妹の友達はトテモ‥‥‥、イイコデス。(はい!ダウト!!)
引き続きありがとうございます。新キャラ二人です。
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向かい合わせにテーブルに着席した少女は認めたくはないが華やかな美少女であった。
だが、碧音と比べてお転婆そうというか明らかにウェイウェイしていて、クール系美少女の碧音と友達どころか知り合いと言っても誰もが驚くだろう。
しかしウェイウェイしているといっても、黄瀬さんとはまた違った雰囲気がある。違いの一つとして提示できるのは黄瀬さんは無害で、目の前の少女は違うということだ。
そんな少女は俺をまっすぐ見たかと思ったら恥じるように下を向き、肩を震わした。
「だ、ダメ‥‥‥。あ、碧音のお兄さんんんんんん!」
「‥‥‥一応聞いておこう。何がダメなんだ?」
「だ、だってそんな‥‥‥。んん!!そ、そんな顔されたら‥‥‥。」
「されたら?」
「‥‥‥笑いが止まんないに決まっているじゃないですか!真面目な顔しておかしいの!!プププッ!!!」
「はあ‥‥‥。」
笑いをせきとめておこうとして失敗して、それを咳ごんだり下向いたりして隠そうとしていたヤツがついに本性を表した。
「お、お久しぶりです。碧音のお兄さ、ププッ。」
「お前‥‥‥。相変わらずだな。日夏‥‥‥。」
「そろそろ碧音と永遠のお別れをする決心がつきましたか?」
「なんで俺が碧音と別れなきゃいけないんだよ‥‥‥。」
久々に我が家に日夏に会ったのだが‥‥‥。
久しぶりに会う人の顔見て笑うとかどういう神経しているんだよ。こいつ。しかもさりげなく、いやがっつりと俺と碧音の仲を切り裂こうとしているし‥‥‥。
__はあ‥‥‥。
__昨日、碧音へのなんとか説得が終わり、碧音様が黄瀬さんの妹さんのことについて妹の友達である日夏にかけあってくれてなんとか日夏に話を聞くチャンスがもらえた。ありがたや‥‥‥。
と、思っていたんだが‥‥‥、日夏と会ったことを若干後悔している。久々に会うとよりウザさが際立っている気がする。
「冗談ですよ冗談‥‥‥、フッ。」
「おい、冗談になってないぞ?普通に笑っているぞ?しかも鼻で笑うとかもうわざとだろ。やっぱり俺のこと嫌いだろ。おい?日夏?」
「‥‥‥おにい。おちつき‥‥‥、たりない。」
「俺なのかよ!?落ち着きがないの!!」
「ん。ひーちゃん‥‥‥。ばっちり‥‥‥、ある。」
百歩譲って日夏が落ち着いているとしたら、俺は無音レベルだぞ!?
でもまあ、碧音には勝てない。
‥‥‥理不尽を感じないわけではないのだがな。
「それで碧音のお兄さん?碧音に聞きましたよ?ついにへ・ん・た・いになっちゃったって。ひーちゃんは、まあ、ずっと知っていましたけどね。お兄さんがへ・ん・た・い♡ってね?」
「俺は変態じゃねーよ!」
「えー?ひーちゃん、びしばし感じちゃうんだけどな〜?お兄さんがドのつく変態だって。」
「なんて失礼なやつだ。いいか?俺は決して妹よりも年下の女の子には興味ない。分かったか?」
「あ〜、なるほど‥‥‥ロリコンではない。そう主張したいわけですね?」
「ああ。日夏に『黄瀬』という女の子の話を聞きたいのは俺の同級生でその子の姉である黄瀬 結月さんから相談を受けたからだ。やましいことなど一つもない。」
「なるほどなるほど‥‥‥。確かにお兄さんが情報を求めていた『黄瀬ちゃん』は姉が一人いるという話をしていましたし、そのお姉さんが碧音のお兄さんと同じ高校で同級生であることも聞きました。辻褄はあっていますね。」
「だろ?だから、断じて俺はロリコンじゃない!」
「そうですね。ロリコンではありませんね?」
一応、ロリコンのレッテルを貼られることを防いでおくために言っておいたんだが‥‥‥。
__おかしい。
日夏が俺の言う言葉に素直に賛成するなんて。しかもニコニコしながら。
おかしい‥‥‥、というよりコワイ。
俺が何度こいつにやられてきたと思って‥‥‥!!
‥‥‥絶対に何か企んでいる。
「ですが。」
「で、ですが?」
「妹より、を強調しつつ主張しているということは碧音をそーゆー意味でみているということでファイナルアンサー?」
「ぶっ。」
「やっだあ。きったなーい。吹き出すなんて〜。まあ、存在自体あれですもんね。」
「‥‥‥おにい。それは、ちょっと‥‥‥。‥‥‥おんなのこの、まえ、だよ?‥‥‥ひーちゃん、かわいそう。」
‥‥‥俺は日夏の精神攻撃により100のダメージを受けた。
‥‥‥俺は妹の発言により100億のダメージを受けた。
じゃない!!
