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初恋の女の子が逆ハーを形成しながら俺に迫ってくるのは何で!?  作者: むこうみず太郎
第二部 人畜無害系ギャルさん。
20/42

深まる闇のチョコレート。

引き続きよろしくお願いします。

昨日はあまり寝れなかった。


天乃が俺のことを嫌いになった。



そして、俺も天乃のことが嫌いになりそうで‥‥‥。



そんなことをグルグルと考えていたらいつの間にか朝になっていた。



グチグチ考えていてもしょうがない!!






と、考えることを後回しにし学校に行く準備をして、小学校から習慣になった愛華のお迎えをしていたハズ、

デシタヨネ‥‥‥?












「あの‥‥‥、愛華さん?」


「何?健。」


「いやはやその‥‥‥。何故、その‥‥‥、がっちりホールドされているんですか?俺くんは。」


「そんなことどうだっていいじゃん。」




【悲報】幼馴染と登校していたら、いきなり抱きつかれる。⇒そのことがなかったかのように話を続ける幼馴染。




「そんなことよりも!?俺の言うことをお前は常々無視するよな!?おい!!話を少しでも聞いてくれよどちくしょう!!」




いや、でもこのままでもいいな‥‥‥。


抱きついてくるということは、程よく肉づき始めた幼馴染の柔らかい()()()()を感じる。



ふむ‥‥‥。よきかなよきかな‥‥‥。




「はあ?健に虫さんが付いちゃったらどう処理するつもり?ちゃんと守っているから安心しなさいよ!」


「は?虫?」




無視だけに?‥‥‥おお。寒い。




「別に虫がついたなら捕まえてそこら辺に放してやればいいだろ?それに守るって大袈裟な‥‥‥。どうせお前が抱きついたところでよってくる虫はいるだろ?」




流石に冷たい目線がわかっているのに寒いダジャレなんて言えなくて、適当に返答した。



まあ、ただの世間話だし、愛華だしそんなに気をつけなくても‥‥‥。




「‥‥‥なるほど。確かに。殺さない限りは永遠に湧いてくるわね。」





‥‥‥気を使わなくてもいい筈、だよな?


俺たちがさっきまで話していた内容は世間話‥‥‥、だよな?


俺たちはデスゲームに参加しているわけではない、よな‥‥‥。




なんで愛華さんからは殺気を感じられるんだ‥‥‥?



え、怖っ!待って!俺何にも悪いこと言ってないよな?!



ちょっと、いやかなり無様に震える足を叱咤激励してどうにか震えが止まった頃に、ある事実を思い出し再び足が振るえた。




このままでは不味い。愛華に告げなければ。俺!!勇気を持て!!




「あのさ。」


「何?今、考え事しているの。邪魔しないで。」


「あ、いや‥‥‥。その‥‥‥。」


あ、駄目。怖い。


「何?」


「そろそろ‥‥‥。」


『さっさと言え』と言わんばかりの圧力に屈した。


『圧力なんかに負けんな!!』なんて俺の内なる声は瞬殺だった。まあ、どうせ言わなきゃいけなかったし。




皆さんに質問です。


登校中の俺は抱きつかれ、身動きが取れなかった。つまり、登校できていない。そんな状態で長時間話していたらどうなるでしょうか。




__キーンコーンカーンコーン






正解は、


__遅刻したあああああああああああああ!!!!!!!!






*****


「お疲れ様。遅刻なんて入学してから一日たりともしていなかったのにどうしたんだい?」


「おい。」


「ああ、このお菓子?健が好きなチョコレートだよ。食べさせてあげよっか?」


「‥‥‥おい。」


「ほら、あ~んしてあげるから口を‥‥‥。」


「何でお前が俺の席にいるんだよ!涼風!!」







あの後、愛華を引きずってどうにか学校の中に入ったがギリギリアウトだった。



先生は普通に心配してた、らしい。


だが、愛華が放してくれなかったため抱きついたまま登校したせいで先生は『白雪と佐久間が何かいかがわしいことをしていたため遅くなった』と誤解した。


そのため、滅茶苦茶怒られた。


愛華は普段の優等生っぷりが発揮されて免除。俺だけが怒られた。理不尽すぎる。そもそも遅刻の原因あいつだし!!




