人生ハードモードで辛い‥‥。(誰か助けて!!)
‥‥まずい!!副会長にバレたら終わりだぞ!?涼風ももう少し長く‥‥、いや、これが限界か。元々五分とは言われていたんだ。怪しまれないようにここまでしてくれた涼風には頭が上がらない。
だが、どうするどうするどうする!?
ぐちゃぐちゃになる思考回路で正解らしい正解を見つけた。
‥‥この方法怖いな。
でも、このままじゃ、駄目だ。千陽ちゃんの介護に一生懸命あたる黄瀬さんの身体はボロボロだ。殴られた痕だと思われる痣が痛々しい。どこもかしこも腫れている。これ以上副会長の側に置いておいたら黄瀬さんが死んでしまう。
俺だったらずっと『痛い!!!』って叫んでいるだろうに、彼女は唇を噛み締めて必死に千陽ちゃんを落ち着かせようとしている。そんな彼女を俺は見捨てるのか?クラスメイトの酷い現状を無視するのか?自分の胸元を掴んで深呼吸した。
__いや、そんなことはできない!!
‥‥大丈夫だ。俺。きっと、なんとかなる。
頑張れ!俺!
激しい足音が近づく。時間はない!
「黄瀬さん。いいか。落ち着いて聞け!まずは千陽ちゃんを天井裏に隠して!そして、黄瀬さんも一緒に隠れろ!」
「さ、佐久間っちはどうするの!?」
「俺は後から行くから心配するな!そんなことより、次の手筈だが向こうの部屋に行ったら、まずは俺の妹に電話してくれ。電話は千陽ちゃんが握りしめているスマホからかけてくれ。名前は『妹』になっているはずだから分かる!!そしたら、碧音が、俺の妹が警察に電話してくれはずだから。できれば逃げてほしいが無理そうなら安全そうな部屋に隠れていてくれ!」
‥‥俺は、今、笑えているだろうか。苦笑になっていないだろうか。
勿論、俺が後から逃げるなんて、嘘だ。俺にはまだやるべきことがある。
「分かった。」
俺の考えが分かっているかどうか分からなかったが、一瞬だけ見た黄瀬さんの歪んだ表情で俺を見る黄瀬さんに、そういえばこの人、賢かったと思い出した。そんなことを思っていると、踵を返した黄瀬さんが踏み台になりそうなものを持って千陽ちゃんを天井裏に押し込もうとしていた。
あちらは大丈夫だろう。そう思った俺はこの部屋唯一の扉の前に立ちはだかった。外では鍵特有のあのガチャガチャした解錠音がしている。
その音に、俺はドアノブを握って体重を使って押した。
『っ!?何故開かない!?』
向こう側で焦った声を出す副会長らしき人に嘲笑ってしまった。
それをわざとらしく外に漏れるように『いひひ』と嗤うと、(状況から見て)副会長の引いた声が聞こえる。失敬な。でもまあ、隣の部屋に彼女たちが移ろうとしていることをバレてはいけないから、煽っておくことにした。
そう、俺は彼女たちのために少しでも長い時間を稼がなければならない。
隣の部屋に黄瀬さんたちが移動していることがバレたら、副会長が簡単に隣の部屋に入ってしまうかもしれないから俺はこの部屋の扉の前にひきつけて置かなければならない。なんというハードなゲーム。人生ハードモードなんて上手い言葉誰がつくったんだろうな。溜息しか出ない。
副会長だって警察呼んだら自分も危ないことは分かっているからそんなマネはしないだろうし、まあ、殺されもしない‥‥、ことは祈るしかない。なんせ黄瀬さん相手にあそこまでしたのだ。死ぬことは少し覚悟しておいたほうがいいかもしれな、あ、ちょ、お腹が痛い‥‥。
っと、ふざけている場合じゃなかったな。どんどんと体当りするような音に俺は口を開いた。
「すんませ〜ん。副会長さ〜ん。イケメンは立入禁止なんですよ〜。」
『貴様っ!?誰だ!?おい!結月!?ふざけるなよ!!後でどうなるか分かっているんだろうな!?』
その小心者のような副会長の言葉に呆れて笑い声も出なくなってしまった。
情けなすぎるだろう。あの学校でのクールそうなキャラどこやったんだ?俺じゃなくて身内のか弱い女性を脅さなきゃ威厳を保てないやつなんて。
「えっと、黄瀬さんの身柄はこちらにありま〜す!返してほしかったらこの扉を強制突破してくださ〜い。」
『おい!お前!!覚悟できているんだろうな!?』
「覚悟ぉ?出来ているに決まっているだろ?」
嘘です出来ていません助けて。
そう言いたかった。しかし黄瀬さんに見栄を張った以上、ここから動くことはできない。これからは俺の演技力にかかっているのだ。そう易易と動けるものか!
『お前じゃねーよ!』
「へ?」
副会長の言葉に間抜けな声を出してしまった。俺じゃない?じゃあ、この場面で誰に言っているんだ‥‥?副会長って異能力者だったりするのか!?
『結月!聞こえているんだろ!?お前、この後どうなってもいいのか?』
唖然とした。扉越しに聞こえてくるくぐもった声に一瞬呆けて、ドアノブを握る手を緩ませてしまった。
これが俺を驚かせて一瞬力を抜く瞬間のうちに扉を突破しようとする相手の策略なら大当たりだ。
だが、実際は俺の力を抜いた瞬間に大して大きな力がかからなかった。そのことからやつが本気で言っていることを知った。
‥‥は?
いやいやいや。まじでどうなっているんだ!?どうして黄瀬さんにここまで訴えかける!?
黄瀬さんが自分のことを助けてくれそうな人を見捨てようとする薄情者とでもいいたいのか!?‥‥それとも、黄瀬さんが屈してしまうほどの散々な暴力をしてきたのか?こいつは。
「‥‥な。」
『何か言ったか?』
「‥‥んな。」
『‥‥?』
「ふざけんなよ!!てめえ!!」
逆に俺が押し返すほどの体当たりを扉にあてた。
最後までお読みいただきありがとうございます!むこうみず太郎です!
最近、小説を投稿していることを知っている友人に口止めしていたにも関わらず、他の知人にそのことを勝手に言いふらしていたので絶交しようか悩んでいるむこうみず太郎です☆(大事なことなので2回言いました)
(閑話休題)
【感謝】
さて、そろそろ第一章も終わりに近づいています。(とずっと言っていますね‥‥)
今年もそろそろ終わりですし、色々なものが終わっていきます。
そんな中でも楽しく元気な物語をお送りできたら嬉しいです。
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