第五話 出会い
「やっと着いた」
目的地の都市にたどり着く事が出来た。
ライトニングスターが、思ったよりも速く走ってくれたため
半日程で着くことが出来た。
「さてと、入口はあそこだな
人が多いな時間がかかりそうだ」
ざっと数えただけでも500人はいる。
門の前にいる兵士達が検問をしているようだ。
(こういう時に限って何が起きるんだよな)
「オークだ、オークが来たぞ!」
(やっぱりな)
「皆さん!速くこちら側に!」
兵士がの呼びかけに人々は門の中へと入っていく。
「くそ、間に合わない」
列の最後尾に居たため、このままでは、オークに追いつかれてしまう。
10体程だったが十分にこの場にいる人々を殺せる量だ。
(このままでは、追いつかれる)
「エリュ、君はこのまま門に向かって走れ!」
「ジャックさんは!」
「私の事は後だ!速く行け」
短刀を取りだし、馬から飛び降りる。
「さてと、どうしようか」
後ろに居る兵士達は手一杯のようだ。
短刀、いやナイフを取りだし加速を使う。
数は10体、武装は一人で相手を出来なくも無いが
時間がかかってしまう。
目に居た一体の首を、少しジャンプしながら切り。
隣のオークも心臓の辺りを突き刺す。
オークが振り下ろしてきた棍棒を回避し
手と足を切り飛ばし、頭に刺す。
一旦離れ様とした時。
「うっ!身体が焼けているのか?」
身体全身が熱く、燃え盛る炎に飛び込んだ様に熱い。
〔王権〕が使え無くなった為か、前まではこのような事はなかったのだが。
「くそ!動けない」
残って居たオークがこちらに向かって来る。
「まだ、こんな所で倒れる訳には!」
どうにかして立ち上がったがさっきの様には行けそうに無い。
最初の様にナイフを再び構え直す。
(オークも倒せないのか今の私は…)
フラフラになりながらもオークに向かっていこうとした時
目前にいたオークに無数の剣が刺さる。
「下がって下さい、後は私が相手をします」
全身甲冑の騎士?と思われる人物が出てきた。
「今日の晩御飯の為に私に倒されて下さい!」
騎士は大剣を振るい、オークを真っ二つにする。
その大剣は戦闘用ではなく、儀式用、芸術品の物に見える。
だが、刃はまるで、炎が揺らめいているような波打ち
切り付けられれば、不定期に血をえぐる凶器に見える。
騎士はその大剣を使い一体、また一体と肉をえぐり殺した。
「終わり終わりっと、貴方大丈夫?なんか苦しいそうだけど」
騎士が私の側に来て話かけてきた。
「大丈夫だ、それよりも礼を言わないとな」
「いいえ、こちらこそ礼を言わせて下さい私が到着するまでよくぞ
お一人でここを守って下さいました、ありがとうございます」
騎士は丁寧な一礼をしてくれた。
「そうだ」
立ち去ろうとした騎士はなにか思い出した様に止まり。
「これから貴方もあの都市に入るんでしょう?あそこには許可書が無いと入れないわよ」
「えっ」
「だから、お礼に入れる様にしてあげようと思って」
「それはありがたい、是非お願いする」
この人物について行けばあの都市に入れるようだ。
都市に向かって歩いていると何か忘れているような気がする…
「そうだ!エリュ」
「うわっ!何、聞きなり」
「急がなくては行けない用を思い出した、少し急ぐ」
あの熱つさが無くなってきたので再び〔加速〕を使う。
「ではお先に」
「ああ、待って!」
彼は物凄い速さで走っていった。
「私が居ないと入れないってば」
あれだけ急いでも門の内側には入れないのに。
(でも彼、何処かで見たことあるような…)
何だろうこの感じ、同業者というか仲間の様な気がする。
(てか、私の馬何処に行っちゃったのよー)
少し前にこの都市に来たとき馬舎に入れていた愛馬が消えていた。
「仕方ない、私も走りましょう」
彼の後を追いかけて私も走った。
加速
一時的に身体能力を上げ、加速する
だが、使い過ぎると肉体に負担がかかる。
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