴィンスたちは敵部隊の指揮官を見す見す取り逃がす。


「……ほほ。命の捨てどころを間違えたのぅ。一度は死んどるようじゃが……まぁ、何にせよちと遅かった。最初から〝ソレ〟をしていれば、わしらをこの場に釘付けにして、部隊の半数は神子殿をすんなりと追えたじゃろうにな」

『……』


 ロレンゾの副官のようなポジションだったダークエルフ。ミルヤの捨て身(本気)


 神聖術なり女神の加護なりの素養のないヴィンスたちですら、今では彼女の周囲に蠢く黒いマナがはっきりと視える。濃密な死と闇の気配。瘴気を生み出しているといっても過言ではないほど。


 だが、もはや遅きに失した感が否めない。ロレンゾは戦場を脱したが、既に部隊としては瓦解している。如何に奥の手があろうとも、彼が単独で追っても、制御の外れた暴力装置たる神子が復調すれば終わりだ。


物語(ゲームシナリオ)〟のような師弟《《対決》》にすらならない可能性。かつての師が一方的に返り討ちに遭う未来が見え隠れしている。


 また、今さらミルヤが懸命に時間を稼いだところで、実のところヴィンスたちに残された時間もそれほどにない。その上、一族の戦士たちはそもそもロレンゾを追えない。散開しての活動ができない。妖刀『殿(しんがり)』を中心とした一定範囲内でしか、亡者の戦士は戦えないという縛りがある。


『……翁。あなただけでも殺す。もはやあなた方も長くは()たないのでしょう?』


 ただ、ミルヤも承知の上だった。


「ほほ。さてさて、どうであろうなぁ?」


 周囲の戦士たち。その肉体の修復が明らかに遅い。斃れて動かない者までいる。いや、もう既に過半数がそんな有様だ。黄泉路を渡るのを渋っていた戦士たちも、とうとう屍兵としても現世に留めれなくなっている。


 ミルヤたち総帥の手の者たちと違うのは、死霊となって彷徨わないところか。


 戦士の英霊は、術の効力にて妖刀『殿』に集う。『殿』の使い手たる長が屍兵(しへい)となった後、その完全なる活動の停止と共に、英霊たちは長と共に現世を去る。その時にこそ本当の意味で黄泉路を逝く。


『……お覚悟を……ッ!!』

「……ほほッ!」


 肉体を保持した亡者とはいえ、ミルヤの身体も徐々に崩れはじめている。濃密な瘴気が術者である彼女自身すら蝕んでいる。器が耐えきれない状態。そんな状態で死の風を操る。四方八方から武器が飛んでくる。


『がぁぁッ!?』

『くそ……ッ!?』

『長を守れ! 攻めは長に任せろ!』

『ごはッ!? く、くそ! 体が……動かねぇ!』


 戦士たちがヴィンスを守るために行動しようとするが……どうにもならない。もやはまともに動ける者も少ない。そして、ミルヤの魔法は甘くもなかった。


『なッ!? お、俺の武器まで……く、くそったれぇッ!!』

『ごふ……ッ……バ、バカな……!』


 彼女の魔法は敵の……ヴィンス一族の戦士たちの持つ得物すら操ろうとする。中には己の得物に決定的に肉体を壊される者も。


「(厄介な魔法じゃのぅ。それだけに惜しい。何故に命と魂を棄てて先手を打たなかったのか……もったいない話じゃ。この魔法を初っ端から放たれていたら、結果は大きく変わっていたじゃろうにな。運不運ではなく……敗因は明らかにお主の判断ミスじゃよ)」


 敵の魔法の影響でカタカタと震えつつ、危険な動きをする『殿』を両の手で抑えながら、ヴィンスは敵である女戦士の批評などを考えていた。


 敵味方も関係なく、今はもう戦うことだけ。


「(……ふむ。ここが戦士としてのわしの最期か。相手に不足はない……ないのだが……欲を言えば、もう少し強き者と存分に戦って散りたかったの。ま、屍兵となった後は……せめて逃した指揮官くらいは始末したいものじゃが……さてどうなることやら……)」


 ヴィンスが思いを馳せるのは自身が死んだ後。屍兵となった後。

『殿』の術者が最後に屍兵化するのは、戦うためではない。妖刀『殿』を一族の者の元へと返却するため。それだけ。そこに個の自我が残るかは不明。また、ヴィンスの認識では既に一族は滅びている。もはや『殿』を受け継ぐ者はいない。エイダに背負わせる気もない。術がどのような効果を及ぼすかが分からない。


