第1話新たな体
お待たせしました第1話です!前回のやつを見てくださった人が大勢いて自分感激です。今回は早めに投稿する為に文を少なくしてみました。
皆さんは自分の体を見ることを恐れたり、嫌だと思った事はあるだろうか?今の俺はまさにそれだ。新しい体を調べる為に病院服を脱いで裸になれと言われた。今まで女の裸姿をまともに見たことが無かった俺が初めて見るの生の女の裸がまさか自分の体とは・・・。しかも当たり前だがこの体を見るのは俺だけでは無い。白衣を着た男女合計5人(記録係の男2人と検査係の坂本含めた女3人)が俺の体をまじまじと見て来るのはとても恥ずかしい。だがこのまま脱がなければ向こうが強引に脱がせに来るようなのでどうせ脱ぐことになるのならば、自分でやった方が良いと思い渋々着ていた病院服を脱いだ。瞑っていた目をゆっくりと少しだけ開けると、目の前の姿見には金髪オッドアイ美少女が写っていた。
腰辺りまである金色の艶のある髪、鮮やかな赤色の右目と落ち着いた感じの黒色の左目。大き過ぎず小さ過ぎない程好い大きさの胸、すらりとした健康的な体。十中八九 美人、あるいは美少女だと見た人は思うだろう。もし街とかでこんな女性を見つけたら俺は目で追ってしまうだろうな。最悪ナンパするかも。そんな美少女が自分なんだから複雑な心境だ。俺が服を脱ぐと白衣を着た女性3人が俺に近づき巻尺で腰回りの寸法を測ったり、胸の大きさを測ったり、足や手を触ったりなど身体中を触られまくり俺はとてつもない恥ずかしさで自分の顔が赤くなるのを実感した。
身体検査は5分程で終わった。部屋に戻って坂本から手渡されたこの新しい体の検査結果の書かれた紙を見たが、やはり間違いなく俺の体は女になったいるようだ。身長は172と男だった時より4センチ程小さくなっているだけなのでそんなに問題ない。体重はやはり女性だからだろうか男の時より軽くなっていた。胸はしっかりあり大きさはDカップらしい。肉体的な年齢は17〜20歳位で俺の本当の年齢が24なので少し若返ったと言うことだろうか。
「はぁ・・命を失う覚悟は多少なりともできていたが男を失う覚悟はできてなかったなぁ」
と、独り言を言うが出て来る声は今までの聞き慣れた低い声ではなく高い女性らしい声。自分が出している声なのに自分が喋っている感じがしないって言う変な感じだ。違和感しか感じない。違和感で言えば胸も方もそうだった。胸の方に感じる確かなおっぱい重みが気になってしまい他のことに集中できない時がしばしばある。検査の時にこの悩みを坂本に相談してみたら「慣れるしかありませんね・・」と苦笑いしながら言われた。今考えれば変なことを言ってしまったなと思う。
それから3週間の間はこの体を知る為に様々な検査や実験が行われた。1番驚いたのはやはり身体能力だった。元々体力には自信のあった俺だが、体力測定を行ってみた結果運動選手並みかそれ以上の数値を叩き出した。視力も格段に良くなっており、右目が2.5左目が2.3だった。そして治癒能力も高くなっているらしく普通の人間よりも早く怪我が治ったりするらしい。そんなこんなで一通り実験や検査が終わったようである日俺は坂本に呼ばれた。
「約束通り貴方を空に戻してあげますよ。まぁ全て約束通りと言うわけではありませんが」
「だろうな」
実験に成功し必要な記録もとって用済みになったら俺をもう一度戦闘機パイロットに復帰させる。それが坂本が俺にした約束。しかし本田真和として空軍パイロットに復帰、と言うのは無理だろう。俺女になっちゃった訳だし。
「女体化し、容姿は完全に変わってしまい原形をとどめていませんから残念ですが本田真和として空軍に復帰させるのは無理になりました。なので」
坂本は俺に1枚の渡して来た。その紙を受け取り書かれている文字を読んでみる。どうやら身分証明書のようだ。
「美波エリカとして海軍航空隊の航空訓練生として霞ヶ原航空隊に入隊してもらおうと思っています」
