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出発?

「うーん…。」

国王達は会議をしていた。

国王、ヒアリ、大臣達、兵士隊長みなが揃っていた。

勇者のステータスの全ては、勇者召喚の書に記される。

だが、その記されたステータスには、〈十六夜 大我Lv1 HP2 ATK1 DEF1 SPD1 MP1 特殊能力HP2 パッシブスキル 不幸体質〉


「勇者ってこんな生まれてきた赤ちゃん並みにステータスが弱いのか…いや彼だからか…。」

国王は頭を抱えていた。

「まっまぁ、レベルが1なんだからみんな最初はこんなもんでしょう。それよりもまずはレベルを上げてもらうことにしませんか?」

ヒアリの提案に一同は頷いた。

と、その時!

「ヒ、ヒアリ様あぁぁぁぁぁ。大至急勇者様の元へ行ってください!死にました!」

1人の兵士が会議の場に慌てて入ってきた。

そして、ヒアリは兵士の言葉を聞き、兵士と共に勇者の元へと向かっていた。

「一体何が起きたの!?まさか、城の中に魔物が出たの?」

ヒアリは走りながら兵士へと聞いた。

「いえ、それが、まず我々と一緒に訓練したいと言ったので練習用の木剣を渡したんですが、手を離したらまるで鉄の剣を持っているように転んで、その後立った瞬間、雀が飛んできてお腹に直撃しました。」

まさに、最弱勇者だ。

まさか木剣まで持てないとは、いったい何なら持てるのだろうか。

あきれながらも兵士達の訓練場へ辿り着き、人だかりの先には棺桶が落ちていた。

「ほらみんなどいて、蘇生〈バーミール〉」

光に包まれて勇者が復活した。


「いやぁ、わりぃわりぃ。中々剣の扱いって難しいんだな。」

手で頭をかきながら、大我は笑っていた。


「勇者様、ちょっとよろしいですか?どうぞこちらへ。」

ヒアリの声は少し怒りが出てるのか震えていた。


そして、着いた先にあったのは小型の武器が沢山並んだいわゆる武器庫と思われる場所だった。

「少し、そう少し持ち上げて使えそうな武器を探してくださいな。回復が使える私がいるからって油断しないでくださいね。私にもMPがありますから。」

ヒアリが強めにそう言うと、勇者は1つずつちゃんと持てる武器を探し始めた。

探すこと1時間、ようやく見つけたのはまさかの果物ナイフ。

「よっしゃ!俺の冒険のお供はお前に決めた!」

そう言って、大我が果物ナイフを回しながら上に投げた。

「勇者様何投げてるんですか!?不幸体質なの忘れてるんですか!?」

ヒアリがふと後ろを振り返ってそう言ってる時にはもう遅かった。

「あっ。」

シュッという音と共に、勇者の手を果物ナイフが切った。

本来であればかすり傷で済むのだが、なにぶんこの大我のHPは2なので一撃が致命傷である。

「うぅっ。」

うなり声と主に大我は瀕死状態に陥っていた。

「ほんっとにこの勇者はもう!回復〈ヒーラ〉」

そして勇者は回復した。


「いやぁ危ない危ないハッハッハッ」

大我が笑っているのを見たヒアリは遂になにかの糸が切れたのか、

「大我ぁ、私のMPもうすっからかんよ!どうしてくれるの!」

勇者に対する敬語を忘れてタメ口になってしまったのだ。


「いやホントごめんて、でもやっと敬語やめてくれたな。俺堅苦しいの苦手なんだよねこれからもタメでよろしく。」

大我の言葉にヒアリは何も言えなくなってしまった。

(タメでよろしくって何よ〜勇者って丁寧な言葉を気に入るんじゃなかったの。)

そう本で読んだ限りでは勇者には丁寧な言葉を使えば、勇者は気に入ってくれると勇者伝説1巻で読んでいたのだ。


「わ、分かったわ。それじゃあ大我まずあなたのレベルは1だから簡単な魔物を倒してレベルアップするわよ。」

ヒアリは順応性が高いのである。

「やっぱそんなレベルだったかぁ。真女神に貰えるスキルが何一つついてなかったからな。」

大我の言葉にヒアリは、キラキラした目で大我を見ていた。

「どんな!?どんなスキルなの!」

「HPが1になっても瀕死状態にならないパッシブスキルともう1つはまーなんだ教えたくないな。」

大我は、少し申し訳なさそうに説明した。

「なんだ、なにか強力なものを貰ったかと思ったのに…残念ね。」

ヒアリも少し聞いたのを申し訳なかったなと思っていた。


「とにかく、まずは国の少し先に行ったところにいるらしいスライムを倒しに行くわよ。まずお父様に話してくるわ。」

そう言って、ヒアリは足早に国王の元へと向かった。


「お父様!今からスライム狩りに行ってきますわ。私もついて行くからMP回復の薬を20本用意して東門まで持ってこさせてくださいな。」

ヒアリは少し楽しそうだった。

それもそうだろう。なにせヒアリは城から1回も出たことがないのだ。城の上から望遠鏡で眺めていたあの城下町に行けるのもそうだが、国の外へ出れる喜びもあったのだろう。


「おぉ、遂にヒアリも城の外へと行くのだな20本と言わずに50本用意しよう。」

さすがは国王、娘に甘々である。


そうして、東門へ集まった大我達は早速スライム狩りへ向かうことにした。

と、思ったのだが、大我は門の前で棺桶になっていた。

「何があったのよー弱小勇者〜。」

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