 ミルヤの魔法。武具混じりの暴風圏。

 諸々の考えごとをしつつも、その中へと……静かに踏み込んでいくヴィンス。それはまるで無人の荒野を往くが如く。最期の戦い……仕留めるための間合いへ。


『(……この翁ッ! 私の魔法の中を平然と!!)』


 矢が飛んでくる。躱す。剣が回転しながら真上から来る。暴れる『殿』で弾く。斧が、槍が、短剣が、時に籠手なり鎧の破片なりが……吹き荒れる。


 それらを紙一重で躱し、『殿』で弾くなり逸らすなりしながらも、ヴィンスの歩みは止まらない。


 ただし、全てを綺麗に捌けているはずもない。致命傷を……動けなくなるほどの損傷を避けているだけ。現にヴィンスの体には矢が数本突き立っているし、斧が掠めて脇腹が裂かれてもいる。今も短剣が肩に突き立った。


 ただただ、止まらない。


 不帰の歩み。敵を討つことのみ。ヴィンスには、もう帰る道も場所もない。ここが彼の長い長い旅路の果て。


 そのまま彼は歩いて行く。終着点へ。間合いへ。


 ヴィンスはミルヤを斬れる間合いに辿り着いて止まる。


 すると、操られていた武具がバタバタと地に落ちる。


 風が止む。魔法の停止。


「ほほ。なんじゃ、お遊戯会は終わりか?」

『……認めます。貴方は戦士。私などよりも覚悟を持った強き戦士です。……名を聞いても?』


 全身が血化粧の装い。口調ほどに余裕はない。ミルヤの魔法は確実にヴィンスの命を削っていた。ただ、戦士の魂を止めるに至らなかっただけ。


 老齢の戦士。凄まじい妖刀を持つが、その技と覚悟は当人のもの。全盛期には遠く及ばず、錆び付いていた時期も長かったが、それでも尚、ミルヤが単体で止められる相手ではなかった。


 ミルヤとロレンゾは相手の力を見誤ったまま、自分たちの戦力の温存を考えて中途半端に戦端を開いた。挽回する機会はあったのに、覚悟が足りなかった。その結果が今の戦場。


「わしの名はヴィンス。ヒト族の中で生きることを選んだ名も無き滅びし魔族の一人よ」

『戦士ヴィンス。我が名はダークエルフがナーニア氏族のミルヤ。宵闇(よいやみ)の風ミルヤ。お互いの名は、黄泉路を渡る手土産としましょう。戦士ヴィンス。どちらが死んでも、恨みを残すことはないと誓うか?』

「誓おう。欲を言えばやり残したことはあるが……わしに思い遺すことはない。戦士ミルヤよ。いざ……」

『戦士ヴィンスよ。いざ……』


 お互いに構える。

 ヴィンスは妖刀『殿』を杖のように地に突き立てて、両手を柄に置いてどっしりと。

 ミルヤは素手。左腕は折り曲げて引き、右腕を伸ばして前に。拳は握らずのばら手。重心は前。しなやかに。


 死線での一騎打ち。戦士の作法はそれぞれに違うが、やることは同じ。


 沈黙のままに向かい合い……動く。無用なタメや様子見はない。お互いが相手を仕留めるだけ。守りはない。


「……ふッ!!」

『……ッ!!』


 決着は一瞬。


 まるで時間が切り取られたかのような……雷光のような踏み込み。お互いに。


 ミルヤの貫き手が……ヴィンスの胸を貫いて止まっている。致死の一撃。命を狩る(わざ)


 ただ、そんなミルヤの首から上は……《《ない》》。


 彼女の頭部は斬り飛ばされ……今、ぼすっという音と共に草陰に落ちた。


 明らかに初動のしにくい体勢から、ヴィンスの斬撃が疾走(はし)り……向かってくるナーニア氏族の戦士の首を斬った。確かな一撃。


 だが、ミルヤは止まらない。首を斬り飛ばされつつ、体勢の崩れたヴィンスを貫いた。首無騎士(デュラハン)顔負けの挙動。


「戦士ミルヤ……見事じゃ。……首を斬り飛ばすよりも……胸の辺りを狙って体ごと吹き飛ばす方が良かったようじゃな。ほほ……綺麗な勝ちに拘ってしまった……わしの判断ミスじゃな……ごふ……ッ」