紙の一番最初に書いてある文を読むとこう書かれてあった。美波エリカ。性別女、出生 創歴2629年6月24日、年齢18歳、出身 大和大帝国。経歴などはどうやら俺の経歴を元に作っているようで年数が違うだけで入学、卒業した学校名など経歴は殆ど本田真和と同じだ。
「名前にエリカって言ういかにもゲルマ人風の名が入っているのはやっぱりこの見た目のせいか?」
金色のの髪、そして大和人らしからぬ顔立ち。今の俺の容姿は誰がどうみてもゲルマ人だ。前の俺の面影は何処にも無い。
「ですね。なので貴方はゲルマ人の母と大和人の父の間に生まれた混血児ということにしています。詳しくはその紙に書いてあるので読んだいてください」
「了解した。ところで、何で空軍では無く海軍航空隊なんだ?」
別に空軍に固執している訳では無いから海軍航空隊でも良いのだが、ちょっとした疑問だった。
「アーシアを制した我が帝国の次の戦場は海とされており、現在海軍はパイロットの育成に力を入れているんです」
「何でパイロットなんだ?海軍の主力は戦艦だろうに」
海と言えば海軍。海軍と言えば戦艦。海戦の主役は分厚い装甲に身を包み、どでかい大砲を持つ戦艦だ。古来より強力な砲を搭載し堅牢な装甲によって防護された戦艦こそが最強の艦であり、戦艦の質と量で海軍戦力の優位を決定するとされており、それは今でも変わっていない。「戦艦を倒せるのは戦艦だけ」と言う言葉がある程だ。我が国大和にも長門と陸奥と言う世界に誇る超弩級戦艦がいる。何で海軍がパイロットの育成に力を入れているのか俺は分からなかった。
「それは古い考えですよ。今の時代、海の主役は空母ですから」
「へぇそうなのか?」
「大艦巨砲主義は終わったんですよ。もう戦艦なんて言う費用対効果の悪い軍艦が主力の時代は終わったんです」
この人・・戦艦に何か恨みでも有るんだろうか?言い方に棘があるように感じたが。しかし、そうだったのか。戦艦が主力の時代では無くなったのか。俺が知らないうちに戦争は少しずつ変わって来ているようだ。
「貴女程の腕があれば空母でもやって行けそうでね」
船に着陸・・いや着艦か。するのは難しいと聞くがどうなんだろうな?興味がある。
「それと、この実験の事は絶対に関係者以外には話さないで下さいね」
坂本は俺に顔を近づけると耳元で囁くように言った。
「バレたら色々と不味いんで」
何だか面倒な事に巻き込まれたなぁと思ったがこんなことになる事は予想していたので俺は「分かってる」と返事をした。それを聞いた坂本は満足そうに頷くと元の位置に戻った。
「さて、今後は貴方がその新しい体に慣れる為の訓練が主になります」
俺は2つの意味でまだこの体に慣れていない。1つはこの向上した身体能力を上手く扱うこと。もう1つは女としての生活。主に後者が大問題であって、女の体になっただけでこうも日常生活が変わってしまうのかと思った。いや、基本的には男の時と変わらないのだがトイレや風呂、動きなど細々としたものが違うので大変だ。
「了解。頑張るよ」
しかし女になってしまった以上は女としての生活に慣れなければならない。頑張らなければ。
大陸での戦争ばかり続いたせいで存在感が薄れているが、大和大帝国は世界有数の強力な海軍を持っている。アーシア大戦の時も実は敵空母と戦ったり、敵基地などに艦載機での空爆、艦砲射撃を行ったりしている。現在帝国海軍は大型空母5隻と中型空母3隻、軽空母8隻の合計16隻を保有しており、この保有数は世界で2番目に多い。しかし4隻いる大型空母の内1隻は旧型の鳳翔と言う空母で既に第一線から退いており今では練習艦として余生を過ごしている。なので今戦力として使える大型空母は赤城・加賀・瑞鶴・翔鶴の4隻である。