そうやって理不尽を乗り越えた先は不可解だった。


何故かうちのクラスに馴染んだ様子の涼風(あいつって別クラスだったよな?)が座る席には大量のチョコレートがあった。俺の好きなメーカーの。



いや何故知ってるし。


しかも俺が入学して以来遅刻したことがなかったって何故知っているし。




‥‥‥涼風は『プライバシー』って言葉、知ってんのかな?




ジト目で涼風を見ていると、彼女はクスッと笑い、再び俺にチョコを差し出してきた。‥‥‥口元に。




「はい。あ〜ん。」


「まだ言うか!」


「イケメン君が食べない限りはずっと付きまとうからね?」


「‥‥‥。」




やべえ‥‥‥。


顔は笑っていても目の奥が笑っていないぞ‥‥‥。涼風‥‥‥。



ガチでする気だ‥‥‥。




「いや‥‥‥、俺は‥‥‥。」



涼風ほどの美少女にこんなことをしてもらえるなんて、中学の時には思いもつかない。


これが陽キャ‥‥‥?



いや、絶対に違うだろ!!これ!!




なんか周りの圧も強いし怖いし!!


そのせいで食べたくても食べられな、コホン、涼風が放置プレイになって可哀想だ。



‥‥‥別に『あ〜ん』してほしいわけじゃない。



「ほら、あ〜ん、して?」



う、涼風。何お前、下から覗き込む角度でこられたら、照れるというかなんというか、あざと可愛いな‥‥‥。


案外白い手(まあ、お嬢様らしいしそりゃそうか。)の先にあるチョコレートに、思わず口が引き寄せられる。



ま、まあ、殺されるわけじゃないし、こんな機会そうそうあるわけじゃないし、涼風だってこう言っているわけだし‥‥‥。涼風しつこいし‥‥‥。



べ、別に可愛い女の子に『あーん』してほしいわけじゃないしな!うん!





じゃ、じゃあ、いっただーきまー、








__パシッ。



「は?」




コロコロと転がる音がやけに教室に響いた。



どうやら、さっきの音で教室中が静まり返ったようだ。


そして、教室の目線を一身に浴びた殺気立った彼女へ目線を向けた。




「あ、愛華‥‥‥?」




何が、起こった‥‥‥?




「白雪、さん‥‥‥?」


クラスメイトの困惑したような声で、一気に思考が働く。



何故か痛い自分の頬。紅潮している涼風の手。そして、転がっているチョコレート。



愛華がいきなり俺たちの間に入って、涼風の手を叩いた?チョコレートがその勢いで落ちたようだ。その過程で俺の頬に愛華の爪が当たった?


愛華、が‥‥‥?



「ふうん。」


意味ありげに微笑む涼風の手を取る。



「っ!!大丈夫か!?涼風。」


「あー、大丈夫大丈夫。」


俺の手から離れ、ひらひらと振る手は痛々しい。



「おいっ!愛華!!なんでこんなこと!!」


「あ、ごめんね‥‥‥。健。血、出てる‥‥‥。腫れて、ない‥‥‥?」



いつも勝ち気で素直じゃない愛華が珍しくしょんぼりとしていて、言葉に詰まってしまう。



「いや、まあ、俺は大丈夫だが‥‥‥。」


「まあ、当然よね。健だから。ふんっ。」



うわ‥‥‥。こいつ、俺が大丈夫といった瞬間にいつもどおりになりやがった。


もう少ししょぼくれていたら可愛げがあるのにな‥‥‥。



「あら〜、お二人の世界って感じでいいですな〜。」



と涼風が愛華に叩かれた手をほっぺに当ててニヤニヤしていた。



あれ?愛華、涼風に謝ってなくないか?


忘れているだけか。



一応、教えておいたほうがいいな。



折角、愛華が心を開きはじめている相手なんだ。遺恨をその相手である涼風に残させたくはない。



なんでこんなことをしたのかわからんが、『虫がついてた』とかしょうもない理由だろうしな。




「愛華、ちゃんと涼風に謝れよ。俺にじゃなくて。」


「は?なんで?」




‥‥‥?意識せずに叩いたってことか?



