落とし物ありがとう大作戦!!開始!!
見ていただきありがとうございます。
えーっと
「1−Eってここだよな?」
お、同じ一年生の教室‥‥‥、だよな?
なのに、なんでなんでなんで!!!
「こんなにも教室豪華なんだよ!?」
中を覗いてみると壁がキレイすぎるし、机とか椅子も大きくて新品で、教室自体もでかいし!!
いやいや、なんでこんなに一年の間でも差があるんだよ!?
不公平すぎじゃね!?
「あ、あれ。佐久間くんじゃない?」
「あっ、ホントだ〜。かっこいい〜。」
しかもチラチラこっち見てくる奴らいるし!!
怖っ!!1−E!!
ええい!!怖気づくな!!
佐久間 健一郎!!
「‥‥‥スミマセン。姫川天乃さんいらっしゃいます?」
小声で、教室に入ろうとしているショートカットの可愛い女子生徒に話しかけた。うつむきながら。
笑いたきゃ笑えよ!!!!
昔の話し方に戻った俺を!!
女子は一軍に入った今でも苦手なんだよ!!
話術は『猿にでもイケメンになれちゃう♡どきどき話術!!』という、人をバカにしたような本でなんとかした。
したけど女子は怖すぎていつもあの本を読む前に戻ってしまう!!
っていうか切羽詰まりすぎだろ俺!!
どちくしょう!!
なんで女子に話しかけた?!周りに女子しかいなかったからだよ!!!バカ!!
「ああ。あのお姫様なら、今教室にいるよ。呼んでこよっか?」
「ヨ、ヨロシク‥‥‥。」
ああああああーーーーーーーーーー!!
ガチ無理無理無理無理!!!!!
女子怖い!!
だめだ!!女子恐怖症が出てきてしまっている!!
この手汗!!どうすれば!?!?
見られたらキモってなるよね!?なるよね!?
あーーーーーーーーーーーー!!!!
愛華連れてくればよかった!!!!!
そしたら応対させるのに!!!
あいつなら小さい頃からいるため問題ナッシングなのに!!!!!!
ホント無理!!!!!女子怖い!!!!!!
「ねえ、お姫様連れてくる前にさ、一つ教えてよ。」
「ハイ。何デショウ‥‥‥。」
「君もあのお姫様狙いなの?」
ひえーーーーーーーー!?!?
ど、どう答えればよろしくて!?
まあ、狙いっちゃ狙いだけど!!
「え、えっと‥‥‥。」
怖すぎて何にも答えられねー!!!
ど、どうする!?俺!?
「なーんてね。冗談だよ。ごめんねー?嫌な質問しちゃって。」
「ア‥‥‥。ハイ‥‥‥。ダイジョウブ、デス‥‥‥。」
「あのお姫様は入学してすぐから色んなイケメンを引っ掛けてくるから君もそうなのかな〜?っていう好奇心からつい。許してよ。ね?佐久間 健一郎くん?」
「あれ‥‥‥?俺の名前‥‥‥。」
言っていないのに!?
なぜ!?
「いやー、僕、人の名前と顔、覚えるの得意なんだ。一応全校生徒覚えたよ。」
「一応‥‥‥!?」
いや性能ぶっ壊れすぎだろ!?
高校の全校生徒何人いると思って!?
ここ私立の進学校だからそれなりにいるのに!?
「まあまあ。あ、今お姫様呼んでくるから待ってて。ごめんねー?余計な話しちゃって。」
「ダ、ダイジョウブ。」
な、なんかあいつに秘密を知られたら俺、終わりそうな気がする。
「あ、僕の名前言うの忘れてた、僕は涼風 桃。よろしく。」
「ア、アア。ヨロシク。」
「じゃ。」
それだけいうと、その子__、涼風は教室の中に入っていった。
なんか‥‥‥、台風みたいな子だったな‥‥‥。
じゃなくて!!
い、今から、ついにまともに天乃と話せるんだ!!
まず筆箱を拾ってくれたお礼を言う。
次に俺が『健』だという。
最後にこれからもよろしくしよう的に言って、あわよくばデートに誘う‥‥‥。
これぞ『落とし物ありがとう大作戦』!!
おっけい!!!
いける!いけるぞ!!
天乃は絶対、あの中学の時の天使な性格から変わってない!!
その上文学少女のように可愛かったあの容姿に磨きがかかったとなれば、他の男が黙ってない!!
だがしかし!!
天乃をいただくのは俺だ!!
フハハハハ!!!
「あ、あの‥‥‥。」
「っ!!」
ついに来た!!
天乃だ!!
「あの‥‥‥佐久間さん、ですよね。どうしてこちらに?もしかして、この間のことについて?」
「ああ。」
やっぱり分からない、か‥‥‥。俺のこと。
「あのな、天乃。俺だ。伊織 健一郎だ。」
俺の前の名前を天乃に伝えた。
「えっ‥‥‥?佐久間さんじゃなくて?」
えっ?
最後までお付き合いいただきありがとうございます!!
『落とし物ありがとう大作戦』‥‥‥、自分で大作戦とかいっている時点で失敗しそうです(笑)