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変な幼馴染  作者: 猫の集会
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お祭り

 琴美は、とっても鈍感だ。

 なら、思いっきり楽しもう。

 

 

「おっす、ベロンギ!」

 琴美が今日もきた。

「おお、ルテシィア」

「誰よ。ルテシィアってさー」

「それは、オレが考えた空想の妖怪」

「やだー。妖怪かよ‼︎」

「だってベロンギも妖怪なんだろ。おあいこ

 じゃん」

「う〜ん…」

 

 琴美は、いつも人の名前を変な名前で呼ぶ

 くせに自分は、なんか嫌っぽい。

 でも、いいんだ。これで‼︎

 だってルテシィアを反対から読むと…。

 

 

「ねぇ、小太郎。」

「ん?」

「今日勉強ごっこしない?」

「それ、ごっこつけなくてよくない?」

「いいじゃん。なんかそっちの方が昔遊んだ

 時みたいになってさ。楽しくなるじゃん」

「ふーん。そう?」

「うん。じゃ小太郎は、先生役ね。でね、さっきこの問題解いてたんだけど、ぜんっぜん、ほどけないわけ」

 ほどけない?

 とけないだろ…

 

「あー、琴美。ここ前もできなかったやつ。

 これは、こうしてこう。」

「うわー、正解‼︎」

「なんだよ、それ。」

「いや、だって答えはみたから知ってたの。

 でも、解き方わかんなかったから」

「そっか。で、他にもわかんない所あんの?

 教えるよ。」

「わーい。なら、このページ全部」

「おまえ…」

「ウソ。あとは、ここだけ」

「ここは、こう」

「ほー。ほー」

 フクロウか‼︎

 マジメに聞け‼︎

 

 

「で、もうわからない所ない?」

「うん!ありがとう。小太郎」

 にっこりする琴美。

 このにっこり顔がかわいいんだよなぁ。

 ずっと見てたいなー。

 

 

 そしてお祭りの日

「予言通り晴れたね」

「うん」

 予報な。

 

 琴美は、浴衣を着てきた。

 髪型もいつもと違くてなんかいいな。

「琴美かわいいね」

「まぁ、当たり前さ」

 なんで当たり前なんだよ…


「小太郎さんだってかわいいわよ〜」

「オネェしゃべりやめて。」

「え、そんな照れなくても」

「いや、照れてない」

「そうなの?でも今日のテーマは、オネェな

 のよ⁈」

「テーマとかいらねー」

「そっか。残念」

 残念がるな!

 

 

 お祭りは、人がたくさんいる。

「ねぇ、琴美」

「んー?」

「人たくさんではぐれそうだから手繋がない

 ?」

「もぉ〜、そんな事言って本当は、私と手繋

 ぎたいんだな!」

「まあな」

「えっそうなの?」

「うん」

「なら、早くいいなよ〜。テーマ決まってた

 んじゃん」

「テーマ⁇」

「うん。幼稚園生ごっこね」

 別にごっこ遊びしたいんじゃないですけど。

 ま、いいか。

 

 

 お祭りの移動の間ずっと手を繋いでいた。

 最近よく手繋いでんな。

 このままいい感じに持っていけるかな⁉︎

 でも、相手琴美だから手強いな…

 

 そして花火を堪能した。

 たくさん食べてお腹も満足。

 ヨーヨーも取れたし。

 でも、琴美の事だからぱくに一撃でヨーヨ

 ー割られちゃうんだろうな。

 

 

 帰り道

「花火きれーだったねー」

「うん。」

「特に猫のやつ可愛かったね!」

「あー、花火も進化したよなー」

「うん!写メ撮りたかったな。猫のとかハー

 トのとか」

「たしかに」

「でも、不意打ちされたからな」

 不意打ちっていうのかな…

 

 

 少し歩いてひと気が少なくなった頃…

 突然止まってオレの手を握り目をつぶる琴

 美。

 今は、歩いてないしゲームしてないよな。

 これは…

 まさかのいきなり琴美からのお誘い⁇

 

 

 

 いいのか?

 オレは、琴美の前に立った。

 いいんだよな⁇

 合図なんだよな?

 あと数センチってところでいきなり琴美が

 目を開けた。



「うわっ、小太郎‼︎」

「なんで急に目あけたんだよ‼︎」

「えっ、だってカーニバルが終わったから」

「カーニバル⁉︎」

「うん。スズムシたちがリンリーンって今鳴

 いてたじゃん。それが終わったから目あけ

 たの。でも、なんで小太郎目の前にいたの

 ⁇」

「え、それはさ…」

「びっくり大成功だけどさ、そんな嫌がらせ

 やめてよ。」



 どっちがびっくり大成功だよ。

 こっちがびっくりしたわ。

 

「なんで琴美今オレの手握ったの?」

「だって…カーニバルきいてるあいだに小太

 郎がどっかいっちゃったらやじゃん?」

「なるほど…ってか、行かねーよ」

「なら、よかった」

 

 リーンリーン

 

「小太郎!カーニバル再開‼︎小太郎も目つぶ

 ってきく?」

「いや、オレは大丈夫」

「そ?なら行くよ!夜も更けてまいりまし

 たわ。走りましょうよ」

 誰だよ…

 

 

 こうしてまた勘違いのまま夜が更けていく

 のでした。

 

 

 続く。

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