ん⁉︎
今日は、休日。
いつも通り平和である。
あ〜あ、もう一眠りするか。
すると、下から琴美の声がする。
「え〜っ、ウソー‼︎」
「でも猫だから」
「おばちゃん!呑気すぎるよ‼︎だから息子も
あんなんなんだよ」
どんなんだよ‼︎
ってか、朝からなんだよ…
すると、琴美が階段を上がってきた。
「大変‼︎見ちゃった‼︎」
「何を?」
「奥さんが‼︎あの奥さんが別の男の子供を」
「えっ⁉︎奥さんって誰?」
「お母さんだよ」
「は?うちの母ちゃん⁇」
「あんた、ちーの子供だったのかよ⁉︎」
「えっ?ちー?」
「そう。ちーが赤ちゃん産んだみたい。でさ、
ぱくもちーも真っ白なのに三匹中一匹だけ
茶トラなわけ‼︎」
「なんだよ。猫の話かよ…焦ったよ」
「私も焦ったよ。小太郎がちーのことオレの母ちゃんなんて言い出すから」
「いや、そんなこと言ってない…」
「マジ⁇」
「マジ」
「ならよかった…ってよくないさ!ちーの旦那さん誰だよ‼︎」
「んー、わかんねーな。」
「そんなんだから、そんなんなんだよ」
「?どんなんだよ…」
「もう‼︎呑気な親子め!とりあえずパクには
黙っておくか…困ったな。裸足のパクさん
どぎもを抜かれる」
「なんだよそれ」
「わからん」
「ちょっと、ちーに聞いてみるか。パクにもなんかちーの様子最近どうだったか聞いてこなきゃ。忙しい一日になりそうだ。」
ってか、琴美…
よっぽど暇すぎんだろ…
ま、いいか。
そして一時間後…
「おう、琴美。謎は解決したか?」
「ううん。未解決のままだ」
「この一時間何してたんだよ?」
「近所の猫に事情調査。でも何言ってるか、
わかんなくてさ…」
「だろうね。パソコンで検索してみたら?」
「いいねー」
早速パソコン検索。
二人でパソコンを覗き込む。
「ふむふむ」
「猫の世界って人間と結構ちがうんだね…」
「うん」
「特に毛の量…耳の位置とか」
「そこかよ‼︎」
一応検索のおかげで少し猫の世界を理解し
たであろう琴美。
「今日は、長い一日だったわ…おやすみなさ
い。」
オレの布団でスヤスヤ眠る琴美。
まだ午前中ですけど…⁈
ガバッ。
「あら、私ったらいつのまにか人様のお布団
に。ごめんあそばせ」
「いや、いつものことだろ」
「あぁ、たしかに」
少しボーっとした後…
「いけない‼︎出産祝い買わなきゃ」
「えっ…ってか何買うの⁇」
「またたび風味の猫じゃらし!あれぱくが大
好きで」
「ぱくに買うのかよ⁉︎」
「もちろんちーにもなんか、またたび系買うよ」
とりあえずまたたびは、外せないようだ。
「私ね、結婚について真剣に考えてみたの。
ってか、今夢みてさ」
「うん。それで?」
「で、みとこさんっていう苗字の人と結婚し
なきゃって」
「みとこさん?誰⁇」
「私も検索中」
「えっ⁇どういう事?」
「だって上から読んでも下から読んでも、
みとこことみになるじゃん」
「え…それって本当に真剣に考えたの?」
「うん。ノートにまで書いてさ夢で」
「結婚ってそういう問題じゃなくない?」
「まぢ⁇」
「ま‼︎ぢ‼︎だ‼︎」
… … …
「ってかさ、小太郎はいつ桃太郎になるの?」
「ずっとならねーよ」
「乙ー」
「おつじゃねーわ」
「じゃ、私人生相談してる場合じゃないから
帰るね」
いや、相談してないってかされてもない…
後日
琴美からたくさんのまたたびグッズをプレゼントされたちーであった。
学校でヒソヒソ琴美が話しかけてきた。
「またたびどうでした?」
「あんなにたくさんありがとな」
「いえ… … で⁉︎」
「ん?」
「えっ、ちーから聞いてない?」
「聞いてないってか、言われてもわからん」
「そっかー、伝言したんだけどな…」
「で、何⁇」
「またたび、またたびたびおくりますね。小太郎にお伝えくださいって言ったんだけど …」
うん。絶対オレに届かない…
ってか、伝言ゲームかよ⁉︎
それとも早口言葉なわけ⁈
「あ、そういえば琴美もうすぐ誕生日じゃん。
何が欲しい?」
「んーとねー…キスの反対かなぁ〜。またいつでもキスあげるからね」
キスの反対…⁉︎
スキ⁉︎ ⁉︎ ⁉︎
「何学校でそんな事…」
「え?なんで学校じゃ話しちゃダメなの?」
「そりゃだめだろー…」
「そうなの?小太郎キス好きだもんね。わか
った。なら秘密にしよ!欲張りさん」
「ちょっと‼︎誤解されるから‼︎」
「わかったよ!もー食いしん坊。ってか、み
んなわざわざ横取りしにこないよ」
もー、琴美〜。やめてー…
学校でそんな質問するんじゃなかったぜ…
でも、キスの反対って…
スキ⁉︎
続く。