 ヴィンスは、自身の胸から生えている戦士の右腕を引き抜く。バランスを崩し倒れゆく首無しミルヤの体を支え、彼は戦士の遺骸をそっと地に寝かせる。


 最後の最期で思わぬ無様を晒したが、それは相手が想定の上を行っただけのこと。


 亡者ではあったが、ミルヤは強き戦士だった。


 ヴィンスの心は晴れやか。自身の納得がいく戦いの果てに死ぬ。それが叶った。


「……ふぅ……これでわしの命も尽きたか……はてさて、屍兵となった後は……どうなるのかのぅ……?」


 妖刀『殿』にマナが集束されていく。一族の戦士たちは、もう完全に停止している。英霊となって長の下へ、『殿』の下へと集う。


 遠い過去に魔族領を追われ、流浪の果てにヒト族の地に安息を得たヴィンス。


 戦士としての最期。


 次に起動するのは、禁術によるただの屍兵。



:-:-:-:-:-:-:-:



 ……

 …………

 ………………



 場所を移し、省エネの神子と冷静な復讐者の対決。ただ、結果だけを見れば対決ですらなかった。


 結局は〝手〟の多い方が、より相手の意表を突いただけ。


 一点特化型では対処できなかった。


 致死の一撃を狙った瞬間……吹き飛ばされ、荘厳な造りの神殿の壁面にめり込むという有様。


 ただ、流石に一点特化型(ファルコナーの戦士)……刹那で攻撃から防御に切り替える。派手に吹き飛んだのは、自ら跳んだ分も含まれていた。


「くは。流石に頑丈だな。その上、まさかあの刹那で、転移を認識して防御に切り替えるとはな……いつの間にか《《至っていた》》ようだな、小僧」


 驚異にして脅威たる人外。

 透き通る金髪に細身の体躯。

 尖った耳。エルフもどき。

 紅い紅い瞳の化生。


 クレア。


 ボスのお出まし。アルからすれば残念なことに〝物語(ゲームシナリオ)〟の様式美として、単独で順番に……という感じにはならなかった。そもそも、アルは主人公でもパーティの一員でもないが……。


「……これはこれは。クレア殿、お久しぶりですね。ここで親玉のお出ましですか?」


 崩れた壁面から身を起こし、軽く埃を払いながらアルはそう応じる。派手に吹き飛ばされたが、見た目ほどにダメージはない。クレアも、今の不意の一撃で命を狩ろうとしたわけでもない。


「くはは。随分と余裕があるな小僧……いや、使徒アルバートよ」

「……(く……何が起きたんだ? いきなりクレア殿が……?)」

「(クレア殿の魔法じゃないな。今のはレアーナの空間転移か……コソコソと鬱陶しい)」


 レアーナの魔法……そのままズバリの『空間転移』。ただし、瞬時に自身が移動できるという類ではなく、事前に設定した座標……場所であったり人物や物体……の付近へ対象を移動させたり、自身の手元に引き戻すという魔法。転移による移送。


 今回はダリルを目指すべき座標とし、クレアをその周辺に跳ばしただけのこと。


 計画の大事なパーツである神子ダリルは、あくまでアルの持つ〝女神の一突き〟対策であり、本気で戦わせる気はクレアにはなかった。ただ、制圧が可能であればそのままダリルで押し切る気ではあったが。


「使徒アルバートよ。お主に何があったかは知らぬが、驚くほどに強くなったようだな。だが、それでもワタシを斃すことはできぬ。その程度はお主とて分かっていよう?」

「……はは。こうして対峙して、改めてクレア殿の底が見えないのは理解できましたよ。ただ……だからどうだと? 悪いけど、僕はクレア殿を斃すこと自体に興味はないんでね」


 揺らめく。アルの感情の昂ぶりに反比例するように、静寂を保ちつつ、マナが、彼の存在が……薄くなっていく。幽鬼の如く。


 その上で周囲に〝死〟の気配が漂う。死と闇の気配、黒きマナ、瘴気……そんなものではない。ただただ危険な存在の放つナニか。


(たわ)け者めが……」


 臨戦態勢となるアルに対して、クレアも静かにマナを練り上げる。総帥の黒きマナではなく、純粋な死と闇の眷属としてのマナ。


 彼女は〝物語(ゲームシナリオ)〟の隠しキャラであり、外法に堕ちる前はこの世界のオリジナル設定である、始祖の可能性を持つという〝古き者〟でもあった。


 外法に堕ちた後は、女神や冥府の王の使徒を取り込み、その記憶から〝外〟の世界すら認識している。


 設定が渋滞している。色々とてんこ盛りの存在。隔絶した力を持つ者。


 現状はお互いがハッキリと目視できる距離。どちらかといえば、アルの得意な間合いではあるが……だからといって、彼がクレアに太刀打ちできるかは微妙なところ。


 しかし、アルはかつてのクレアにあった得体の知れなさ……強制的に闇に引きずり込まれるような……そんな不気味さが薄れているのに気付く。今の彼女には〝嘘〟がつけると……直感的に理解した。


