木の棒も案外役に立つ?
和也が女神のいる空間から光に飲み込まれてどこに行ったかと言うと、森の中で倒れていた。
「うぅ…また光に飲み込まれたと思ったら、今度は微妙な高さから放り投げて来たよ。体感的にはほんの数分だけ意識が失っていた気がするけど」
和也の言う通り、森についてから意識を失っていた。
だけど意識を失っていてのは数分ではなく、数十分であった。
和也はまだ知らないが、この森には危険な魔物や動物がいる。
そんな中で、数十分意識を失って襲われずに済んだのは不幸中の幸いであった。
「さてと、まずはこの森?の中から抜け出さないとだな。そして、街から村を見つけたい」
そう言って、近くの木の棒を拾った。
「さて、どっちの方角を向くかな〜」
和也はその木の棒を先端を抑えたまま垂直に立てると、持っていた先端から手を離した。
「おっ!俺から見たら右に傾いたから東の方角になるのかな?とりあえず、これに従って行くか〜」
ここに来てからまだ一時間も満たしてないので、この世界の方角や知識に乏しい和也。
そこで自分を中心にして右側が東になるので、木の棒が右に傾いた事により一時的に東として進む事にした。
「くそ…進んだのはいいけど、辺りの景色が同じ過ぎてちゃんと進めているのか心配になって来たな」
進み始めてから一時間が経過した。
ずっと真っ直ぐに進んだ来たが、未だに街や村に遭遇できない事に不安になってきた和也。
なので、一旦休憩をして思い出したステータスを見る事にした。
「えっーと、ステータスオープンと言えば出てくるのかな?」
そう言うと、和也の目の前に何が表示された。
『 名前 倉崎 和也 男
HP:100
MP:50
スキル
創造 複製 解析鑑定 分解 言語理解
女神の加護
———
称号
異世界から転移してきた者 』
「おぉ…なんと言うか、これは凄いな」
和也は、目の前に出てきたステータスプレートを目にして驚いていた。
そして、一つ一つ確認して行く事にした。
「えっーと、HPとMPはどっちもまだ低いな…これだと、敵に遭遇してもすぐ死ぬ未来がみえる。それにMPが少な過ぎてスキル使えなくね…」
和也の言う通り女神から貰ったスキルは、どれもMPの消費が激しい。
これは一刻も早くMPを上げないといけないと思った和也は、進んだ中で小型のモブを倒していこうと思った。
そして、また歩き出した。
休憩した場所から二十分が経ち現状はと言うと…
ある程度のステータスは上がったと言えるだろう。
ここまで来るのにモブ(うさぎ・ねずみ)と小型のを集中的に狙ったのでHPは減らず、そしてMPも使わずに近くにあった石などで倒していた。
「ふぅ〜。いくら敵でも、うさぎを倒すのは少し辛いな…」
元の世界では、うさぎは飼育して可愛がる。
この世界では、うさぎは小型魔物として狩られ、そして食べられる。
「さてと、この調子でどんどん進んで行くぞ!」
気分を切り替えて、さらに進んでいくと初めての分かれ道に着いた。
ここまで木の棒の向きに従って来たが、この分かれ道は直感で行こうと考えた和也。
「よし、左だな!」
そうして左に進んだ和也だったが、進むに連れて道が入り組んでいき、この道の終着点の小川に到着した。
「おいおい、まじかよ…」
だが、そこには大きな熊が水を飲んでいたのであった。
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