「いや、だってお前が涼風の手を叩いたんだろ?」


「こんな人、叩かれて当然じゃない。」


「な、何言っているんだよ。愛華。」


「だってさ、健に触ろうとしたんだよ?()()()。」


「こ、この女って‥‥‥。会ったばっかとはいえ、友達だろう?」


「友達?私の友達は健しかいない。」


「お前、そんな小さい頃みたいに言ったって、もう生きていけないんだぞ?」


「それなら、消えちゃったほうがマシ。」



初めは冗談だって思っていた。



でも、話すうちに嫌でもわかる。


つまり、愛華は友達の涼風が俺に触れようとしたことが気に食わず、怪我させたって、こと、か‥‥‥?



俺以外(涼風は除く)の前では決して素顔を見せず、優等生な愛華が、暴力を嫌う愛華が?



暴力を、振るった?




「はあ‥‥‥。イケメン君はわかってないな〜。オトメゴコロってやつ。」


「お、オトメゴコロ?」



涼風のため息とともに乗せられる声に素っ頓狂な声になってしまう。



いや、程遠くないか‥‥‥?今の話からは。




「そんなんだから駄目なんだよ‥‥‥。まったく。もういいよ。僕が愛華と話をつけておくから、君は保健室で処置してもらいな?」


「じゃあ、涼風も一緒に。」


「だー。聞こえなかったの?僕は、愛華に話があるんだ!さあ、ギャラリーも散った散った。あと少しで授業が始まるよ〜。」



涼風の鶴の一声で、固唾をのんで見守っていったクラスメイトたちもガヤガヤともとの賑わいを取り戻していった。



「私にはあなたに話なんて‥‥‥。」


「まあ、そんなこと言わずに、さ?」




不満げな愛華をどこかへと引っ張っていく涼風は俺の方を向いて言った。




「ほら、イケメン君。その名前が変わる前に早く保健室へ行きな。」


「あ、はい‥‥‥。」




俺、当事者だよな‥‥‥?



なんだろう‥‥‥。この疎外感‥‥‥。






***





「失礼します。」


「あら?どうしたの!?そんな傷!」



保健室に入ると柔らかなソプラノが聞こえてくる。


その声の主はゆったりと振り返り、大人びた表情を子供のように驚いた顔へと変えた。


豊かな髪をサイドダウンにし、その身には白衣をつけ、特徴としては目尻にあるホクロがあげられる。





保健室の育緑(いくみ)先生。別名保健室のお母さん。



お読みいただきありがとうございます。


新キャラ登場+愛華さんの闇深しでしたね!今回!!


一応Twitterの方ではストーリーが進むみたいなことを言っていましたが、新キャラ登場の方になってしまいました。すみません。



【今作の制作過程】


最初のむこうみず太郎;「最近シリアス多い!!シリアス多すぎ!!シリアス嫌い!!面白くしてえ!!」


旧むこうみず太郎:「いや、そろそろ新キャラ出さないと、話的にヤバい‥‥‥。前回を経ての愛華の変わりようも書きたいし!!」


最後のむこうみず太郎:「やったー!新キャラと愛華出そうとしてシリアスになったー!!おもしろ要素ほぼ無いー!わーい!!」


というわけでした。


【お礼】


Twitterにて、「いいね」や「RT」をしてくださる方、ありがとうございます!!自分からは何もしないという我儘なやつですが引き続きよろしくおねがいします。そろそろフォローかいいねかなんかはしようと思っていますが何すればいいかわかりません!!ひゃっほー!!



【宣伝】


○Twitterしてます。@oresanjodaです。見る余裕が超絶ある方はどうぞ。暇つぶしに。


○ブックマークや評価をしていただけると、更新頻度が高くなったり、Twitterの更新頻度が高くなったり、あとは、ええっと、‥‥‥やったー!!!!!!!!!!!!!!!って筆者が叫びます。喜びの舞を踊ります。やった!!!!!!!!!!!!!!

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