知らないあの子。
引き続き、ありがとうございます!!
「乙女ゲームってわかる?」
「いや‥‥‥、あんまり。」
ゲームが詳しいってよりかはアニメとかラノベをよく読んでいるからな‥‥‥。
いや、でも字面だけは見たことあるような‥‥‥?
「ギャルゲーは分かるわよね?」
と、愛華が尋ねた。
「ああ。女子を攻略する恋愛ゲームだろ?」
「それを男性として考えればいいのよ。」
「なるほど‥‥‥。」
さすが愛華さん。説明がお上手で。
‥‥‥あれ?なんで詳しいんだ?愛華。
乙女ゲームって、男を攻略するもんだろ?まさか愛華さん。やって、た、り‥‥‥。
おい、待て待て待て!?
この世界がその『乙女ゲーム』とやらだ!?
お、男を攻略する!?
「攻略する男って、まさか‥‥‥。」
まあ、確かに、だから、なのかもしれないな‥‥‥、天乃に熱心なのも。
俺も天乃の魅力がゲームの補正とやらのものではないと信じたいのだが‥‥‥、でも、やっぱりそういうのもあるのかもしれない‥‥‥。
「そう、攻略対象は、佐久間、」
「生徒会長サマか!?」
「「‥‥‥え?」」
さく、ま‥‥‥?
「あれ‥‥‥、佐久間ってやつ、俺以外でいたっけ?」
「あんたよ!!佐久間って!!」
「うええええええ!?」
俺、確かに、かっこい‥‥‥、あ、すみません、違います!!調子に乗っていました!!
確かに一軍に入れるぐらいは努力したつもりだが、
いや、でも、
「俺、モブだろ!?」
明らかに俺はモブキャラだろ!?
取り柄なんてなにもないし!!
「もうこのバカは放っておきましょう。話が進まないわ。天乃ちゃ、‥‥‥いえ、姫川さん。」
「‥‥‥うん。」
俺の扱い方がひどい件について。
「そんなことよりも、私のそのゲーム上での話を教えてほしいのだけれども?」
そう言う愛華に、天乃は少し顔を歪めた。
「あなた、私のノートを勝手に見たんだから知っているでしょう?悪役令嬢よ。『白雪 愛華』は。」
「‥‥‥は?悪役令嬢?」
悪役+令嬢?
なんだそれは??
俺が首を傾げていると、ため息を付きながら愛華センセーが教えてくれた。
「乙女ゲームの悪役のことをそう呼ぶの。」
「ええっ!?ってことは、愛華がその乙女ゲーム?とやらの悪役なのか!?」
‥‥‥まじか。
なんえ、なんて、なんて、
「お似合いすぎるだろ!!愛華に!!」
「殺す。あんたを殺すわ。準備はよろしい?」
「さーせんした。どうか、その拳お納めくださいませ。」
俺が冗談を言った途端に愛華は拳を固く握りしめていて‥‥‥。
ブルブルブル‥‥‥。
「だから!!この光景がおかしいの!!」
と、いきなり天乃が言い出した。
「何がおかしいんだ?」
「なんで、あんたと『白雪 愛華』が仲いいの!?おかしい、おかしい!!ゲームではもっと仲悪そうで、険悪そうで。」
いや、仲悪いのも険悪なのも同じ意味なのだが‥‥・。
っていうか、天乃はなんでそんなこと‥‥‥、ああ、そういえばさっき天乃が『ここは乙女ゲームの世界だ!!』って言って、思い込んでたな‥‥‥。
いや、そんなわけないだろ‥‥‥。ラノベじゃあるまいし。
きっと、遅れた厨二病が来たんだろう。
あるよな‥‥‥。そういう時期。
俺は胡散臭い話をする天乃に現実的な話を言い放った。
「でもな、天乃。俺たちは現実世界にいるんだぜ?」
「‥‥‥信じてないでしょ。」
当たり前じゃん。
と言いたかったがそれを言ったが最後、絶交されそうな気がするので別の言葉で語りかけることにした。
「もし、お前がゲームの世界と思っていても、あくまでも似ているだけでここは現実だ。」
訳)ゲームの世界??馬鹿言っているんじゃねーよ。
「‥‥‥。」
だが、その言葉を聞いた天乃が黙ってしまった。
「お、おい‥‥‥?天乃‥‥‥?」
黙っていた彼女が、少し悲し気に言った。
「天乃‥‥‥。違うの。あたし、『姫川 天乃』じゃないの。」
「「えっ‥‥‥?」」
どういうことだ!?
いや、お前明らかに天乃だろ!?
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最近、肩と首がやけに凝ってきて疲れてきます。これって、どうして‥‥‥?何故むこうみず(作者)の体は疲れてくるのだ‥‥‥?誰か‥‥‥!!誰か教えて!!まだ、むこうみず(作者)は若いんだから!!なんとか治る方法があるはず!!誰か!!あと、やる気の出し方も!!
【閑話休題】
今回は天乃さんの正体へ迫るシーンがかけましたが、やっとスタートライン手前まで来れた気がします。
愛華さん、まさかの悪役令嬢と言われていましたが、こんな可愛い悪役令嬢ならむこうみず(作者)は何周も彼女を見るためだけにしそうです‥‥‥。(キモすぎ)