おい!日夏!!ちょっと、いや大分ビックリしすぎて吹き出したじゃないか!それに!!仮に思っていたとしても妹の前で言えるか!!そんなこと。
だが、そんなことは言えない‥‥‥。
だって妹と妹の友達が俺のことを汚らわしいものを見る目で俺を見るんだぞ‥‥‥!?
言えるか!?『妹をそんなやらしい目で見たこと無い』って!!
言った瞬間、(あー、必死に隠しているんだねはいはいはい。)って思われるだろうが!!
しょうがない。ここは俺の腕の見せどころだ。
こうやって日夏がからかってきたときは‥‥‥、こうだ!!
「なあ、兄にお前もそんなこと思われているなんてイヤだろう?日夏に一言言ってやれよ。ヤダって。」
日夏は碧音になついているからこう言えば『‥‥‥確かに。』とか言って日夏をたしなめてくれるはずだ!!
碧音に対しては素直だからな!!あの憎き日夏も!!ふはははは!!俺の勝ちだ!!まあ?これが?年の功ってやつですね(誇)
どうだ!!日夏!!
‥‥‥そう、思っていた、俺。
「‥‥‥(ぽっ)」
「ええ!?」
__碧音が顔を赤らめた。
いや、なんでそこで顔を赤らめる!?違うぞ!?兄ちゃんは妹をそんな目で見たことなんか一回もないぞ!?
「あれあれ〜?碧音は嫌じゃないみたいですね〜?かわいい〜!お兄さん?どうです?碧音の据え膳なんて?」
「しねえよ!っていうかそれ兄妹のうちでそれやったらアウトだからな!?」
「ええ〜?じゃあ、ひーちゃんが代わりに据え膳させてあげますよ〜?」
「だからしねえって!!っていうかお前の据え膳のほうがもっと嫌だわ!」
「えー?据え膳しないなんて碧音のお兄さん、まさか‥‥‥、Eでぃ、むぎゅっ!?」
「お前は一回黙れ。」
「ふぃふぁ、ふぃーふぁふぇふぉ、ふぉふぎーふぁんふぃふふぇふえふぁふぇふぁふふぁいふぇふぇふぉっふぃふぇふぉふぃふぃふふぇふへほへ(いや、ひーちゃんもお兄さんに据え膳させたくないんで別にどっちいいんですけどね。)」
日夏の口を強制的に塞ぎながらため息をつく。
ったく‥‥‥。こいつと関わるとロクな目に合わない‥‥‥。
いや、ロクな目にしか合わないが正解か。
こんなやつの近くにいるから碧音がどんどん汚れていっているような気がするし。
「で?教えてくれるのか?お前の後輩について。」
話を聞くために日夏の口を塞ぐのをやめた。
‥‥‥大分苛ついているから本当はずっと口を封じていたかったが。
「けほけほ‥‥‥。あー、もー、苦しかったあー!! まあ、‥‥‥別にいいですけど。でも私が言えるのは本人が公表していることだけですよ?いくら碧音のお兄さんだからって勝手に個人情報を教えるのは無理です。彼女のプライバシーに反するので。」
「例えば何が話せる。」
「身長とか好きな食べ物とかですかね?」
「あ〜、そういうのはいい。」
あんまし今回の件に関係ないしな。それは。
「じゃあ、何が知りたいんですか?」
「あー、雰囲気?とか。あと最近の様子とか?」
「ふ〜ん?」
散々言っているが、俺はこいつとあまり関わりたくない。
その理由はずっと言っている通り、からかってくるっていうのもある。
だが、もう一つの理由としてあるのが‥‥‥、察しが良すぎるのだ。日夏は。今のように。
碧音が日夏と友だちになって家に持ち帰ったときに偶然あったときから、彼女の異常な察し能力と‥‥‥、あとその見透かすような目が怖い。
年上が情けないと思われても怖いものは怖いんだよ。
その恐ろしい日夏がじいっとこちらを見ている。最悪だ。なんで俺はこんなことをしているんだ?ため息を再び吐きながら頭を手で掻く。
日夏を我が家に読んだ時点で詰みだ詰み!!
とにかく誤魔化さないと。
お前の後輩虐待されているみたいだぞー、なんては黄瀬さんの家のプライバシーに関わるしな。黄瀬さんの妹も先輩に知られたくないだろうし。
日夏もそこら辺考えているなら、俺の方もそれ考えているっていうのを配慮してほしい‥‥‥。はあ‥‥‥。
何か自然な言い訳がないか少し考えた後、口を開く。
ええい!一か八かだ!!
「黄瀬さんから依頼が来たんだ。妹が同じ中学に通っているっていうのを知って、様子を見てほしいっ、」
「ダウト。」
「っ!?」
「嘘ですよね?お兄さん?」
早すぎないか!?分かるの!!クソッ!
「‥‥‥何を言っているんだ?う、嘘なんてついてないぞ。大体、お前に嘘をついて俺にいいことなんて、」
「はい。ダウトです。今の言葉も、さっきの言葉も。もー、嘘、つかないでくださいよ。お兄さんと話してもイジる楽しさしか見当たらないんでー。」
‥‥‥なーんで!!なんで分かるんだよ!!こいつ!!
