混乱×混乱=?
引き続き読んで下さり、ありがとうございます!
「早く読みなさいよ。」
「佐久間さん‥‥‥、読まないで‥‥‥。お願いです!!」
え〜、どっちも必死な顔なんだが‥‥‥。
俺はこのノートをどうすればいいんだ?
「佐久間さん‥‥‥。」
そういって、上目遣いに俺を見る天乃を見て決めた。
「天乃‥‥‥。そう、だよな‥‥‥。勝手にノートを読むのは悪いことだ。」
「佐久間さん‥‥‥!!ありがとうございます!」
「健‥‥‥?」
「そうだよ‥‥‥、天乃は俺に大事なことを今教えてくれた。」
「えへへ‥‥‥。それでは、私にノートを‥‥‥。」
愛華は呆れた顔をしていたが、天乃は俺の言い分に嬉しそうに笑って、俺の手にあるノートを返してもらおうとした。
「え‥‥‥?」
しかし、俺は、渡さなかった。
正確には天乃の背では届かない高さまでノートを持ち上げた。
「な、何を‥‥‥!?」
「天乃、俺、思ったんだ。」
「はい‥‥‥?」
「悪いことしてでも人の秘密ってしりたいよな。」
うんうん。
人の秘密ってそう知れるもんじゃないし。
「‥‥‥!?ふざけないでください!!プライバシーの侵害です!!」
「まあ、普通の内容なら、俺も素直に返す。だがな、愛華が『絶対に読め』といった。愛華がここまでいわせるなにかがあるなら、話は別だ。」
愛華は俺以外の人に関しては優しい。
今回ノートの中身を見たのだって、落ちているノートを見つけて天乃か生徒会長サマのどっちかの落とし物だと思い、そのどちらのものか判別するために見たのだろう。
しかし、それを俺に見せようとしたということは、多少天乃に非道なことをしてもいいから見せなければならないと愛華が判別したのだろう。
俺は愛華を信頼している。
「さて、天乃。選べ。このノートの中身について吐くか、俺に読まれるか、それとも愛華からこのノートについて話してもらうか。さあ、どれがいい?」
‥‥‥我ながら酷い。
だが、俺もなるべくは勝手にノートを開きたくない。
まだ知られる内容を選択できる『自分で話す』が勝手に全部を見られる『ノートを読まれる』よりかはダメージが少ないだろうしな。
「〜〜っ!?」
ぎりっと歯を噛んだ音がした。
その音を立てたのは鬼の形相をした天乃だった。
‥‥‥え?
「なんなのよ!?あんたたち!!おかしい‥‥‥!!おかしい!!こんなはずじゃなかったのに!!」
「‥‥‥話す気がないんだな?じゃあ、読ませていただこうか。」
冷静に話してはいるが大混乱だ。
え?マジ?本当にあの天使な天乃さん!?
あの柔らかい口調に優しい笑みを浮かべ、時々どきつい毒舌をするときもあるがそれはあくまでも親しみを持たせるためで、普段は相手を気遣う話し方、労る目、可愛らしい表情を浮かべ、いつもニコニコ!!その声までもが可愛いあの!?!?
別人!!!!!!
「‥‥‥話すわ。話すから返してちょうだい。」
いやどうせ返したら帰るだろ‥‥‥?
混乱の中、ツッコむことで冷静さを得‥‥、られなかった!!
うえええええええええ!?!?天乃!?!?!?!?!?!?!
「話し終わったら返してやろう。」
「くそムカつく。」
予想通りだったらしく、睨んできた。
天乃が荒々しい‥‥‥。
怖いよ!?!?!?!?!?!?!?
「では早速、話してもらおうか?」
ニコリと混乱をバレないように笑った。
笑うといえば、天乃のあの笑い方、いつも同じように見えてちょっとづつ違っていて、まず共通点といいえば、まず可愛いこと、そして美しいこと‥‥‥ect。
「はあ‥‥‥、まだ話す方がまし、よね‥‥‥。鬼畜め。いいわ。話す。話したらちゃんと返してよね。ノート。」
鬼畜め‥‥‥、って。
天使・天乃がそんな汚い言葉を使うなんて‥‥‥!?
もう、もう、俺‥‥‥‥‥‥‥っっっ!!!!!(涙)
そんな‥‥‥。
う、裏切られた‥‥‥。
推しの熱愛報道を見た気持ちになってしまった‥‥‥。
「ねえ、わかった。」
「わ、分かった‥‥‥。」
あ、あれ‥‥‥?
い、いつの間にか返事をしてしまっていた‥‥‥。
ショックすぎて‥‥‥。
「それじゃあ、話すわね。」
「おう。」
しっかりしろ!俺、大事な話をされるんだぞ!?
「この世界は、乙女ゲームなのよ。」
「‥‥‥は?」
???????????????
‥‥‥ごめん、俺。しっかりできないわ。
最後までお読みいただき、ありがとうございます!!
今回の話は前の話の一週間後に投稿の予定でした‥‥‥、が、諸事情により2日後に投稿しました!!
だからしょうがないですよね!!うん!!
本当は諸事情じゃなくて、早く投稿したくなってうずうずしちゃったわけじゃないですから、全然オッケーですよね!!
‥‥‥違いますからね!?
Twitter始めました。
『むこうみず@初恋の女の子が逆ハーを形成しながら俺に迫ってくるのは何で!?』というアカウントです。
興味がお有りのようでしたらぜひぜひ。