落とし物ありがとう大作戦!!の結果‥‥‥。
ご覧いただき、ありがとうございます。
「『デートに誘われた』?良かったじゃない。健。」
「いや、まあ、良かったはよかったんだろうけどな‥‥‥。」
「『けどな』って、何が不満なのよ。」
放課後、教室で俺は愛華に『落とし物ありがとう大作戦』の結果を話した。
「別人みたいだったんだよ。天乃が。」
「ああ、なんか言っていたわね。どんなとこがそう思ったの?」
「どんなとこがと言われても困るんだが‥‥‥、天使が堕天していた的な?」
「いつも思うんだけど、あんたのその『天使・姫川天乃信仰』キモい。」
「ひどくないか!?」
「んで?堕天って、そんなにひどいの?」
「無視かよ!!少しは俺の言うことに反応してくれよ!!悪魔!!」
「質問のときだけしか言葉を発さないで。殴りたくなるから。」
うおっと、愛華が俺のこと、虫を見るような目で見てきたー。
わーい!めちゃくちゃ凹むぜー!!
「で、どうなの?」
「ああ。なんか天乃らしくなく強引だったんだよな。一人で喋るし。俺の話聞かないし。」
「えっ、やばい人じゃん。強引、一人で喋る、話を聞かないって。」
いつも不敵な愛華ねえさんも引いてるし‥‥‥。
「そうなんだよ。もう面影もないんだよな‥‥‥。天乃、どうしたんだ‥‥‥?」
自分の椅子の上で足を抱えた俺はうつむいた。
「ふ〜ん。‥‥‥あんたはさ、どう、すんの‥‥‥?」
愛華はぽつりと呟くように行った。
「え、どうするったって‥‥‥。」
「姫川さんが、本当に別人になってしまったら?」
「‥‥‥天乃は天乃だ。ちょっと変わったぐらいで、嫌いになんてなれない‥‥‥。」
「そう。あんたは‥‥‥、待つ、のね‥‥‥。」
「愛華‥‥‥?」
あまりにも寂しい声で驚いて、思わず顔を上げた。
顔を上げた先で、俺は驚いてしまった。
紅く染まった頬、キラキラと煌く目、そして何より、
「ねえ、健、もし姫川さんが本当に姫川さんじゃなくなったとき、わ、私と__、」
「ばばーん!!涼風 桃、参上!!って、あれ‥‥‥。」
「ひえっ!?」
元気にジャンプして楽しげな、涼風に。
「ごめんね‥‥‥。二人は幼馴染だったから、そういう‥‥‥。幼馴染と、教室でふたりきり‥‥‥。うん。いいと思うけど、変なプレイを学校でしないでね。」
「ちげーよ!!馬鹿!!服は一切乱れてないだろ!?」
「ふ〜ん。なるほどなるほど‥‥‥。服は、ね‥‥‥。」
「何想像してるんだ!?お前本当に女子なのか!?恥じらいってもんをしれよ!!高校生!!」
っていうか、なんでこいつ、俺たちが幼馴染って知ってやがる!?こえーよ。
やっぱりこいつ、敵に回したくない‥‥‥。
「にしても愛華。何言おうとしたんだ?」
「あっ、いや、別に!!ただ『およめに』、い、いや!!やっぱりなんでもない!!」
若干汗ばんでるけど‥‥‥。大丈夫か?こいつ‥‥‥。
本当に何を言おうとしていたんだ‥‥‥?
アワアワだったのに涼風をみて、愛華は気を取り直したかのようにニコリと笑った。
「えっと、涼風さんって言うんだよね?こんにちは。私は、」
出た。愛華の猫かぶり。
人様に対してはおしとやかなのに、なんで俺に対しては『殴る』だの『キモい』だの乱暴な言葉しか出てこないんだ‥‥‥?
まあ、この猫かぶり愛華が来たら男女ともに愛華に騙されてしまって‥‥‥。
「白雪 愛華でしょ?知ってるよ。僕は1−Eの涼風 桃。あとその表面的な笑顔嫌い。」
騙されないやつがいる!?
愛華が保育園、小学校、中学校と築き上げてきたこの技が!?
「えっ‥‥‥。」
どうするんだ‥‥‥、涼風‥‥‥。
固まってしまったぞ!?愛華が!!
「僕さ、白雪さんとは表面だけの付き合いはしたくないんだ。素で仲良くなりたい。だからそんな顔、見たくないんだ。」
「っ!?」
すげーな。涼風。
愛華の猫かぶりを見破るなんて。
しかもなんかイケメンだし!!
かっけー!!
ここで涼風が愛華にアゴクイしたら、愛華、落ちちまうんじゃないのか?
「だから、これから仲良くしてね!よろしく!!白雪さん!いや、愛華!!」
はにかみ上目遣いで涼風に見られた愛華は、
「う、うん。」
勢いにのせられて、なんかデレてる‥‥‥。
普段はあんまりでこんな風にデレないのに‥‥‥。
完全にこいつ、落ちたな。涼風に‥‥‥。
あの愛華が、な‥‥‥。
愛華の心の壁は分厚いかと思っていたが‥‥‥。
やっぱり涼風の観察眼は他のやつとは一味違うな‥‥‥。
「で、友だちになったところで、愛華。こんな教室でイケメン君と何してたの?」
「べ、別に!?涼風さん、じゃなかった、桃には関係ないでしょ!?」
「えー?そんなこといって、あんなことやこんなことをしてたりしてー?」
「してないっ!!」
あー、うん。
仲がいいことはいいことだ。うん。
昔からの友達みたいで、うん、いいと思う。
二人とも可愛いし、目の保養になるわ。
でもな、俺をおいてかないでほしい!!
なんかいい感じの雰囲気になってるけど、俺はなんで解説役とか何なんだよ!?
それに、二人ともコミュ力高くね!?
なんでそんなに早く友達になれんの!?
親友感出せんの!?
まあ、何が言いたいかって言うと、
__置いてきぼりで悲しかったのに二人だけ楽しそうでずるい!!俺も混ぜろ!!!
「な、なあ‥‥‥。涼風‥‥‥、何しにここまで来たんだ?」
そして、ついに我慢できなくなった俺は涼風に尋ねた。
「あ、忘れてた。噂の美少女ちゃんと友達になれてつい‥‥‥。」
マジかよ‥‥‥。
忘れんなよ‥‥‥、用事。
いちゃつき過ぎてるからだろ‥‥‥。
俺も混ぜろよ!!!
「ほ、褒めても、何もでないからっ!!」
「わーい!!愛華照れてるー!!可愛いー!!」
愛かと涼風が再びイチャイチャしだした。
おい!!
「だから!!なんで!!きたんだよ!!さっきから話脱線し過ぎなんだよ!!」
そう叫ぶ、涼風が俺の方をじっと見た。
「あー、うん。ちょっと君に聞きたいことがあって。」
「俺に、か?」
ちょっと言いづらそうにしながらそう彼女は言った。
「うん。イケメン君。君に。」
「何なんだよ。」
「ねえ。『姫川 天乃』。彼女について知っていることを話して。」
ボクっ娘可愛いですね‥‥‥。
ですが!!ボクっ娘もいいですが!!やっぱり愛華が可愛い!!(個人的見解)
皆さん誰推しでしょうか‥‥‥?
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