そして、鳳翔の抜けた穴を埋める為と仮想敵国であるアイアデル連邦に対抗する為に帝国海軍は新たに最新鋭大型空母を起工させ、今から1年前に竣工した。その新型空母の名は「大鳳」。帝国海軍初の装甲空母・・・になるはずだったがトップヘビーになる恐れと排水量が大幅に増加することと、搭載できる航空機の数が減ること(帝国海軍は艦載機の搭載数の多い空母を好む傾向にある)を嫌い飛行甲板の装甲化は見送られた。が、格納庫の甲板部などには装甲板が貼られ、500キロ爆弾の直撃を食らっても格納庫甲板で防げるとされている。そしてこの大鳳には四六式一型射出機を搭載しており、これは赤城などに搭載されている三八式三型射出機よりも性能を向上させた新型だ。7500キロの機体を145キロまで加速させることができる。
「大きいな」
軍港に停泊している大鳳を見上げ、その全長270メートルもの巨艦に圧倒されていた多村琥太郎海軍大佐はそう呟いた。
「何を言う。貴様の乗っている艦の方が巨大で勇ましいじゃないか」
不意に後ろから声をかけられた多村だっだが声だけで声の主が誰かを理解し振り返らずに言った。
「空母には空母の美しさがある」
「私は大艦巨砲主義なんでな、戦艦の方が好きなんだよ」
「大鳳の艦長にあるまじき発言だな。信三。いや、菊池海軍大佐」
多村は振り返りながらその話し掛けて来た相手の名を言った。多村の後ろには人の良さそうな中年の男性が立っていた。
「ならお前が乗るか?多村海軍大佐殿」
「いや、結構だ。飛行隊飛ばしてるより砲弾飛ばしている方が性に合っている」
「だろうな。ところでお前さんはこんな所で何をやっているんだ?」
多村は大鳳を見上げながら言った。
「大鳳がどんな艦なのか気になったからな、ちょっと寄り道さ」
「こんな所で油売ってて大丈夫なのか?」
「大丈夫だ。すぐに帰る」
「そうか。時間があるなら艦内を少し案内してやるんだがな」
多村は腕時計を見て時間を確認しつつ答えた。
「うーむ。乗ってみたいところだが、あんまり時間が無いからなぁ。またの機会にするよ」
「そうか。来る時は言ってくれ。お茶くらいは用意しよう」
「珈琲の方が良いな」
「そう言えばお前昔から珈琲をよく飲んでいたな。了解した。用意しておこう」
多村はにニヤリと笑った。
「それは楽しみだ」
「ところで、多村の艦は今どこに?」
「機密保持の為に沖の方に停泊してる」
と言って多村は海の方を見た。菊池もそれに倣って同じ方向を見るが、多村の艦は水平線に隠れて見えない。
「成る程。じゃぁまだ見れんか」
「ん?菊池はまだ見たことが無いのか」
「あぁ。軍のやり過ぎと思う程徹底された隠蔽工作のお陰でお目にかかれたことは一度も無い」
「そりゃ残念」
「ま、そう遠くない内に拝むことになるだろうからそれまで待つとするよ」
「そう言えば大鳳には鳳翔航空隊に所属していた操縦士達が着任したと聞いたが本当か?」
「あぁ。本土で新米達の指導ばかりは性に合わん!前線で戦わせろ!って言う奴らが結構いてな。これからやって来る新米達の指導係兼貴重な戦力としてうちに来て貰った」
鳳翔航空隊に所属していた操縦士達は実績・経験・技量などのノウハウを高いレベルで持っており、その貴重なノウハウを後世に伝えるべく隊員の殆どが空母艦載機搭乗員の育成にあたることになっていた。が、まだ戦い続けたいと言う血の気の多い人達も少なからずいた。
「それはかなり心強いな」
「これで大鳳航空隊は最強になるぞ」
「そうか、では共に戦う時が来れば頼りにさせてもらうよ」
「任せろ。敵の艦載機だろうが戦艦だろうがやっつけてやるさ」
「・・・っと、もうこんな時間か。ではまた会おう」
腕時計を見て時間を確認した多村はそう言って菊池に綺麗な敬礼をした。菊池も多村に敬礼し、わざとらしく多村の乗る艦の暗号名を言った。
「また会いましょう。ウ五五六艦長多村海軍大佐どの」
フン と鼻で笑った多村は足早に去って行った。
どうだったでしょうか?自分航空機はある程度分かるんですが艦艇とかは疎いので間違ったことを書くかもしれません。その時はご指摘お願いします。
それと、今作に出てくる兵器達は主に実際にあるものをモデルにしていますが兵装が違ったりスペックが違ったりしています。例えば空母赤城が搭載している艦載機の数が増えてたりとか。
それでは、次回もお楽しみに〜。