しかも地味にうざい。
「大体嘘をつくときの特徴、丸見えなんですよ。お兄さん。」
「特徴?」
「はい。呼吸が深くなっていますし、こっちをずっと見ている。それに嘘つきの顔ですよ。今のお兄さん。」
「‥‥‥。」
無意識だったんだが‥‥‥。っていうか嘘つきの顔って俺今どんな顔なんだよ?っていうか、表情じゃなくて顔って言うところに悪意を感じる。こいつ‥‥‥。
「ちゃんと事情を話してくれないとこっちだって何も言えません。さあ、話してください。」
さっきまでプークスクスとかやっていたくせに今は無の感情しかなくてその落差に顔が引きつりそうだ。
流石に察しが良すぎないか‥‥‥?
でも勝手に虐待の話とかはできないしな‥‥‥。
「‥‥‥ひーちゃん。」
「碧音?どうしたの?ひーちゃんと一緒に問い詰めてくれるの?この嘘つきを。」
え、碧音まで?参戦?ひっ!やめてくれ!キツイ!それは流石にキツイ!!
「‥‥‥ひーちゃん、もう‥‥‥、いいんじゃ‥‥‥。」
「え?碧音何言っているの?」
「‥‥‥お、おにいには、おにいの‥‥‥、‥‥‥その、『じじょう』って‥‥‥、あ、あるんじゃ‥‥‥、ない、かな‥‥‥?」
「何?碧音はお兄さんの味方なの?」
「‥‥‥ん。」
いつも仲のいい二人が険悪ムードすぎてビビるし、いつも日夏側に立つ碧音が今日は俺の方に立つことにも驚きを隠せない。
碧音‥‥‥?どうしたんだ?
「わ‥‥‥、わたし、は。わたしは、おにいの、みかた。‥‥‥だって。」
ピーンポーン
碧音が必死に何かを言っているときに無機質な音が家いっぱいに鳴り響いた。インターホンの音だ。
「お客さんか?」
「あ、やっと来たかぁ〜。。」
そう呟く日夏に俺は問う。
「やっと来たか、ってことは日夏が呼んだのか?」
「そうで〜す!早く出てあげてください。あの子のほうがお兄さんの聞きたいことを聞けると思いますよ?碧音もごめんね〜?ちょっとからかってみたくなっちゃったんだ〜。テヘ?」
「‥‥‥むう。‥‥‥ひーちゃん、もう、しらない‥‥‥。」
「あーん。ごめんってー!」
はあ‥‥‥。滅茶苦茶ドキドキした‥‥‥。バレるかと思った‥‥‥。
理由は知らんが何はともあれ黄瀬さんの妹さんの名誉が守れてよかった‥‥‥。
未だにバクバクする心臓を抑えながら玄関の方へ向かう。
拗ねた碧音とそれをなだめている日夏をみるに二人の仲がこれでねじれるってこともなさそうだし安心した。
あの二人の仲を壊したら流石に目覚めが悪い。
さて、客って誰だよ。日夏め。勝手に呼びやがって。
ここは俺の家であってアイツの家じゃないんだけどな‥‥‥。
そう思いながらガチャッと玄関のドアを開けると、そこには‥‥‥、
「‥‥‥え。あ、あの‥‥‥、ここってひーちゃん先輩、あ、いやえっと‥‥‥、ひ、日夏さんのお家であっていますか?」
ふるふる震えながら俺に尋ねた、年下っぽそうな女の子がいた。見た目もおとなしめで、なんというか‥‥‥、小動物?だな。そんな感じだ、な‥‥‥。
日夏にこんな知り合いがいるなんてな。俺は意外になった。
いやだってさ‥‥‥。俺が前に会った日夏の知り合いはちょっと‥‥‥、ヤバ目だった。死ぬかと思った。
本気で碧音に友達をやめさせようか悩んだほどだった。
まあそれはさておき、尋ねられた内容から日夏が呼んだ子であることは明らかだが‥‥‥、って、どこがお前のうちだよ日夏!!アイツな‥‥‥。
「ここは日夏の家ではないが日夏はいるぞ。それで、君が誰か聞いてもいいかい?」
「あ、あう‥‥‥。千陽は千陽です。」
「は、はあ‥‥‥。チヨ、さん‥‥‥。」
ええっと‥‥‥、この女の子が千陽ってこと、だよな‥‥‥?
「も〜、お兄さんおっそいですぅ〜。って黄瀬ちゃんじゃん!遅かったね!!」
そんなとき後ろから日夏がやってきた。その様子を見て、チヨさん?という女の子が目を輝かした。
「あ!ひーちゃん先輩!!」
え?黄瀬ちゃん?‥‥‥ということは?
「この子が黄瀬 千陽ちゃん。先輩の知りたかった子ですよ。お兄さん。」
最後までお読みいただきありがとうございます。今回も省エネあとがきで。
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