「僕をこうさせたのはレアーナだ。あいつが歯噛みするのであれば、僕はクレア殿の計画とやらを潰す。ま、長い時間をかけて、ゲームストーリーを引っ繰り返そうと必死だったみたいだけどさ。既に〝物語〟からは大きく外れているし、後は各人が望みを叶えるか叶えないかだけのことだろうけどね」

「……げーむすとーりー? 〝物語〟……だと?」


 彼は冷静な復讐者。平静に狂うファルコナー。使えるモノは何でも使う。戦いとは、単純な武力が決め手になるわけでもない。それをアルバート・ファルコナーは知っている。付け入る隙があるなら突くだけ。昆虫どもはともかく、ヒト族もエルフもどきも……所詮はうつろう心を持つ存在(モノ)。言葉一つで惑う。


「あれ? クレア殿は知らないんですか? 僕が異世界からの来訪者だということを。王都にいた頃はそれっぽい態度だった気もするんですけどね。……ま、知らないなら教えてあげますよ。あちこち設定に変更はあるけど、一連の騒動は主人公であるダリルとセシリーの〝物語〟がベースだ。世界はその物語の舞台装置に過ぎない。女神や冥府の王ですらただの駒。はは。女神たちは神を名乗りながら、頭を抑え付けられた中間管理職って話ですよ。必死になって〝物語〟を覆そうとしているみたいですけどね」

「…………」


 王都においてのクレア。思わせ振りな態度、得体の知れない圧力、意味深な台詞を吐いて説明しない……などなど。『安易な黒幕キャラを気取りやがって!』……というアルの反感が、ここに来てムクムクと大きくなっている。


 意趣返し。今度はアルが〝世界の秘密を知る意味深キャラ〟を演じる番。


「……使徒アルバート。貴様は何をどこまで知っている?」


 案の定、クレアに生じる疑問。彼女の中の研究者としての一面に好奇心が湧く。湧いてきてしまう。また、それが口先だけであっても、神々のこととなれば、亡者の依り代としても看過できない。


「くく。さてね。女神や冥府の王はこの世界を愛しているらしいですよ? 〝物語〟のままだと、この世界に不完全に顕現させられる、この世界に傷を付けてしまうと嘆き憂いているのだと……()()にいる女神のメッセンジャーが語ってましたけど?」


 そう言いつつ、アルは軽く指をさす。神子ダリルを。


「……(! アル殿はエラルドに気付いたのか!?)」

『一度きりとはいえ、女神の力を持つが故の感知……?』


 意識の中でダリルとエラルドに動揺が走る。


 当然にクレアも訝しむ。ほんの僅か……一瞬だけ気が逸れる。


 アルは戦いの中で当然に気付いた。痛感した。


 神子の操る白きマナは洒落にならない。未遂に終わった先ほどの一撃も、実のところ片腕を失う覚悟だった。


 如何に桁外れの人外であるクレアであっても、死と闇、生と光という反属性である以上、神子ダリルと正面からやり合ってただで済むはずもない。だからこそ操っているのだろうと理解もした。


 女神のメッセンジャー? エラルドの存在?


 デタラメ。方便。クレアの感知すら潜り抜けるエラルドの存在を、アルが知り得るはずもない。


 単にそれっぽいことを口にしただけ。


 クレアの気をほんの僅かでも逸らせれば御の字という程度のこと。


 それは功を奏した。


 刹那。


 持てる力の全てを懸けてアルが踏み込む。


 引き延ばされた時間。まるで水の中にいるように緩慢にしか動けない……そんな認識だけが先行した世界にあっても、クレアは瞬時に立て直す。


 闇色のマナの障壁が、風になびくカーテンのように展開し、間合いへの敵の侵入を阻む。


 ……が、その障壁は無意味。


 アルの狙いは別。クレアに非ず。





 吹き飛んだのは神子ダリル。





:-:-:-:-:-:-:-:

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